ごっとさんのブログ

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   薬と猫と時々時事

自民党には次のリーダーとなる人材はいないのか

2021-08-31 10:26:10 | 時事
来月実施される自民党の総裁選挙に注目が集まってきました。

野党の党首選であれば、だれがなってもまったく気にしませんが、自民党の総裁は日本のトップとなる総理大臣を選ぶ選挙と同じ意味を持っていますので、私も興味を持って眺めています。なおこの文章では敬称は省略します。

安倍前首相が健康問題で突然辞任した時、誰が後任になるか大いに興味がありました。官房長官であった菅は長い間情報の発信などやっていましたが、その印象や質疑の答弁などを見ていわゆるスポークスマンであり、裏方として表には出てこないだろうと思っていました。

ところが前回の総裁選では、全党をあげて菅首相が誕生してしまいました。安倍政権時代は、コロナ対策として学校の突然の休校や、アベノマスクの配布などの行動を進めました。どちらもほとんど効果はなく、意味のない政策でしたが、それでもやる気を見せていたような気がします。

菅になってからは、緊急事態宣言を発出するというまるで官房長官のような発言に終始し、リーダーらしさがまるで見えませんでした。オリンピックに関しても開催可否の議論がないまま感染者増の中で実施されました。

例えば「ワクチンを売ってもらったから開催しなければいけないので、国民も盛り上がってくれ」とか「俺がやると決めたのだから、国民も協力しろ」と開き直っても良かったような気がします。当然批判は起きますが、ここまで支持率が下がることはなかったと思っています。

さて感染者は減らず、重症者が増加する中でどんな人が次の首相になるのでしょうか。現在立候補を噂される人の中では、良いか悪いか判定する材料すらない人ばかりのような気がします。

少しはまともそうな岸田も、無投票当選したら次の総選挙が不味いということで立候補しているような気もしますし、他も何で立候補するのかよく分かりません。

自民党の各派閥の中には将来の首相候補はいるはずですが、このコロナ禍では誰がなっても「ワクチン頼みですることがない」状況は変わりませんので、ここは菅に後始末をさせようという意向なのかもしれません。

下手に首相になって人気が落ちるよりは、コロナ後を見据えて静かにしているでは、あまりにも国民をバカにしているような気もします。

これから正式に立候補者が決まり、政策論争となるのかもしれませんが、コロナ対策が重要課題であってもあまり議論になりそうもありません。せめて日本ではタブー視されている、ロックダウンを議論するというような候補者が出てくることを祈っています。

乳ガン細胞を死滅させる治療法を発見

2021-08-30 10:29:05 | 
女性特有の病気である乳ガンは、世界的に増加していますが日本は欧米に比べて少ない傾向があります。

それでも近年は増加傾向があり2020年には9万2000人と予測され、女性がかかる最も多いガンになっているようです。こういった乳ガンの新しい治療法が、アメリカイリノイ大学の研究チームから発表されました。

研究チームがマウスに新規な化合物「ErSO」を投与したところ、乳ガン細胞および脳、肺、肝臓、骨などへ転移したガン細胞を含めて95〜100%が死滅しました。さらに大きな腫瘍も検出できないサイズにまで急速に縮小させることに成功したとしています。

乳ガン細胞の多くは女性ホルモンのエストロゲンの影響を受けて成長するため、現在の治療法のひとつであるホルモン療法では、患者の体内のエストロゲンの産出を抑制したり(LH-RHアゴニスト製剤)、エストロゲンとその受容体の結合を邪魔したりすることで(抗エストロゲン薬)、乳ガン細胞の増殖を抑える手法をとっています。

しかしエストロゲンが無くなっても乳ガン細胞はさまざまな変異を起こすため、治療が非常に難しくなっているようです。

今回の研究で使用した化合物ErSOはエストロゲン受容体と結合することで、ガン細胞を急速に成長させようとして、同時にストレスからガン細胞を保護するa-UPR経路も反応させます。

このa-UPR経路を過剰に活性化させることで、ガン細胞を効率よく死滅させるという新しいアプローチをとっています。このErSOがどんな化合物なのかを調べてみましたが、まだ情報が少ないようで見つけることはできませんでした。

上記文章からするとErSOは通常の抗エストロゲン薬のような拮抗剤ではなく、作用薬のような書き方になっています。つまりエストロゲンを抑えるのではなく、受容体を活性化することでストレスを与えて死滅させるというのは、今までのホルモン療法には無い概念かもしれません。

