ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

植物の音や化学物質による情報交換

2023-03-31 10:34:24 | 自然
少し前にテレビの番組で、植物も音を聞き分けたりして防御物質を分泌したりして情報交換をしているという番組を見ました。

あまり真剣に見ていませんでしたので、その内容は覚えていないのですが、私も数年前植物の物質による制御の可能性を考えていました。

そのきっかけは家の庭に生えてくるアサガオでした。歳をとってから庭の雑草の手入れがおろそかになり、雑草が生い茂る酷い状態になってしまいました。そこで毎年5月末か6月に便利屋さんに頼み、雑草取りと庭木の剪定を頼むようになっています。

この綺麗になった庭に最初に芽を出すのが決まってアサガオでした。これは種をまいているわけではなく、おそらく10年以上前に育てた大輪のアサガオが自然に種を落とし、それが毎年芽を出しているものです。

自然交配を続けていますので、完全に先祖がえりを起こし、非常に小さな青い花になってしまいました。もはや雑草のようになり庭のいたるところで咲きますので、夏の風物詩となっていました。

庭の草取りをしてなぜアサガオが真っ先に芽を出すのか興味を持っていましたが、ある年この草取りを頼むのを忘れたか7月になってしまったことがありました。ところがこの草取りが1か月以上遅くなっても、最初に芽を出すのはやはりアサガオだったのです。

しかも出てくる芽の数は6月ぐらいに発芽する数とほとんど同じようでした。つまりアサガオは、繁殖している雑草が無くなるのを待って発芽するという素晴らしい能力を持っていたのです。

しかし単に土の中に埋まっているだけのアサガオの種に、そんなセンサーがあるとは考えにくいような気もします。それよりもむしろ生えている雑草から、発芽抑制物質が出ていると考える方が妥当のような気がしました。

もしこの仮説が正しければ、この時に出される発芽抑制物質は、理想的な農薬になる可能性を秘めています。何しろ自然界で普通に出ているものですので、何の害もないことは確実です。

残念なことにこの時すでに私は現役を引退していましたので、こういった発芽抑制物質を単離して同定するという実験を行うことができませんでした。またこの時私が勤務していた研究所は、農薬研究から撤退していましたので、後輩にやってみるよう頼むのも難しくなっていました。

実はどういう実験系を組めばこの物質を取り出すことができるかまで考えたのですが、実施することはありませんでした。私が現役のころこういった現象に気づけば、面白い研究ができたのにと非常に残念に思っていました。

テレビによれば植物の予想外の機能が分かってきたようですが、植物どうしがいろいろコミュニケーションを取っているようですので、この辺りの研究が進めばより面白いことが明らかになりそうです。

進行ガンでは治ることを目指すより大事なことがある

2023-03-30 10:39:36 | 健康・医療
歳をとるのは早いもので、私は76歳とガン年齢といわれる歳を過ぎてしまいました。

この歳になればたとえガンが見つかったとしても、痛みや苦痛を取るだけでガンの治療はしないつもりでいます。手術や抗ガン剤治療という体に負担の大きな治療をしても、それほど寿命に違いはないだろうという考えです。

最近ガン専門医の「根治は目指さなくてもよい」という論説を見ましたが、私の意見とは若干違っていますが簡単に紹介します。

最初にガンができるのが「原発巣」で、原発巣から離れた場所までガンが飛び塊をつくるのが「遠隔転移」です。遠隔転移のある「進行ガン」は根治が難しいのですが、この専門医は根治は目指さなくてもいいと説明しています。

ガンが限られた範囲に留まっている「早期ガン」であれば、ガンを手術で取りきることで根治を目指せますが、限られた範囲を超えて遠隔転移が生じていれば、病気が全身に広がっていることを意味し進行ガンとなります。

CT検査などで確認できる遠隔転移が一つだけだったとしても、ガン細胞という「種」は体中にまかれたと考えられます。検査でわかるのは1センチくらいの塊を形成した時ですが、1センチの塊というのはガン細胞が10億個くらい集まったものです。

それより小さい塊があっても検査では見つけられないのですが、1個でも転移が見つかったという事は他にも小さい「芽」が生えている可能性が高いといえます。

限られた範囲に対して効果を発揮する手術や放射線治療などを「局所治療」といいます。早期ガンであれば局所治療で根治を目指せますが、進行ガンの場合は身体全体の病気を制御する必要があるため、薬を全身に行きわたらせる「薬物療法」を行う必要があります。

