ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

孤独死する高齢者を推計すると

2025-02-06 10:35:42 | 自然
かみさんと二人暮らしですが、どちらかが死んで一人になることは確実です。かみさんは故郷に帰るといっていますし、私は多分施設に入るでしょう。

ただ私は孤独死というものにあまりこだわっていません。皆に囲まれて死ぬのも一人で死んでいくのも別にどちらでもよいような気がしています。高齢化が進展する日本社会の中で、中高年層の孤立死・孤独死が解決すべき社会的問題として浮上してきています。

昨年8月に内閣府は、孤立死・孤独死の実態把握に関するワーキンググループを立ち上げ、これをどのように定義し実態把握するかについての議論が進められています。日本における65歳以上の一人暮らし高齢者数は、2020年時点で約631万人となっています。

今後単身高齢者数はさらに増加し2030年には887万人となり、65歳以上の男性の20%、女性の27%が単身高齢者となります。さらに2040年には男女合わせて1千万人を超え、男性の24%、女性の27%が単身高齢者となることが予測されています。

中高年者の孤立死・孤独死の何が問題かというと、「人間としての尊厳の保持」といわれています。孤独死の場合、死後何日も経過して発見される場合も多く、そうした死の在り方が果たして人間の尊厳が保たれた死であるといえるのかについては大いに疑問が残ります。

ただ私はどんな死に方でも変わりはなく、尊厳は保たれていると考えています。孤独死という言葉が生まれたのは1970年代のことですが、1990年代の阪神・淡路大震災で被災した人の孤独死が多発したことから、メディアが注目し始め、2000年以降は頻繁に孤独死が取りあげられるようになりました。

2007年には、厚生労働省により孤独死ゼロプロジェクトが創設されましたが、さしたる成果のないまま終わっているようです。孤立死や孤独死に関する定義、実際の死亡者数はまだはっきりしていません。

その定義を検討するための条件項目としては、世帯構成(単身世帯)、死亡場所(自宅)、自殺の有無、看取りの有無、死後の経過時間、孤独感を感じていたかどうかなどさまざまな要件があり、何をもって孤立死・孤独死とするのかまだはっきりとした結論は出ていません。

ワーキンググループでは、中間報告の仮置きとして、誰にも看取られることなく死亡し、かつその遺体が一定期間の経過後に発見されるような死亡の態様と定義しています。

定義が定まっていないため、当然ながらその実数も把握できていないのですが、昨年8月警察庁がひとり暮らし死亡者数を発表しました。こういった流れはあるのですが、孤独死ゼロが本当に必要なのかはやや疑問に思っています。

なぜ人間は人生の3分の1も眠るのか

2025-02-03 10:31:09 | 自然
退院してから寝室のベッドではなく、私の部屋に看護用ベッドを入れて寝ています。これはかみさんが寝ている状態をチェックしやすいようにですが、昼に寝ることがないのであまり意味がなくなっています。

私は比較的眠りに入りやすいようで、ベッドに入ってネコと少し遊び簡単に眠っているようです。人間はなぜ睡眠が必要かは、分かっているようでいてあまりはっきりしていません。特に1日7時間も寝る理由は分からないようです。

ここでは毎日の睡眠の仕組みなどについて概説します。眠る時間が極端に前倒しになったり、あるいは遅れたりする疾患があり、家族性睡眠相前進・後退症候群と呼ばれています。その患者には、時計遺伝子に変異が見られます。

いつ眠るのかのタイミングは、体内時計によって調節されているといえます。ヒトは夜に眠ることが多い昼行性の動物です。その理由のひとつはヒトの視覚能力が、昼間の明るい環境の方を得意としていためといわれています。

夜眠くなるのはなぜかという説明をする理論は、古く1980年代にスイスで提唱された睡眠の二過程モデルが提唱されています。

この理論はその後様々にアップデートされてきましたが、睡眠が「睡眠圧」と「体内時計」という2つの成分によって調節されているという点では一貫しています。睡眠圧は起きている代償として高まるもので、眠ることで解消されます。

睡眠の二過程モデルでは睡眠圧と体内時計の掛け合いによって、眠りにつくタイミングが決まるとしています。なぜ毎日それなりの時間を眠らないといけないのかも疑問としてあります。ウィスコンシン大学から、睡眠のシナプス恒常性仮説と呼ばれる仮説を発表しています。