ErSOの投与後少量のガン細胞が生き残り、数カ月かけて腫瘍が再生したとしても、ErSOの再投与で効果を上げることができるとしています。

研究チームはErSOが攻撃的な乳ガンの進行を食い止め、さらに乳ガン細胞を破壊する新たな研究の糸口となり、転移にも対抗できる新しい抗ガン剤を開発できる可能性があると期待しています。

今後エストロゲン受容体のガンに対する人での臨床試験を、製薬大手のバイエル社と進めているようです。

まだ動物実験での基礎的な研究成果ですが、ヒトでの臨床試験がどのように進むかまだ難しいような気もしますが、新しい概念での抗ガン剤ですので、良い結果が出ることを期待しています。

疫学調査に関する私の偏見

2021-08-29 10:29:27 | その他
いろいろな病気について非常に多くの人を対象とした疫学調査が報告されていますが、私はこういった物にある偏見を持っています。

偏見というより、私なりの解釈をしているといった方がよいのかもしれません。こういった調査はしっかりした組織でないとできませんので、結果として出てきた数値を疑るわけではありません。

最近出た結果を例に出しますが、これは愛知県がんセンターが16万人を対象に14年間かけて行った、乳ガンと飲酒との疫学調査です。簡単に結果を引用します。約16万人を平均14年間かけて調査した結果、2208人が乳ガンに罹患しました。

このうち閉経前が235人、1934人が閉経後になっています。閉経前の女性於いては、飲酒頻度が高くなるほど乳ガンの罹患率が上がるということで、そのリスクは全く飲まない人に比べ、週5日飲む人で1.37倍でした。

また飲酒量についても、1日に23グラム(日本酒で1合程度)以上飲む人の罹患リスクは、全く飲まない人に比べ1.74倍という数値が出ています。

ただし閉経後における乳ガンと飲酒の関係を同じ条件で見てみると、週5日以上飲む人で1.11倍、1日23グラム以上飲む人で1.18倍と目立った上昇がなく、統計学的に有意な関係は認められなかったようです。

この理由として、乳ガンが女性ホルモンであるエストロゲンによって増殖が促進され、酒を飲むとエストロゲンが増加するという研究結果があるそうです。

この結果を見て、閉経前はあまり酒を飲まない方良いと感じるかどうかです。これを具体的な数値に直すと、閉経前の乳ガン患者数があまりにも少ないのですが、16万人中235人というと0.147%となります。

これでもピンと来ませんが、1000人中1.5人つまり2000人中3人となります。このリスクが1.74倍になると、0.255%となり2000人中5人が乳ガンになるという計算になります。この数値を見て、酒を飲むと乳がんのリスクが上がる感じるでしょうか。

2000人中1990人以上は乳ガンにならず、酒を飲まなくても3人ぐらいが乳ガンになり、酒を飲むとそれが5人に増えるという計算です。私はこの数値からあまり酒を飲まにようにしようという結論にはなりません。

例えば酒を飲む人が辛いものの好きな人が多いとして、辛いものの好きな人と嫌いな人という分類で調査するとそれなりの相関関係が出るかもしれません。

こういったコホート研究では、実施者が何に注目するかが重要ですが、16万人もが対象となると、それほど多項目の情報を取るのは難しいのかもしれません。

私はこういった疫学調査が不要とは思いませんが、何かのリスクが多少上がったという程度の相関では、ほとんど意味が無いものと捉えています。

ガン治療で圧倒的に手術が多い日本

2021-08-28 10:30:26 | 健康・医療
日本では死亡原因の1位となっているのがガンですが、その治療法は圧倒的に手術が多いことが特徴となっています。

私の知人でもガンに罹り、治療後元気にしている人や亡くなった人もいますが、肺ガンの小細胞ガンのように手術ができない場合を除いて、全員が手術をしています。ですから私もガンが見つかれば、手術して取るのが当然の治療法と思っていました。

ところが海外はこれほど手術が多くないというデータが出ていました。先進国における肺ガン(ステージ1)の患者が受けた治療法を調査したものです。

アメリカでは手術が60%に対し放射線治療が25%、イギリスでは手術が53%、放射線が12%、オランダでは手術が47%、放射線が41%となっているのに比べ、日本では手術が95%、放射線治療は5%と手術の割合が非常に大きくなっています。

