ごっとさんのブログ

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酷暑の水分補給、スポーツドリンクと経口補水液

2024-09-09 10:32:57 | グルメ
私はかみさんと週に1回テニススクールに行っています。夜の7時半から90分ですが、それほど激しい運動ではなく、適度に身体を動かしているという感じです。

普段家でじっとしていることが多く運動不足になっていますので、少しは健康に役立っていると考えています。この時2種のスポーツドリンクを持っていき、こまめな水分補給を心掛けているつもりですが、500ミリの3分の1程度ぐらい飲む感じになっています。

このスポーツドリンクは口の中が潤った感じがしますので、寝る前に一口飲むと気持ちよく眠れるような気がしています。このところ非常に暑くなっていますので、熱中症や脱水予防に欠かせない水分補給ですが、飲物選びも大事なようです。

持病や年齢によっては、飲み過ぎが大きなリスクになることもあります。今年は特に暑い日が続いていますので、熱中症で救急搬送される人は7月以降急増しています。6月末は1週間で2千人台でしたが、7月以降は1万人を超える事態となっています。

この時期つい飲みがちなスポーツドリンクですが、汗で失われた塩分も補えるし甘みもあって飲みやすい便利な飲み物といえます。

しかしスポーツドリンクは糖分が多く、糖尿病やその予備軍の人、糖尿病になりやすいメタボリックシンドロームの人、高齢者など血糖値を正常な状態に保つ機能が弱い人には不向きとしています。

スポーツドリンク500ミリには糖分が25グラムほど含まれており、これは1日の摂取量の目安に相当します。コーラやジュースなどの清涼飲料水に比べると半分ほどですが、食事にも糖分は含まれているので、500ミリ飲むだけで取りすぎになります。

若い人であれば血糖値を維持、調整する機能が高いので、さほど問題になりません。しかし機能が落ちている人が飲むと糖分を処理できず高血糖状態になり、さらに喉が渇いて飲みたくなるという悪循環になります。

一方最近薬局の店頭などでもよく見かける経口補水液があります。甘くないスポーツドリンクのように思われるかもしれませんが、経口補水液は糖分が少ないものの塩分が多くなっています。高血圧の人などでは注意が必要です。

日本人は日ごろから塩分摂取が多めなので、炎天下スポーツしたような場合でなければ塩飴は不要で、塩分補給は食事で十分なようです。私はまだ経口補水液というものを飲んだことがありませんが、どちらも注意が必要という事のようです。

ただ私のように、飲んでもペットボトル半分程度であれば、スポーツドリンクでも経口補水液でも問題はなさそうな気がします。

眠気覚ましのカフェイン入り飲料の適量は

2023-06-10 10:38:52 | グルメ
あまり眠気覚ましを目的にはしていないのですが、コーヒーは好きで毎日飲んでいます。

昔はドリップ式のパックで淹れていたのですが、最近は面倒になりスーパーなどでペットボトル入りやキャップ付きの缶コーヒーを買って飲むことが多くなりました。

カフェインの効果をいろいろ聞くことが多くなりましたが、色々な面で効用が証明されているようです。カフェインは眠気を覚ましたり、集中力を高める、利尿作用によるむくみの改善のほか、脂肪燃焼を促す効果なども期待されています。

一方で多量摂取による中毒の例などもあり、取りすぎには注意が必要な成分でもあります。カフェインはコーヒー、お茶、エナジードリンク、炭酸飲料の一部、チョコレートなどに含まれており、大体の含有量は以下の通りです。

1杯当りもしくは1本あたりの含有量で、単位はミリグラムです。コーヒー60、煎茶20、ほうじ茶20、紅茶30、エナジードリンク50〜150、チョコレート7となっています。

エナジードリンクや清涼飲料水は商品によって含有量に大きな違いがありますが、その記載は任意とされていますので注意が必要です。一般にコーラ類は50程度で、予想以上に多いと言えるのかもしれません。

カフェインは摂りすぎるとめまいが起きる、心臓がどきどきする、吐き気がするなど具合が悪くなったりなかなか眠れないといった状態になります。日本人を対象にした目安となる量は報告されていませんが、諸外国では示されています。

その主なものは、欧州食品安全機関:体重1キロ当たり3以下であれば急性毒性の懸念はなく、1回あたり200以下の摂取であれば健康リスクは増加しない。カナダ保健省:最大1日あたり400を推奨(マグカップ約3杯)。

WHO:妊婦はカフェインが多すぎると低出生体重や流産のリスクが高まる可能性がある。英国食品基準庁:妊婦のカフェイン摂取量は1日200以下とすることがリスクの低下につながる。

