ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

健康なのに自分は不健康と思う日本人

2020-01-31 10:23:45 | その他
2019年11月にOECD(経済協力開発機構)が、医療・健康に関するデータを国際的に比較したレポートを発表しました。

日本人の特徴として「日本は世界的に見て健康な人が多いのに、自分は不健康だと思っている人が多い」と指摘しています。

このレポートでは、健康状態を評価するのに4つの指標を比較しています。1)平均寿命、2)回避可能な死亡率、3)慢性疾患の罹患(発生)率、4)健康状態の自己評価となっています。まず平均寿命に関して、日本は84.2歳と比較されたOECD諸国の中では最長でした。

回避可能な死亡率とは、簡単に言えば医療サービスがきちんと機能していれば避けられた病気などによって亡くなった人の多さです。日本はOECD平均が10万人当たり208人よりかなり少なく、10万人当たり138人とこの点でも世界トップクラスの成績を上げています。

慢性疾患の罹患率(高血圧、糖尿病などに新しくなる人の率)もOECDの平均6.4%に対し5.7%と低くなっています。なおこのレポートでは喫煙・飲酒・肥満・大気汚染など病気を引き起こすような危険因子についても比較しています。

その結果日本はすべてにおいてOECD平均を下回りました(喫煙率だけは平均とほぼ同じ)。特に肥満については平均が55.6%なのに対し、25.6%とはるかに低く世界で最良の成績となっています。

こうしたデータからは、日本人は世界でトップクラスの健康状態にあるといえそうです。それにもかかわらず、世界で有数の悪い結果が出たのが「健康状態の自己評価」についてでした。

あなたは自分の健康状態についてどう感じていますかというような質問を行い、その回答を国際的に比較した結果です。35か国の平均では、68.1%の人が「良い」「とても良い」と答えています。これが日本では35.5%で、韓国に次いで低い結果でした。

次に自分の健康状態が「悪い」「とても悪い」とこたえた人の割合ですが、平均が8.7%にたいして日本は14.1%とかなり多い結果となっています。

なぜこんな結果になったのかをOECDレポートが指摘しているのは、言語・文化的な影響としています。日本では伝統的に礼節を重んじ謙遜することが美徳とされる傾向があるといわれますが、そうした文化的な背景があるのかもしれません。

自己の健康評価が低いことが、生活習慣の改善や早期受診のモチベーションとなり、健康状態をよりよく保つことにつながっている可能性もありそうです。

しかし自分が不健康だと思っていると、特に必要がない時でも念のために病院に行っておこうという行動が増えてしまうのかもしれません。やはりこれはこれで問題となることもありそうです。

健診でのバリウム検査は必要か

2020-01-30 10:12:29 | 健康・医療
胃ガンの早期発見のために受ける検査には、バリウムを飲んでX線撮影をする検査と胃カメラの検査があります。

胃カメラ検査のガン発見率は、バリウム検査よりも1000倍も高いといわれているのに、未だバリウム検査は行われています。

私はどうもバリウムを飲むのが気持ちが悪く、色々理由を付けて断り結局一度もバリウム検査を受けたことはありません。

胃ガンは粘膜の表面から進行していくのですが、バリウム検査で見つけることができるのは早期胃ガンの中でも「粘膜下層」といって表面よりも深くまで進行してしまったガンです。胃カメラは粘膜の表面に胃ガンが生じた段階で発見することができます。

バリウム検査で胃ガンの疑いがあると診断された場合にも、二次検査として胃カメラでの確認を行うことになり、二度手間になってなってしまうため初めから胃カメラを行った方が良いことは明らかです。

このバリウム検査が続いている理由は、厚生労働省が定めているガン検診の指針に、未だにバリウム検査が含まれていることが原因のようです。国のガン対策は死亡率をエビデンスとしており、そのデータがバリウム検査を受けた人のものしかないからです。

1~3年以内にバリウム検査を受けた人の死亡率が、受けなかった人に比べて60%減少したというデータがあります(平成27年度)。このバリウム検査は約80年前、胃ガンのメカニズムが分かる以前に開発された古い検査で、日々進化する胃カメラの精度にかなうはずもありません。

それでも経費・人件費を考えると、胃カメラ検査は医師しか行うことができませんが、バリウム検査は医師のほかレントゲン技師も行うことができます。コスト削減のため、通常の健診や多くの医療機関ではバリウム検査のみを行っているわけです。

