ごっとさんのブログ

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「時間」とは何か、身近な割に分からない正体

2022-01-31 10:25:29 | その他
私は正確な時間を気にする方かもしれません。私の専門の有機化学反応は、開始から何分、何十分あるいは何時間で変化が起きるかを見るため、常に時間を気にして過ごしてきたからでしょう。

現在自宅の時計はほとんどが電波時計で、その他テレビにも時間を表記し正確な時間を見るのが普通になっています。この「時間」についての解説記事がありましたが、正確な時計によって新たな発見が出てくるようです。

人類は太陽の巡りや月の満ち欠け、星座の移動など周期的に起こる出来事から「時間の概念」を醸成し生活に取り入れてきました。天体観測から暦が生まれ、太陽の動きから日時計が生まれ古代の時間の基準となっていました。

日本でも時間を計り始めた経緯が日本書紀に記されており、その記述通りの遺跡も見つかっています。この遺跡は「漏刻」と呼ばれる水時計が設置されていたことを示しています。

漏刻とは水を一定の流量で落とし、それを貯めることで上がってくる水位を見て時間を計るという時計です。太陽が見えない曇りや雨の日も使え、夜でも時間を計ることができます。

当時漏刻に常時水を供給するために大掛かりな土木工事が行われたことを遺跡は示しています。またこの時計の精度は1日にずれがおよそ15分以内という高性能なものだったと考えられています。以後時計は社会に合わせて発展を続けていきます。

振り子時計などの機械式時計やクオーツ時計、そして現代では「原子時計」を基準として1秒の長さが決められています。その結果原子時計を利用した位置アプリなど、社会の基盤となる様々な技術が生み出されました。

今では世界最高精度で「時間」を捉える「光格子時計」が開発されています。この詳細は割愛しますが、従来の原子時計で使われているセシウムという原始の代わりに、ストロンチウムを用いることでより精度の高い時計となったようです。

この精度は宇宙が誕生してから今までにかかった時間、138億年が経過しても、わずか0.4秒しか狂わないといわれています。この時計によって一般相対性理論により提出された、重力減に近いほど時間がゆっくり流れるという理論を証明しました。

東京スカイツリーの展望台(高度450m)と地上に格子時計を設置し、2つの時計での時間の進み方を比べてみました。その結果展望台では1日あたり4.26ナノ秒(ナノは10億分の1)だけ、地上よりも時間が早く進んでいました。

その差は100万年で1秒違ってくるという程度の僅かなものですが、時間の進み方が高度によって違っていることが身近なレベルで確認されました。

こういった時間を正確に測れることで、物理学だけではなく、脳科学などの分野も進展し時間とは何かという正体に迫ろうとしているようです。

脳の老化を防ぐ方法はあるのか

2022-01-30 10:25:43 | 健康・医療
このブログでも認知症をよく取り上げていますが、認知症は脳の老化の典型的な症状といえます。

脳科学の専門家が、脳は一生成長し続けることが可能であるという説を出しています。ヒトの脳は3歳までにほぼ成長し、大人になるともう成長しないと考えられていましたが、使い続ける限り脳はいくつになっても成長し続けるということが判明したそうです。

さらに脳には大人になっても使われず眠ったままの「潜在能力細胞」が膨大に残されており、それを目覚めさせれば脳を成長させることができます。

脳の老化の原因は使わなくなることと、アミロイドβの蓄積とされています。脳を使うと酸素が消費され、酸化によって老廃物が生じます。脳の老廃物とはいわば「錆び」のようなもので、40代後半になると脳内に溜まりやすくなります。

こういった老廃物の蓄積を防ぐには、睡眠や食生活、運動などの生活習慣の改善が効果的であることが明らかになっています。特に睡眠中は脳内の老廃物の排泄が、覚醒時の1.5倍に増えるとされています。

つまり質の高い睡眠をしっかり取ることで、脳は老廃物を排泄しさらに記憶力も強化され、老いない脳になっていきます。また赤ちゃんを見習って、動いて見たり聞いたりしながら、新しい情報に触れることが重要としています。

特に脳の老化防止に有効なことは、「人と会う」ことのようです。オンラインよりも身体を動かして直接会いに行き、自分の目と耳で確かめるが良いとしています。

情報の入力器官として視覚や聴覚だけではなく、味覚、触覚、嗅覚などの五感を意識的に使ってみるのも脳の活性化には効果的です。例えば通常の食事以外にスイーツなどで味覚の変化を体感するといった方法です。