かなりばらつきはありますが、60キロの成人がコーヒーを1日2杯を飲んだり、エナジードリンクを2本飲むと1日あたりのカフェイン摂取量の目安程度となるようです。

カフェインの身体への影響(感受性)は、人によって違うことが分かっています。そのため体質にもよりますが、成人の場合でもカフェイン量が多い飲物は1日2杯程度がお勧めといえるでしょう。

摂取したカフェインは通常3〜7時間で濃度が半減するといわれています。結局適度な量をというのはどんなものでも存在しますので、あまり飲み過ぎないよう注意する程度で十分楽しめそうな気がします。

塩化物イオンに隠された味覚・食塩の甘さ

2023-04-09 10:38:54 | グルメ
味覚は不思議なものでメカニズムは皆同じはずですが、どちらが美味しいかアンケートを取ると絶対に100%はなく、偏っても7:3ぐらいになります。個人の好みと味覚とは異なるものかもしれません。

食塩(塩化ナトリウム)は、ナトリウムイオンと塩化物イオンが結びついています。ナトリウムイオンは口の味細胞にある塩味の受容体に結合し塩味として感じられますが、塩化物イオンは甘味やうま味の受容体に結合していることが分かりました。

岡山大学などの研究グループが、メダカやマウスの実験で発見しましたが、ヒトにも同様に塩化物イオンが結合するタイプの受容体があるようです。

ヒトの口の中には甘味、うま味、塩味、苦味、酸味を起こす物質と結合する受容体があります。それぞれの味を起こす物質と対応する受容体の構造が、カギとカギ穴の関係のようにぴたりと結合して味を識別します。

こうして甘味受容体は砂糖、塩味受容体はナトリウムイオンを感知します。この仕組みは人や魚類など脊椎動物に共通しています。ヒトはみそ汁に近い0.8〜1%ほどの濃度の食塩水は美味しい塩味として感じますが、その10〜20分の1ほどだと甘く感じます。

これは60年前の米国の心理学研究で知られてきましたが、その理由は未解明でした。岡山大学の研究グループは、2017年メダカの甘みやうま味を感じるタイプの受容体のカギ穴部分の立体構造を解明しています。

この構造を詳しく調べるうちにアミノ酸が結合するカギ穴のすぐそばに、何らかの別の物質が結合しているカギ穴があることが分かり解明に挑みました。放射光施設やフォトンファクトリーで解析した結果、この物質が塩化物イオンであると判明しました。

しかもこのカギ穴は甘味受容体とうま味受容体の共通の構成要素にあり、ヒトを含むほとんどの動物が持つことも分かりました。甘味やうま味の受容体のカギ穴にアミノ酸などの味物質が結合すると構造増が変化し、味の情報が体内に伝えられると考えられています。

メダカで調べると、塩化物イオンが結合してもこれと同様の構造変化が起きました。マウスの神経を調べたところ、塩化物イオンが甘味受容体を介して甘味の神経を応答させており、味覚として感知していることを確かめました。

塩化物イオンが受容体や味の神経に働くときの食塩水の濃度は0.05%ほどで、これは60年前の研究のヒトが甘味を感じる濃度とよく一致しました。実際マウスはただの水よりこの薄い塩化物イオンを含む水を好んで飲み、好ましい味と感じているようです。

食塩は生命維持にに必要ですが、取りすぎると血圧が上がるなどして不健康です。

薄い食塩水は身体に必要なミネラルを補給するためにこのようなメカニズムとなっており、味覚と健康とが理にかなった形で関連していることがうかがえる成果としています。

日本の焼酎とウイスキーの決定的な違い

2023-04-04 10:33:59 | グルメ
昔なじみの居酒屋で飲んでいる時、当時幻の焼酎といわれた「森伊蔵」が手に入ったと、お猪口に少量飲ませてくれたことがありました。

小さな氷とともにいわゆるロックで飲んだのですが、確かに何とも言えない味わいがあり、感激した記憶があります。身近な存在ですが、焼酎は非常に特殊な蒸留酒といえるようです。

どんな原料でも焼酎にできて、蒸留酒なのに新酒でも旨く健康にも良いとされています。蒸留すればただの「湯気の集まり」のはずが、さまざまな個性的な風味も持っています。同じ蒸留酒ですが昔から飲まれているウイスキーとは「決定的な違い」があるようです。

ウイスキーは麦芽を使う単行複発酵方式で、まず麦芽を60℃程度の温水に浸漬し麦芽のデンプンを麦芽の酵素で糖化し、この糖化液を30℃程度に冷却して酵母を添加し3日前後というごく短期間で発酵させます。