生き物が眠る理由を紐解くカギを、シナプスが握っているというものです。この仮説では、シナプスのホメオスタシス(恒常性)に睡眠が関わっているとしています。ホメオスタシスは、生命がある一定の状態を保とうとする性質です。

睡眠という現象自体にもホメオスタシスの性質が備わっています。眠りが不足すれば、不足した分を補うように眠らせようとする力が働きます。起きている間にシナプスの結びつきが強まり、そうやって増強された接続が眠っている間、特にノンレム睡眠中に弱められるというものです。

神経細胞同士の接続を、ちょうど良い具合に管理するために眠っているのかもしれません。あまり分かりやすい文章となりませんでしたし、睡眠の時間の必要性も触れていませんが、体内時計も重要な役割を果たしていることは確かなようです。すっきりした解説を探してみます。

地球にとって二酸化炭素は悪者ではない

2025-02-01 10:32:59 | 自然
私は有機化学を専門にやってきましたが、二酸化炭素を使うことはないもののその固体であるドライアイスは冷却剤としてよく使っていました。

通常は固体をそのまま使っていますが、これではムラが出てしまうため溶媒に溶かしていました。この時何の溶媒に溶かすかにより温度が若干変わり、コントロールしやすい冷却剤となっていました。

ここでは二酸化炭素と気候との関連などの記事について紹介します。地球の進化には水が深くかかわってきました。水は地球の表層だけではなく、地球の内部にも取り込まれ地質学的なスケールで大循環しています。

今後6億年で海の水はすべて地球内部に吸収され、海は消失してしまうという最新研究もあります。地球温暖化の原因とされる二酸化炭素は、地球にとって悪者のように扱われていますが、大気中に二酸化炭素があるおかげで地球は穏やかな気候に保たれています。

もし大気から二酸化炭素がなくなってしまったら、地球の表面温度は氷点下となり、地球は丸ごと凍ってしまいます。また地球表層と内部の間で二酸化炭素のやりとりがあることで、液体の水が安定で生命が育まれる環境がこれまで維持されてきました。

炭素は大気、海洋、堆積物、そして生物の間を形を変えながら動いています。そのため大気中の二酸化炭素の濃度は常に一定ではなく、入れ替わり移動しています。こういった地球表層での炭素循環は、比較的短いスケールで起こります。

また炭素は化学反応や生物の代謝によって鉱物に取り込まれ、そのような炭素は地球全体を通して循環しています。海底に固定された炭素は、プレートの沈み込みによって地球内部へと運ばれ、マグマに溶け込むことで火山噴出によって表層へと再び戻ってくるのです。

気候が暖かくなると風化や浸食が激しくなり、溶けだした岩石成分が海水中の炭酸イオンと結合することで、炭素が鉱物として固定されます。大気中の二酸化炭素は鉱物に吸収され、気候はだんだんと寒くなっていきます。

この様にシステムを安定化に向かわせる仕組みを、負のフィードバックといいます。炭素循環にも負のフィードバックが働くことで、長期的な気候を調整してきたのです。

しかし現在直面している地球温暖化は、もっと短く急激な変化であるため、このシステムが働いてくれるとは言えないようです。現在の大気中の二酸化炭素濃度は400ppmくらいで、産業革命前に比べ50%ほど増えています。

これをいかに低下させるかでいろいろ議論されていますが、私はこの程度であればそれほど問題ないと思っています。特に根拠はないのですが、自然の力は想像以上に大きいという事かもしれません。

生命のシステムは1種類だけではないのか

2024-12-15 10:32:48 | 自然
このブログでもよく取り上げていますが、私は生命の起源に大いに興味を持っています。私が生きているうちに解明されることはなさそうですが、さらに地球外生命体がいるのかという議論も活発です。

観測可能な宇宙には、10の23乗個という文字では表せないほど膨大な星があります。特別ではない太陽系の珍しくもない衛星である地球に生命が存在しているという事は、広く見渡せば宇宙のどこかに複数の地球外生命が存在していても不思議ではないという意見があります。

東京大学の研究者は観測可能な宇宙に地球外生命が存在している可能性は極めて低いという説を発表しています。知っている生命システムは、タンパク質を触媒として代謝を行い、DNAを用いて複製をする地球生命のシステムのみです。