バリウム検査はこの数十年大きく進歩したといえることはなく、バリウム剤が少し飲みやすくなった程度のマイナーチェンジしかしていません。

胃カメラであればバリウムよりもはるかに正確に、早期のガンを発見することができ、胃ガンの発見率は1000倍も高いというデータがあるほどです。最近は胃ガンの原因はピロリ菌であり、これを除菌すれば胃ガンを発症することはないといわれています。

このためかは疑わしいところはありますが、事実胃ガンの死亡率は年々減少しています。バリウム検査の必要性はほとんどなくなっているといえますが、日本の体質からいって健診でバリウム検査が亡くなることはなさそうな気がします。

こういった無駄な医療を削減することも、課題のひとつといえるでしょう。

公的年金の財政検証結果

2020-01-29 10:32:33 | 時事
昨年8月に公的年金の財政検証結果が公表されました。

私は基礎年金の時から10年以上年金を受け取っていますし、年金制度がどうなっても構わないようなものですが、やはりしっかり続く物かどうか興味があります。

この報告は数字の羅列ばかりであまり面白くないのですが、年金制度の将来は考えてみたいものです。この財政検証は5年に一回実施されるもので、いわば公的年金の健康診断の様な位置付けになります。

直近の人口動態や経済の前提などに基づいて財政見通しを作製し、2004年の年金改革時の公約である所得代替率(現役男子の平均手取り収入額に対する年金額の比率、年金額は夫婦二人で妻が専業主婦の場合で計算)50%を達成できるかなどを確認しています。

所得代替率が目標の50%を確保できているかは、いくつかの将来のシナリオを置いて分析しています。最も望ましい「経済成長と労働参加が進むケース」では、将来の所得代替率が50.8~51.9%となっており50%を無事達成できそうです。

前回(2014年)は50.6~51.0%でしたので多少改善しています。ここでは何段階かのケースを示していますが、ここでは一番悪い「経済成長と労働参加が進まないケース」にしておきますが、これだと積立金が枯渇するため所得代替率は36~38%まで低下します。

それでも前回は35~37%でしたので、やはり若干は良化しているようです。私が受けている年金は、平均手取り年収がよく分かりませんので正確ではないのですが、何とか50%以上にはなっているような気もします。

今回の推定値が前回良くなっている要因は、出生率と就業率の改善が貢献しているようです。まず出生率(一人の女性が15~49歳までに産む子供の数の平均)の前提は2014年は1.35でしたが、2019年には1.44と上昇しています。

これは実際の出生率が2010年は1.39だったのに対して、2015年は1.45までに改善したためです。また就業率の前提は、2014年では58.4%(2030年時の推計)でしたが、2019年では60.9%(2040年時の推計)となっていますが、これは直近の就業率が特に女性や高齢者で上昇している影響です。

一方経済の前提をより保守的に見ています。数字は出しませんが全要素生産性や実質賃金上昇率も前回よりも引き下げられています。あまり良い経済前提を置くと批判にさらされるためかもしれません。

ただ出生率が現在の数値を維持するかといえば、全国的な晩産化などもあり低下していきそうな気もします。就業率については、高齢者が働きやすい環境はまだ整っていない感じですが、それでもこの前提の数値ぐらいは維持できるのかもしれません。

今回の結果で公的年金は将来も安心といえるのかは分かりませんが、それほどひどい状態になることはなさそうな気もします。

高齢者の孤独とうつ病

2020-01-28 10:29:25 | 健康・医療
高齢者のうつ病は社会の高齢化に伴って増加しており、高齢者人口の10~15%程度は発症しているといわれるほど身近な病気のようです。

私の周りの友人たちにはそういった人はおらず、あまり多いという感じはしませんが、問題となってはいるようです。高齢者のうつ病は「老年期うつ病」とも呼ばれており、他の年代のうつ病とは区別されることがあります。

基本的に治療法は共通していることが多いのですが、発病の原因として高齢者特有の誘因があり、それに伴った治療が必要となります。

老年期のうつ病は高齢になって始めて発症した場合と、過去にうつ病を患い高齢者になって再発した場合の二つに分けられます。ストレスをためてしまうため、一般に几帳面な人ほどうつになりやすいといわれています。