麦芽糖化液の糖濃度が高いと、濃度圧迫と呼ばれる発酵阻害が起きるために低い糖濃度で発酵させるので、発酵モロミはアルコール分7%程度ぐらいにしかなりません。蒸留しても20%程度にしかならないので、これをもう一度再蒸留して高濃度のアルコールを得ます。

つまりウイスキーの蒸留は、アルコール濃度を高めることを目的としています。汚染を防ぐために密閉容器で発酵させるので発酵中の蒸散成分が少なく、焼酎のような開放状態で高温長期発酵させる条件では揮散してしまうアルデヒド類などの成分が、ウイスキー原酒にはそのまま含まれています。

このため蒸留したての原酒は香味のバランスが悪く、樽の長期熟成による成分変化が必要となるのです。これに対し焼酎は、麴を使う並行複発酵方式を取り、2〜3週間発酵させるのでアルコール度の高いモロミができ、それを1回蒸留することで高濃度のアルコールが得られます。

カメやタンクなどの発酵容器で開放状態のまま発酵させるため、揮発性のガス臭と呼ばれる成分は発酵中に大部分が揮散します。こうした方式により出来立ての新酒の状態で十分美味しい焼酎を作ることができるので、長期熟成の必要がないのです。

例えば芋焼酎のモロミのアルコール度は14度程度ですが、これを蒸留すると37度程度の原酒を1回の蒸留で得ることができます。原酒を水で希釈して25度に調整します。焼酎の蒸留はアルコール度を高めるためではなく、アルコールを取り出すために蒸留しているといえます。

焼酎を水やお湯で割って飲むのは、日本人のアルデヒド脱水素酵素が少ないという体質も影響しているようです。私はウイスキーを水割りで飲んでいますが、いわば日本人的な飲みかたといえます。

アルコール度を高めるために蒸留しているウイスキーを割って飲むのは、本来の意味と違っていますが、美味しく楽しく飲むための工夫は個々に違っていても良いような気がします。

熱中症対策・ペットボトル症候群には注意を

2022-08-21 10:12:16 | グルメ
今年の暑い夏は異常気象と呼んでもいいのかもしれませんが、毎日多くの熱中症患者が搬送されています。

熱中症を防ぐには水分補給が大切ですが、取り方によっては「ペットボトル症候群」といわれる状態になるようです。ペットボトル症候群(清涼飲料水ケトーシス)とは、糖分を含む飲料をたくさん飲み続けると起こる健康障害です。

糖分を含むものを飲食すると血糖値が上がりますが、膵臓から分泌されるインスリンによりブドウ糖が筋肉や脂肪に取り込まれ、血糖値は下がります。

しかし糖分を多く含む飲料を飲み続けて、高血糖の状態が続くとインスリンの分泌が減ったり働きが悪くなったりして、ブドウ糖は血液中に残ったままになります。

この状態が続くと尿の量が増え脱水になりますが、喉が渇くのでさらに糖分を含む飲料を飲み続けると、より症状が進んで悪循環に陥り、これがペットボトル症候群のきっかけとなります。エネルギー源となるブドウ糖は肝臓や筋肉、脂肪などに蓄えられ必要に応じて使われます。

しかしインスリンの働きが悪くなると、脂肪や筋肉を分解してエネルギーにしますが、これに脱水が加わり体重が減っていきます。また脂肪を分解して作られる「ケトン体」という物質が急激に血液中に増えてしまい、気分が悪くなります。

食欲が落ちたりしていわゆる「夏バテ」の原因のひとつでもあるようですが、重症化すると意識障害を起こすこともあり命に関わります。「糖類ゼロ」と表示された飲料も多くありますが、こういった商品であればペットボトル症候群にならないかというと、やや問題もあります。

100mlあたり糖類が0.5グラム未満であれば糖類ゼロと表示できるため、知らず知らずのうちに糖類を摂取している可能性があるようです。ペットボトル症候群になる危険性が高いのは、もともと血糖値が高くジュースなどを相当量飲む人です。

健康診断を受け自分の血糖値がどのくらいなのか知っておくことが大切です。血糖値が高くなければ、1日500ml程度の摂取であれば、ペットボトル症候群になる危険性は低いとしています。

ただし健康な人でも食事と食事の間に高血糖の状態が続くと、空腹を感じにくくなり食生活の乱れに繋がります。このペットボトル症候群という言葉は初めて目にしましたが、水分補給をしてケトン体が増えてしまうというのはやや怖い感じがします。

私は基本的には金属カップに氷水を入れて飲んでいますので、糖分はほとんどとっていませんが、出掛けたときなどよく飲む缶コーヒーはいかにも糖分が多そうですので、少し気を付けた方がよいのかもしれません。