ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

なかなか難しい「完全数」のはなし

2021-06-30 10:30:48 | その他
私は若いころから数字に興味がある、というよりは数字が好きだというのが正しいかもしれません。

ヒトの名前を覚えるのが非常に苦手なのですが、数字は覚えるというより頭に残るという感じです。ですから電話番号などは覚えようとしなくても、1度聞けば2,3日は思い出すことができるという特技を持っていました(今では次の日にも思い出せません)。

多分高校のころから4つの数字を順番は関係なく、加減乗除を使って10にするというパズルのようなものをよくやっていました。例えばバスを待っている間、通過する車のナンバーを使って、その車が見えなくなるまでの間に10にするのを友人と速さを競っていました。

これは今でも信号待ちなどで前の車のナンバーで計算することがあります。0以外の数字であれば絶対にできないものもありますが、ほとんど見つかるような気がします。

今でも記憶に残っているのが1,1,9,9という数字です。正解を書きますと(1+(1÷9))×9で10になりますが、計算の中に分数が入るというのが難しい特徴です。

さて6月28日が「完全数」の日という記事を読み、完全数を思い出しました。完全数というのは、「その数自身を除いた約数を足すと、その数自身になる数」となっています。これは単なる数字の遊びのようなもので、なぜ完全数という名前が付いたかはよく分かりませんでした。

例えば6の約数は1,2,3,6となりますが(1とその数自身は約数となります)、6を除いた1+2+3が6になるわけです。同様に28は1,2,4,7,14でこの合計も28になります。一番小さな完全数が6で、次が28であることから6月28日が完全数の日となったようです。

こういった性質を持つ完全数は無数にあるような気がしていましたが、実際は非常に少なく数学者の間では問題になっていました。ただし古代ギリシャの時代に、完全数を計算する式が出来上がりましたが、その中の「2n-1」(2のn乗です)が素数であるときという前提がついていました。

この素数かどうかを判定するのが、現代の数学をもってしても難しいようです。5番目の完全数はこの式からでましたが、33550336という大きな数になっています。

この計算式は古代ギリシャ時代ですのでその後ずっと探索が続き、1950年代以降はコンピュータによる探索が続けられています。それでも25番目の完全数が見つかったのは1978年となっています。

現在までに51個の完全数が見つかっていますが、51番目の素数は24862048桁という途方もない大きな数となっています。このブログのページにびっしり数字を書いても、1万ページ以上続くという大きさです。

現在52番目の完全数の探索は続いているようですが、現代の情報のセキュリティに関連するとしていますが、所詮は数学者やIT研究者の遊びのようなものと思っています。

ただ完全数は私が思っているよりはるかに難しい問題であることも確かです。

カフェインの覚醒効果と認知機能

2021-06-29 10:34:24 | グルメ
私はコーヒーが好きでよく飲みますが、モーニングコーヒーというわけではなく何か飲物が欲しい時に飲む感じです。

最近コーヒー等に含まれているカフェインの効能についていろいろ報告されています。例えば心臓病や脳卒中を予防するほか、糖尿病の血糖値の改善や脂肪燃焼促進による肥満防止から、大腸ガンや肝臓ガンの予防効果があるとされています。

この辺りはどの程度信頼性があるのか分かりませんが、好きで飲んでいるコーヒーですので別にこういった効果を期待しているわけではありません。

最新の研究によると、カフェインを摂取しても認知機能は向上せず、覚醒はするものの睡眠不足によってミスが発生する可能性があると報告されています。

276人の被験者を対象としたこの研究では、さまざまな難易度の課題を、1起きている時、2実験室で徹夜した後、3家に帰って寝た後、という状況で完了する能力を比較しました。2番目の課題を行う前に、一部の被験者には200mgのカフェインを、その他の被験者にはプラセボを与えカフェインが睡眠不足による障害を軽減するのかの検証を行いました。

その結果カフェインはタスクを完了するのを助けてはいるが、睡眠不足のグループと比較してタスクの完成度を上げているわけではなかったようです。

研究グループによると、睡眠不足はどのタイプのタスクにおいてもパフォーマンスを低下させていますが、カフェインの摂取は、簡単なタスクを成功させる手助けになることが分かりました。

一方一連の手順を決められた順序で、漏れや繰り返しなく実行する手段においては、カフェインはほとんど影響がありませんでした。カフェインは目を覚まして作業に集中する能力を向上させるかもしれませんが、医療ミスなどの原因となるミスを防ぐ効果はあまり見られなかったようです。