現在は手術以外に放射線、抗ガン剤、免疫療法と標準治療もいろいろ開発されていますが、いずれも手術後の補完療法のような捉え方をしていましたので、第1選択肢が手術となるのは当然のような気がします。

この治療法の違いは、各国の健康保険制度の有無や国策なども関係しているのかもしれません。また日本は被爆国として放射線に対する抵抗感が関係している可能性もあるようです。

またそれぞれの医師の強さも関係しており、外科医のイメージは体育会系で元気が良いというタイプが多い気もします。またガンが発見されさまざまな検査を経て治療法を決定するまでは、患者の対応は主に内科医の仕事となります。

そこで手術が最善の治療であると判断されれば、患者は放射線治療医に話を聞く機会すら与えられないことが多いようです。患者自身が「手術が根治治療、放射線は緩和治療」と考えているケース(私もそう考えていました)もありそうです。

海外では手術と放射線治療が同等レベルの選択肢として存在しているのに、日本では必ずしもそうなっていないのかもしれません。

しかし現在では放射線治療のメリットは大きいようで、メスを入れて体の組織を切除するわけではないので、身体への負担は少なく入院も不要なことが多いとされています。早期肺ガンの放射線治療であれば通院で5回、1回30分程度なので5回ほど会社を半休する程度です。

手術の場合は入院期間は短くて1週間ほどで、自宅静養も含めると1か月ほど仕事を休むことになります。まあガンが見つかったらしばらく休みたい気もしますが、私の歳になると手術の負担に身体が耐えられるかという問題も出てきます。

以上のような「手術優先」を変えるには医師側の変化が必要ですが、今までの歴史を考えると日本のとにかく切除という治療法は当分変わらないような気がします。

ワクチン接種3か月で抗体量が4分の1に減少

2021-08-27 10:28:39 | 
日本でも新型コロナのワクチン接種は順調に進み、国民の半数近くの接種が完了しているようです。

藤田医科大学が、ワクチンの接種から3か月後に抗体の量が減少したという調査結果を報告しました。藤田医科大学は、ファイザー社製のワクチンを接種した大学の教職員209人を対象に、血液中のウイルスに対する抗体の量を調査しました。

1回目の接種から3か月後の抗体の量は、2回目の接種から14日後(たぶん最大の抗体量)と比べ、約4分の1にまで減少しました。年代別や男女別で抗体の量の平均値を比較したところ、年代・性別を問わず同様の減少がみられたとしています。

私はこの調査結果は当然のことと受け止めています。いわば食事をとっても数時間後には消化吸収されて、胃腸には何もなくなると同じようなものです。ただしこれは私の知っている免疫学に基づいていますので、現在は違う見方が出ているのかもしれません。

ワクチンを接種すると、入ってきたタンパク質(ウイルスの外套タンパク質)を異物とみなして対応する抗体を作り無毒化しようとします。

いったんこのシステムが出来上がると、次に同じタンパク質が入ってきたとき(2回目の接種)大量の抗体をすぐに作り出し、これで免疫システムが確立します。その後抗体価が高い状態でウイルスが侵入してくると、すぐに中和し排除してしまいますので、感染はしません。

感染しないというより発症しないという方が正しいのかもしれません。しかしウイルスが入ってこなければ、抗体は何の役にも立たない単なるタンパク質です。

ヒトの身体は役に立たないタンパク質を保存するような無駄なことはせず、すぐに分解してアミノ酸として他のタンパク質の原料としてしまいます。しかしこの異物に対してすぐに抗体を作るという、いわば設計図がB細胞に記憶され、これは一生消えることが無いというのが免疫です。

子供のころはしかや日本脳炎などのワクチンを接種すれば、一生発症することがないのと同様です。新型コロナウイルスも侵入して来れば、抗体はなくても直ちに生産されウイルスを排除できるというのが免疫システムでありワクチンの効果です。

つまりワクチン接種の目的は、感染を防ぐことではなく、感染してもすぐに作られる抗体により増殖を防ぎ、ひどい症状が出ずに治すことにあります。

確かに抗体価が高ければ、感染自身を防ぐことができるかもしれませんが、これはヒトの身体に無駄なこと(抗体を維持する)を強いているわけで、ワクチンの本来の目的ではないと思われます。

最近はブースター接種などという3回目の接種が話題になっていますが、これは本来のワクチンの趣旨から外れているといわざるを得ません。