加齢による脳の変化により、脳の血流が悪くなり血管障害を起こしてしまうことが、うつ病の直接の原因になる可能性があるようです。

高齢者の場合、脳の変化に加えて高齢者特有の心理・社会的要因も大きく、親や配偶者、兄弟や友人との死別などといった「喪失体験」を経験しやすくなるためです。

ほかにも子供の独立や定年退職などによる役割の喪失や、持病の悪化や目が見えにくくなる、耳が聞こえにくくなるなどの身体機能の喪失もあります。

喪失体験は誰でも経験するものですが、加齢による脳の変化によってこうしたネガティブなライフイベントに対して柔軟に対応しにくくなることで、うつ病を発症しやすくなってしまうといわれています。

また報道の影響からか、最近は自分の孤独死を心配する人が増えました。大家族で暮らしていた時代には、家の中では会話が飛び交い、近所づきあいあるなど周囲のサポートを受けやすい環境でした。

しかし近年は高齢者世帯の増加により、老いてからの一人暮らし、孤立する老人も増えました。こうした社会環境の変化も、高齢者のうつ病を多く生み出す原因といえます。

私の家の周りも、町内会の組が8件あるのですが1件を除いて子供と同居している家はなく、老人世帯となっています。また高齢になるにつれて、どうしても服用する薬は増えていきます。この薬の副作用でうつ状態になることもあるようです。

例えばステロイドやインターフェロン、抗エストロゲン剤などの服用から、うつ状態になることが知られています。また消化器系や循環器系などで一般的に使用される薬でも、うつ状態が引き起こされることがあります。

このように高齢者はうつ病を発症する要因が非常に多く存在するようです。現在は非常に良い抗うつ薬などもあるようですので、眠れないなどの症状が出たら早めに精神科を受診することが良いのかもしれません。

中国新型肺炎はどの程度の恐怖

2020-01-27 10:27:16 | 時事
中国武漢から発生した新型コロナウイルスによる肺炎は、徐々に広がりつつあるようです。

最近の発表では中国での感染者は1610人に増加し、死者が54人と発表されていますが、どうも中国の発表は信頼度が低くもっと多数の患者が出ているのではないかと思っています。

現在武漢の封じ込めを行っていますが、ひとつの市を完全に封鎖するなど、いくら中国でも難しいのではないでしょうか。

実際に外国人らは数日以内に武漢から退避することを決めており、コーヒーチェーンのスターバックスも春節期間中健康と安全上の理由から、湖北省の全店舗を閉店すると発表しています。

こういった措置にもかかわらず、遠くはアメリカでも感染者が確認されたことで、中国政府の対策は遅すぎ、甘すぎるのではないかとの懸念も生じているようです。しかし私は、このような大規模の都市封鎖など実行できる国はわずかしかないと思われます。

例えば日本でどこかの市を封鎖するなどという事が出来るでしょうか。中国の今回の対応は、デモンストレーションのような部分もありますが、評価できるものと考えています。それでも今回の新型肺炎はウイルス疾患ですので、拡大を止めることは難しいと考えられます。

感染後の潜伏期や、感染しても症状が出ない人がいる以上人から人への感染を防ぐ手段は事実上なく、言われているようなマスクや手洗いでどこまで防げるかは疑問です。

今回の新型肺炎の危険性については、日本の専門家もいろいろコメントしていますが、まだ実態がよく分からないためか危機を訴える人もいれば、それほど問題視していない人もいるようです。

このコロナウイルスは、肺炎を起こすという事でやや危険性が高いような気もしますが、少し前に中国の国家衛生健康委員会から死亡者の状況が発表されました。死亡した感染者17人(48〜89歳)のうち、全体の6割以上は感染前から心臓や腎臓などの持病が確認されました。

死亡者の内持病を抱えていたのは10人で、慢性腎不全やパーキンソン病、糖尿病などでした。この内最高齢で13日に発症した89歳の男性は、元々重い心臓病を抱えており、呼吸困難から翌日死亡しました。

最も若い48歳の女性は、糖尿病と脳梗塞の病歴があり、昨年12月に高熱や体の痛み、疲労などが出て病院で肺炎の治療を試みましたが、1月20日亡くなりました。

こういったコロナウイルスについては、治療薬がなく自分の免疫で治すしかありません。逆に言えば適切な対症療法をしておけば、通常の免疫力を持つ人は自然に治るとも考えられます。

肺炎というやや重篤な症状にはなりますが、毒性の高いインフルエンザと同じようなもので、感染が拡大してもそれほど心配することは無いような気がします。