また新たな発見や喜び、楽しみ、驚きなど、脳は新鮮なものに刺激されやすい性質があります。一方新鮮なものに反応しなくなり、古い記憶を反芻するだけの状態が認知症です。

また普段使っていない脳を使うことも重要で、例えば右利きの人が意識的に左手を使うようにすると、脳に刺激を与えることができるようです。単純なガスを左手で締めたり、ドアの開け閉めも左手を使うことで右脳を活性化できるようです。

こういったことは若干負荷がかかるかもしれませんが、こういったことを繰り返すことによって潜在能力細胞が活性化できるとしています。

ここにあげたことはそれほど面倒なことではありませんが、脳の活性化を意識して行動することが重要なようです。普段あまり脳の活性化など意識したことはありませんが、私もなるべく左手を使うぐらいのことはやってみようと考えています。


50歳以上が罹りやすい帯状疱疹のはなし

2022-01-29 10:31:09 | 健康・医療
高齢化と共に罹り易くなるといわれている「帯状疱疹」ですが、私の身近でも結構発症しています。

亡くなった母が認知症が進んできたころ発症し、背中一面に水疱とカサブタが広がり、薬を塗るのをためらう程でした。ところが水疱と痛みが特徴といわれる帯状疱疹ですが、母は全く痛みが出ず介護する方としては非常に楽でしたが、こんな症状もあるようです。

帯状疱疹は水ぼうそう(水痘)に罹ったことのある人ならば誰でも発症する可能性のある病気です。水疱を伴う発疹と痛みが特徴で、皮膚症状が沈静した後も痛みが持続することもあるようです。

帯状疱疹は水ぼうそうの原因と同じウイルスである「水痘・帯状疱疹ウイルス」が原因で発症し、神経に沿って帯状に発疹が出るためこのように呼ばれています。

このウイルスに始めて感染すると、水ぼうそうを発症します。子供の頃が多いのですが、治った後もウイルスは脊髄近くの神経節などに潜んでいます。これが何かのきっかけで再び活動・増殖を始めると、帯状疱疹となります。

帯状疱疹を発症するきっかけとしては、「免疫力の低下」といわれています。ストレスや疲労、ガンの治療中などに発症するケースは少なくないようです。もうひとつは「抗体価の低下」と言われています。

ヒトの身体は病気の原因となる異物が入って来ると、抗体が作られます。これが感染を防御するタンパク質と協力して、同じ病気の発病を防ぎますが、もともとこの抗体が少なかったり、加齢により抗体の量が減ったりすると帯状疱疹を発症しやすくなります。

帯状疱疹患者75,789例を対象とした大規模疫学研究である「宮崎スタディ」では、男女ともに50歳代から発症率が急激に上昇し、全患者の約7割が50歳以上と報告されています。またこの結果から日本では80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を経験すると推定されています。

帯状疱疹は、痛みと水疱状の発疹が主な症状ですが、服薬などの治療で症状が治まっても後遺症として神経痛が残るケースがあります。帯状疱疹後神経痛は、生活の質が低下するほどの苦痛となることがあるようです。

重症化や後遺症を防ぐためには、早期発見・早期治療が重要とされています。帯状疱疹は全身のどの神経でも発症し、腕や胸、背中などで多く見られます。

耳の聴神経で起こった場合、難聴の原因になることがあり、視神経や顔面神経で起こると視力障碍や視力低下、顔面神経麻痺をきたすことがあります。

治療法は現在は良い抗ウイルス薬がありますので、発疹が出てから早期に開始すれば、それほど重篤化することはないようです。

この様に帯状疱疹は高齢者の注意すべき病気のひとつになっていますが、残念ながらこれといった予防はなさそうです。結局早期発見と早期治療を心掛ける程度なのかもしれません。

生命40億年の歴史で人類の誕生は偶然なのか

2022-01-28 10:25:58 | 自然
新型コロナはついに第6波に入ったようで、またまたまん延防止措置などの単に飲食店いじめにすぎないような対策が発令されています。

やっと日常が取り戻せつつある状態から、逆戻りですが実質的にはあまり影響がないような気もします。

ウイルスはヒトにとって脅威となっていますが、この人類という種が40億年という歴史の中で必然的に生まれたのか、あるいは偶然なのかの記事がありました。

つまりもし歴史をリセットしたら人類は再度出てくることができるのかという問題です。人類の祖先としてカンブリア紀(約5億年前)に生きていたピカイアという脊索動物(この中に脊椎動物がいます)が挙げられています。