実際に時間外の手術は、午前中の手術と比べて死亡率が高いことが判明しており、疲労が医療の結果に関与している可能性が示唆されています。睡眠不足がなぜ認知機能に影響するのかは不明なようですが、ワーキングメモリや注意力、意思決定力が低下することはよく知られています。

医療従事者や重要な意思決定をする人にとって、睡眠不足は大敵ということになります。職場でのパフォーマンスを上げるなら、カフェインよりも睡眠をとれる環境を用意する方が良さそうです。

カフェインは目を覚ましてくれる効果はあっても、認知能力は向上させてくれないので、結果は良くならないというのが結論となっています。

コーヒーですっきりしたような気分になっても、ミスが減るわけではないというのは当然のような気がします。

ガンゲノム医療が進展

2021-06-28 10:27:07 | 健康・医療
ガンは遺伝子変異による細胞の病気ですが、その原因は加齢や喫煙とされています。

私はガンが発症するのは、細胞が増殖するときにDNAも複製されますが、その時のコピーミスが原因と考えています。このコピーミスを修復する機構を持っていますが、それが加齢によって弱まることで、高齢者の発症が多くなるわけです。

現在抗ガン剤は、肺ガンや胃ガンなどと部位別に分類されていますが、本来どんな遺伝子変異によってガン化したかで分類すべきと思っていました。

ただ現在最も多く使用されている抗ガン剤は、増殖速度の速い細胞を攻撃するというメカニズムですので、臓器の種類によって効果の出やすさが違っていることも確かです。

近年ガン細胞の遺伝子変異を調べて、効果が見込める薬を探す「ガンゲノム医療」がやっと広がってきました。これは2019年に多数の遺伝子を一度に調べる「ガン遺伝子パネル検査」が公的医療保険で認められてことも寄与しているようです。

ガン治療では特定の遺伝子変異を狙い撃ちする「分子標的薬」を使うことがありますが、臨床試験で効果が確かめられた部位のガンでは保険が適用されています。しかし別の臓器のガンでも、原因の遺伝子変異が同じなら効果を発揮することはあります。

保険で認められたガン遺伝子パネル検査は、カバーする遺伝子が114種類と324種類の二つの検査があります。手術などに採取されたガン組織を検査会社に送ると、解析し変異のある遺伝子や対応する分子標的薬を探すことになります。

厚生労働省によると、2019年9月から20年8月に検査を受けた186病院の合計7467人のうち、治療に結びついたのは607人(8.1%)となっています。薬が見つかっても国内未承認で入手できないなどの事情で治療を断念することもあるようです。

この様に遺伝子変異に対応する分子標的薬はごく僅かであり、この分野の医薬開発が望まれます。また現状は対応する治療薬が見つかったとしても、完治するに至らず若干の延命効果が認められる程度です。

この辺りは遺伝子検査をける患者が標準治療では効果が出ないといったケースに限られるため、検査結果が出るまでの約2か月で悪化してしまうことも多いとしています。

現在までにこのガンゲノム医療によって、適応症になっていない分子標的薬で効果が出る場合もあるようですので、ガンの新しい治療法と言えるようです。

この治療法でどのくらいの医療費がかかるのかはよく分かりませんが、安価な一般的な治療法になるにはまだまだ時間がかかりそうです。

プラセボ(偽薬)を使って本当に病気が治るのか

2021-06-27 10:33:49 | 
このところ「プラセボ(偽薬)効果」とホメオパシーとの関連につていろいろ述べてきましたが、なぜプラセボ効果が生じるのかについて私見を書いてみます。

私は長年創薬研究を行ってきましたが、その中で薬は本当に病気を治しているのかという疑問を持っていました。これは大部分の薬が「対症療法」であって、なぜ病気になったのかの原因を治す薬がほとんどないためです。

つまり例えば降圧剤にしても、なぜ高血圧になったかの原因を治療するものではなく、高くなった血圧を下げるだけの薬です。それでも薬を飲めば病気が治ることも確かです。

そこで私は次のような仮説を考えてみました。病気の症状(痛み、発熱、炎症など)を薬によって抑えていると、その間に人間の持つ恒常性維持機構(常に健康な状態を維持する機能)が働き、病気の原因となった部位を修復するのではないかということです。