そのため地球外生命体も同様の生命システムを有しているのではないかと考えがちです。代謝と複製の材料という枠を取り払って、生命の定義を「自律的に化学反応をして自分の体を作り運動するもの」であり、「その過程で自己複製をして進化していくもの」としたとします。

するとウイルスは生命か非生命かという議論が生じますが、未だ結論が出ていません。増えるか進化するか定かではないけれども、自分の身体を維持しながら動いている何かが地球外で見つかった時、それを生命とも非生命とも判断しかねてしまうでしょう。

1982年にある特定のRNAが自己複製と触媒の2つの機能を持つことが明らかになりました。これはタンパク質やDNAが無くても、RNAのみで代謝と複製が可能であるという事を示唆しています。

地球生命の生命サイクルはRNAのみで賄われていたのではないかというのが「RNAワールド仮説」です。これを含めタンパク質以外の物質を触媒に、DNA以外の物質で複製を行う生命システムのパターンがあってもおかしくないと考えられます。

そこで生命の定義は難しいという話しにも関係しますが、「ここまでは非生命」「ここからは生命」というように切り分けて考えるのではなく、生命と非生命の間はグラデーションであるという考え方もあるようです。こうすると地球外生命を定義することも難しくなくなるかもしれません。

この地球外生命は地球生命と違う生命システムである可能性が高いような気もします。この様な考え方はあるのですが、私は地球外生命はいないだろうと思っています。どうも生命の発生は誰も分からない偶然性の積み重ねでできたような気がしています。

地球の生命誕生から何十億年経ち、地球は生命の生育に適した環境があっても新たな生命システムが出てこないというのは、発生の偶然が非常に稀なものであることを意味しているような気がします。

毎日10万回も心拍する心臓はいつ休憩しているのか

2024-11-27 10:31:28 | 自然
私は若いころから心拍数が90〜100近くと、かなり多い方です。小動物では早く大動物ではゆっくりしていますが、一説によると一生の心拍数は皆同じという話しがありました。

これによると心拍数の多い私は、ゆっくりしている人より寿命が短いのではと心配していました。医師によれば頻脈という程ではなく、放置していても問題ないという事でした。

実際ヒトの心拍数はキリンやトラと同じぐらいですが、寿命はヒトがずっと長く心拍数と寿命は関係がないようです。今でも心拍数は多いのですが、この歳(77歳)まで元気ですので個人差という事かもしれません。

さて心臓は生まれてから死ぬまで毎日およそ10万回の拍動を繰り返しながら、全身に血液を送り続ける働き者の臓器です。1回の拍動で60ミリリットル、1分間に約5リットルの血液を送り出し、1日にすると牛乳ビン約4万本(7200ミリリットル)分にもなります。

これを入力している今、膝の上にネコが寝ていますのでその心拍を測ろうとしたのですが、首の周りや心臓近くを調べても脈動が見つかりませんでした。どうもネコは拍動があまり外に出ないのかもしれません。

成人の安静時の心拍数は1分間およそ60〜70回ですが、常に同じペースを保っているわけではなく、同じように見えても厳密に計測すると、拍動の間隔は0.9〜1.1秒ぐらいの間で細かく変動しています。

この心拍変動を「揺らぎ」といい息を吸うと速くなり、吐くと遅くなるという特徴があります。実は心臓は、この息を吐いているわずかな時間に「休息」しているのです。そして健康な人ほどこの休息時間が長く、揺らぎが大きくなる傾向があるといわれています。

息を吸うときは心臓は肺にできるだけ多くの血液を送って酸素を取り込まなくてはなりませんが、息を吐いて酸素が少なくなったときに必要以上の血液を送り込む必要はありません。そこで息を吐いているときはペースを落として休み、疲労回復をするのです。

このシステムはヒトに限らず、肺呼吸するあらゆる動物に見られるようです。カエルはオタマジャクシのときはエラ呼吸ですが、脚が生えて肺呼吸するころになると、脳の中に揺らぎを生み出す「疑核」という部位ができて、呼吸に合わせて拍動が揺らぎ始めます。

ある意味動物は心臓の揺らぎシステムを身に着けたことで、地上に進出できたといえるほど、0.1〜0.2秒ほどのわずかな休息は心臓にとって欠かせないものであり、心臓が死ぬまで拍動を続けることができる秘訣でもあるようです。

この心臓の揺らぎは始めてみましたが、やはり自然のシステムは素晴らしいと感じました。