山形県立米沢栄養大学の研究グループが、コーヒーの生豆などに含まれるクロロゲン酸に高齢者の認知機能を改善する効果があることを発表しました。
これは大手食品メーカ花王との共同研究で実証したもので、コーヒー摂取による認知症改善の報告はありますが、クロロゲン酸摂取による実証例は初めてとのことです。
研究グループは2014年8月から半年間、米沢市の65歳以上の男女8人にクロロゲン酸330ミリグラム入りの試験飲料100ミリリットルを毎日就寝前に摂取してもらい、その前後の認知機能テストで効果を調べました。
このクロロゲン酸というのは、コーヒー酸とキナ酸という面白い構造をした化合物の縮合物で、ポリフェノールの1種と考えられます。かなり加水分解されやすい物質で、コーヒー抽出時にはかなり分解されてしまうようです。
この化合物はラジカル補足能を持つため、抗酸化作用が期待されています。またα-グルコシダーゼの阻害活性が認められ、ラットで食後の血糖値の上昇の抑制作用も認められています。このようにクロロゲン酸は色々な生理活性があり注目されているようです。
ただ今回の試験での使用量が多いような気がしますが、コーヒー1杯中のポリフェノール総量は230ミリグラム程度とされていますので、その量に合わせたのかもしれません。
さてこの実験では8人全員テスト前は認知機能の低下を自覚していましたが、摂取後に視覚運動機能や注意機能、記憶能力など計15項目をテストしたところ、最高で平均20%の改善が示されました。特に前頭部の脳がつかさどる注意機能などの改善が顕著だったようです。
血液検査では、認知症を引き起こすタンパク質の一種であるアミロイドβが平均27%低下し、言語記憶の改善にも効果が見られました。
認知症は将来的に高齢者5人に1人の割合で発症するとの予想もあり、根治治療が確立されていませんので、今回の実証は予防対策に役立つと期待されています。しかし今回の実証試験はわずか8人という少人数であり、色々と述べられているように認知症の診断自身が非常に難しいこともありどの程度有意差のある検証かはやや疑わしいところもあります。
研究グループは、クロロゲン酸の効果が実証されたことで、今後は運動と栄養の側面から認知症予防への相乗効果の具体策を考えていきたいとしています。クロロゲン酸はコーヒーなどの成分として長く摂取している化合物ですので、副作用などの心配もなく予防薬としては面白いものなのかもしれません。
これは大手食品メーカ花王との共同研究で実証したもので、コーヒー摂取による認知症改善の報告はありますが、クロロゲン酸摂取による実証例は初めてとのことです。
研究グループは2014年8月から半年間、米沢市の65歳以上の男女8人にクロロゲン酸330ミリグラム入りの試験飲料100ミリリットルを毎日就寝前に摂取してもらい、その前後の認知機能テストで効果を調べました。
このクロロゲン酸というのは、コーヒー酸とキナ酸という面白い構造をした化合物の縮合物で、ポリフェノールの1種と考えられます。かなり加水分解されやすい物質で、コーヒー抽出時にはかなり分解されてしまうようです。
この化合物はラジカル補足能を持つため、抗酸化作用が期待されています。またα-グルコシダーゼの阻害活性が認められ、ラットで食後の血糖値の上昇の抑制作用も認められています。このようにクロロゲン酸は色々な生理活性があり注目されているようです。
ただ今回の試験での使用量が多いような気がしますが、コーヒー1杯中のポリフェノール総量は230ミリグラム程度とされていますので、その量に合わせたのかもしれません。
さてこの実験では8人全員テスト前は認知機能の低下を自覚していましたが、摂取後に視覚運動機能や注意機能、記憶能力など計15項目をテストしたところ、最高で平均20%の改善が示されました。特に前頭部の脳がつかさどる注意機能などの改善が顕著だったようです。
血液検査では、認知症を引き起こすタンパク質の一種であるアミロイドβが平均27%低下し、言語記憶の改善にも効果が見られました。
認知症は将来的に高齢者5人に1人の割合で発症するとの予想もあり、根治治療が確立されていませんので、今回の実証は予防対策に役立つと期待されています。しかし今回の実証試験はわずか8人という少人数であり、色々と述べられているように認知症の診断自身が非常に難しいこともありどの程度有意差のある検証かはやや疑わしいところもあります。
研究グループは、クロロゲン酸の効果が実証されたことで、今後は運動と栄養の側面から認知症予防への相乗効果の具体策を考えていきたいとしています。クロロゲン酸はコーヒーなどの成分として長く摂取している化合物ですので、副作用などの心配もなく予防薬としては面白いものなのかもしれません。