この思いは色々な病気の薬(実際にはある症状を抑える薬)のメカニズムなどを知れば知るほど、強くなってきました。このブログの副題である「病気を治すのは薬ではなく自分自身」は、こういった意味を込めて書いています。

何万とある薬の中で「抗生物質」は、病気の原因となる病原菌を抑える薬と言えるかもしれません。それでも抗生物質は病原菌を殺すのではなく、増殖を抑える薬(静菌作用)です。

従って侵入してきた菌をすべてなくすことはできず、数が減ってきたところで人間の持つ免疫が働き、残った菌をすべて殺して病気が治ることになります。免疫機能が低下してしまうと、現在でも結核や肺炎で亡くなる人が出てしまうのはそのためと言えます。

ですから唯一に近い原因を排除する抗生物質でも、完全に治すのは人間の力と言えるのかもしれません。

頭痛がするから鎮痛剤を飲むと、その間自分自身がなぜ頭痛がするのかの原因を探し、それを治してくれるから頭痛は治まるわけです。この自分自身が治す力が弱い人は、鎮痛剤が切れると又痛くなり慢性的な頭痛になってしまうこともあるわけです。

実際に腎臓や肝臓のような臓器が痛んでしまうと、それを治すような薬は存在しません。単に臓器の機能を補助する程度の薬しか存在しないのです。これが良くなるのは、やはり自分自身が治しているということになります。

そこで先ほどの頭痛の時の鎮痛薬や機能補助剤が本当に必要かという問題になります。私は単に人間が自分の身体を治そうとするきっかけを与えているにすぎないと思っています。

こういったことから、これを飲めば良くなるはずというきっかけを与えるプラセボで、十分効果が出るのではないかというのが私の意見です。

2025年「高齢者の2割が認知症」と予測

2021-06-26 10:29:23 | 健康・医療
私も認知症を心配する歳になってきましたが、友人知人の中にも認知症らしき行動する人が出てきています。

私の家ではかみさんか私が認知症の症状が出てきたら、すぐにそういった施設に入れるという話しをしており、原則自宅介護はしないということで一致しています。

厚生労働省研究班の調査により、2012年の時点で65歳以上の高齢者の15%、462万人が認知症であることが分かりました。また軽度認知障害と呼ばれる認知症予備軍が400万人いることも分かっています。

厚生労働省の推計では、2025年には認知症の患者は約700万人(675〜730万人)で、65歳以上の高齢者の20%に達すると見込んでいます。こういった推計は大体多めの数が出るものですが、それにしても20%というのは莫大な数と言えます。

これだけの数がいると、現状の医療機関や高齢者施設だけではケアしきれなくなりそうです。これは政治の問題ですので、ここでは触れずに認知症自体について考えてみます。

認知症とよく似た言葉に「もの忘れ」があります。認知症になると物事を忘れ、患者は必ずもの忘れが見られます。しかし加齢によるもの忘れと認知症とは区別して考えることのようです。

認知症を疑う症状の具体例を挙げていきますと、例えば物や人の名前が覚えられず、覚えている名前が出てこないといった症状は、認知症だけではなくもの忘れでもよく起きることです。

しかし認知症の専門医によると、もの忘れとは明確に区別でき、認知症は体験したことの全体を忘れていて、体験自体の記憶(エピソード記憶)が失われ日常生活に支障が出るとしています。

加齢によるもの忘れは、体験したことを部分的に思いさせないのであって、体験自体の記憶(エピソード記憶)は保たれているとしています。この辺りはイメージ的には何となくわかるような気もしますが、なかなか文章で表すのは難しいような気がします。

色々な体験があったこと(エピソード記憶)はあるもののその一部を思い出せないのがもの忘れであり、体験自体を忘れてしまうのが認知症ということかもしれません。こういったもの忘れは、嫌な事例などを忘れることにより健康にも良いとされています。

認知症のもの忘れは記憶全体が抜け落ちてしまうもので、本人は思い出せないしもの忘れの自覚が無いとしています。ここでは認知症ともの忘れの区別を書いてきましたが、問題は2025年という少し先に認知症の患者数が増えてくるということのようです。

この理由をいろいろ調べてみましたが、納得できるような説明は見つかりませんでした。現在のコロナ禍が認知症を増やすのかもわかりませんが、あまり気にしても仕方がないことのようです。