現在身体からガン細胞が消えたかどうかを厳密に調べる方法はありません。根治にこだわるよりも、「いい状態で長生きする事」を目指す方が当然重要です。現在は根治は達成できないとしても、ガンとうまく長く付き合っていくことができるようになりました。

ガンが悪さをしないようにうまく抑えながら、できるだけ長生きして天寿を全うできればガンが治ったとほとんど同じことといえます。医師の中にも根治にこだわりを持ち、遠隔転移に対する局所療法を進めたり強い抗ガン剤を進めたりする人もいます。

しかしそういう手術をせずに長生きしている患者も多くいることも確かなようです。こういった考え方は、特に高齢者の場合は必要で、現在は局所治療である手術があまりにも偏重されているような気がします。

手術をした場合としない時、どちらが長生きできるかは永遠に答えの出ない問題ですが、手術をしない選択肢も選べるようになることを期待しています。

年寄りの集まりとなった「囲碁会」を開催

2023-03-29 10:33:26 | 文化
昔の囲碁仲間でやっている「囲碁会」を久しぶりに開催しました。

76歳の私が最年少で、長老のSさんは82歳ですので、幹事のIさんが1,2月は寒いからと中止していました。囲碁はいくつになっても楽しめることが良いところかもしれません。

私は囲碁にはご無沙汰で、この囲碁会以外に打っていませんでした。それがタブレットの中を整理した折、何年か前に購入した囲碁の参考書が見つかりました。ざっと読みなおしたところ改めて気付くことが多く、実戦で試してみたくなり近くの碁会所に行ってみたりしました。

そこで参考書が指摘しているところを留意すると、良い形で打てることになり、少し強くなったような気がしました。

さて今回は碁会所に13:00集合で、10分前ぐらいに行くともうIさんは来ており、すぐに打ち始めました。定刻前にはSさんとKさんもそろい、無事開催となりました。

Iさんとの囲碁は参考書を思い出しながら打ちましたので、比較的よい形になっていました。この時Iさんが珍しい手を打ち、ふつう思いつかないようなところですので聞いたところ、AIが指示している手という事でした。やはりIさんも勉強しているようです。

私が有利な形で終盤になりましたが、ここでちょっとしたミスが出てしまいこれが寄せに大きく響き逆転されてしまいました。4目の負けとなりましたが、やはり勉強するとかなり効果はあるようです。

次の対局はSさんとなり、中盤まで互角の戦いでしたがSさんが感違いをしていたようでおかしな形となりました。私はこれを追及したところ、かなりの大石が死んでしまいSさんの投了となりました。

その後Sさんと喫煙所に行きいろいろ話しましたが、Sさんは近所の自治会の囲碁に出ていたようです。このところやっていないということで久しぶりの囲碁となったようです。

最後がKさんとの対局ですが、Kさんは圧倒的に強く3子の置き碁となっています。この置石の利点を生かし厚く打っていましたし、途中白を攻めてかなり有利と思っていました。ところが終盤の寄せに入り、いわゆる手筋の寄せでうまく打たれ逆転されてしまいました。

やはり最後に力の差が出てしまい、6目の負けになってしまいました。その後恒例の串揚げの居酒屋で軽く飲みましたが、やはり話題はWBCの野球のはなしで盛り上がりました。

4人ともそれほど野球には興味はなかったのですが、最後の2戦は全員見て興奮したようです。Iさんによれば、どんな小説などで作り上げるよりも素晴らしい展開で、スポーツの面白さを満喫できたといっていました。

その後昔の職場の先輩方の訃報がいろいろ出てきましたが、年齢を考えるとやむを得ないことといえます。このメンバーですとどうしても昔ばなし的なことが多くなりますが、楽しい時間を過ごすことができました。

日本の医療の中には不要なものが多い説

2023-03-28 10:35:49 | 健康・医療
このところ日本の医療に関して、不必要な検査や治療が多いという論評が多くなっているような気がします。

私の知っている整形外科でも最近MRIを導入し、X線で十分なケースでもMRI診断を行っているといううわさが出ています。正確な診断には多くのデータが必要というのは分かりますが、確かに機器の進歩に伴って不要な検査が増えているような気もします。

たとえば人間ドックで受けることができるPET検査は、健康な人でガンが見つかるのは1%前後と極端に低いため、無症状の人には必要ないといわれています。無意味な安心を得るため約10万円の検査を受けていることになります。

治療をするほどもうかる医療側の利益追求と、万が一に備えてという過剰なリスク回避によって、患者は余計に医療費を支払っているケースがあるようです。身近にあるといわれている無駄の可能性がある医療を紹介します。

まず制度としてアメリカでは病気ごとに支払う料金が大体決まっているのに対し、日本では入院期間が延びるとその分医療機関が請求できる金額が増える仕組みです。入院期間が延びるほど儲かるので、これも無駄な医療の温床となっています。

また「念のため」「万が一のため」と不必要に検査を重ねる過剰診断や過剰治療が積み重なって、日本に無駄な医療がはびこるようになっているという説もあります。

さて無駄と思われる検査として、定期的な大腸ガンの内視鏡検査があります。便潜血が判明したら精密検査として内視鏡を入れて調べます。

内視鏡を使った検査でガンを発見できなかった場合は、ガンになるリスクはその後10年間にわたって低いと分かっているので定期的に受ける必要はないといえます。次は子宮頸ガンですが、これは子宮の入り口にできるガンです。

コルポスコピーはチューブ状のカメラを挿入して拡大鏡で観察する検査ですが、眼で見て異常が無い場合はカメラで見ても変わりないといわれています。

次が閉経後のDEXA法による定期的な骨密度チェックです。DEXA法は骨密度の低下をエックス線で定期的に測定するもので、閉経後の骨粗しょう症予防として頻繁に行われています。

骨密度は短期間で変化するものではないため、高齢女性でも健康であれば10年以内に繰り返し検査する必要はないと報告されています。最後が軽い頭部外傷でのCT検査です。頭を打った程度ではほとんどがCT検査で診断する必要はありません。

無駄に放射線にさらされるのはむしろ危険で、将来的にガンになる可能性を高める恐れがあります。特に子供は放射線に対する感受性が高いと指摘されています。

その他治療薬についても必要性が低いものがかなりあり、現在は過剰医療が頻繁に行われているといえるようです。

認知症は予防や改善ができるという最近の話題

2023-03-27 10:32:57 | 健康・医療
最近昔の麻雀仲間に連絡を取りましたが、彼は認知症ではないのですが若干脳に障害が出ていました。

電話で話す限りではそれほど異常は感じませんが、スマフォがどこに行ったか分からないなど問題を抱えているようでした。こういった認知症の予防や改善ができるという記事を見ましたので紹介します。

イギリスでは三つの地域の住民(いずれも65歳以上)を対象に認知症の有病率を調べ、そのデータを基に認知症有病率の予測値を割り出す「CFAS研究」を実施しました。

第1部(1989〜1994年)と、約20年後の第2部(2008〜2011年)に分けて調べた結果、第1部よりも第2部の方の有病率が3割も減少していました。つまり最近の高齢者の方が以前と比べて認知症のリスクが低いことが示されました。

日本では65歳以上の高齢者のうち認知症を発症している人は15%以上で、2021年の時点で約462万人に上ったことが厚生労働省研究班の調査で明らかになっています。それが2025年には推計20.6%、730万人と増加し、65歳以上の5人に1人が認知症を発症すると結論付けています。

イギリスは2005年から「心臓に良いことは頭にも良い」という標語の元、国を挙げて認知症予防に取り組んだ成果といえるようです。つまり心臓病対策を認知症予防策に紐づけて、禁煙や減塩のキャンペーンを実施したことが功を奏したといえます。

特にパンを製造する業界と一緒に取り組んだところ、3年間で10%もの減塩を成功させました。結果的に脳卒中、心臓病、糖尿病などの発症を抑えることができ、年間2600億円もの医療費を削減したそうです。

こういった疾患は認知症発症に関わっていることは間違いありません。一般的には高血圧対策と認識されている減塩ですが、認知症を遠ざける効果もあることをイギリスの成果が教えてくれているといえます。

次にフィンランドの研究で、軽度認知障害の一歩手前の健常者に対して、食事指導、運動指導、認知トレーニング、血管管理などを積極的に行い、結果を実証した試験を行いました。詳細は割愛しますが、「生活改善グループ」は実行機能が83%、処理速度は150%も高くなっていました。

この結果認知症の症状が出始めたとしても、早期に正しい対策をすることで改善したり大きく進行を遅らせたりすることができることがはっきりしました。

こうした結果が出てはいるのですが、私は認知症の予防や改善は難しいだろうと感じています。認知症の発症メカニズムから考えても、こういった生活環境を変えることで予防できるとは思えません。

しかし車の運転をやめるなど刺激が減ると進行するというのは確かですので、なかなか難しい問題であることは確かなようです。