ピカイアは長さが5センチほどの小さな動物で、化石もそれほど見つかっていないので個体数もあまり多くなかったようです。ピカイアはそれほど特徴もなく、子孫を残すことなく絶滅した他の種とそれほど変わってはいません。

ここでピカイアが生き残ったのは、単なる偶然かもしれません。その子孫である人類が出現したことは、この時点では単なる偶然ということになります。しかし偶然ではないという根拠として、進化における「収斂」という現象があります。

収斂というのは、例えば哺乳類のイルカと魚類のサメは系統的に全く異なるにもかかわらず、別々に同じような紡錘形の形に進化していることです。

この様な生物が紡錘体の形を進化させたのは偶然ではなく、体の大きい動物が水中を素早く泳ぐためには、紡錘形が適しておりいわば物理法則に従っているのです。

この進化の収斂説によれば、前述のピカイアが絶滅したとしてもカンブリア紀に生存する別の脊索動物が収斂によって人類の祖先となるように進化するということになります。つまり人類は必然的に発生したことになるわけです。

この収斂という現象は、自然が行った進化の実験といえ、違う場所で別々に進化するということは生命の歴史をリプレイすることと本質的に同じです。収斂が頻繁に起きているという事実は、生命の歴史をリプレイしても同じような結果になるということを示しています。

ただし生命の進化には自然淘汰とは別の遺伝的浮動という、偶然に支配され同じ環境でも別の種になるというメカニズムもあるようです。

地球に生物が生息できるのはおそらくあと10億年ほどとされています。人類は生命が誕生してから40億年という時間がかかっています。もし人類が絶滅したら、残りの10億年でもう1回進化するのは難しいでしょう。

進化というのは非常に面白いものですが、予測できない面も多く、今回の人類誕生も所詮推論ということでよいような気がします。

化粧品市場に革命を起こす「第二の皮膚」

2022-01-27 10:25:16 | その他
私はもちろん化粧品などは使ったことがありませんし、かみさんもそれほど化粧にこだわらないようで、自宅にはそれほど高価な化粧品はありません。

私が顔に塗るのはひげ剃り後のニベアだけですので、これは傷ついた皮膚の保護のためなので化粧品とは言わないでしょう。しかし化粧品業界の市場規模は、2020年には約2兆円といわれるほど大きなものです。

ただ2021年はコロナの影響で訪日外国人の減少や、在宅ワークによる化粧の機会の低下などでかなり減少しているようです。

ここで日本の化粧品業界のトップである資生堂と花王は、それぞれ「第二の皮膚」に関する技術を開発しました。

私は化粧品については何も知りませんが、薄膜を顔に貼りつけるような技術はすでにできているのかと思っていましたが、今回の技術で化粧品市場に革命を起こすことを画策しているようです。

第二の皮膚とは、あたかも自分の皮膚のように見せてくれる薄膜のことで、化粧品分野で活用されるものと定義されています。医療分野で火傷や傷などの治療目的で使用される人工皮膚とは異なっています。

まず資生堂の第二の皮膚ですが、2018年米国のベンチャーから「セカンドスキン」という技術を取得しました。セカンドスキンはポリマーを含む美容液を肌に塗布し、この美容液の上から架橋反応(ポリマーが手をつなぎ合う反応)を開始させる架橋剤を含んだもうひとつの美容液を塗布します。

これにより肌に薄膜を作ることができ、この美容液が乾燥すると、薄膜がピンと張って皮膚のような状態になります。しかし笑ったり、怒ったりと表情が変わったり、手を握ったり開いたりと肌は変形するのでどうしても歪みが生じてしまい、その薄膜が剥がれてしまうという課題がありました。

資生堂はポリマーの種類や組成などの検討を行って、肌に接する部分は柔軟性が高くて接着力が強く、上部は収縮性が高いという、上下で非対称な膜構造を作り出すことではがれにくさを実現しました。

花王もまた同じ時期に「ファインファイバー」という技術を開発しています。このファインファイバーという技術は、不織布産業分野でエレクトロスピン法と呼ばれる極細紡糸技術を応用したものです。

こういった第二の皮膚では、肌と一体化して肌の凸凹を補正する人工皮膚を形成し、これまでの化粧品や美容整形などでは不可能であったシワやたるみを瞬時に隠すことを可能にすることが最大のメリットとされています。

この極薄膜は折り重なった繊維の間に、化粧品製剤をしっかりと保持し、液状の製剤を膜全体に速やかに均一に広げてくれます。一方で繊維の隙間から適宜水蒸気を通すので、肌を完全に閉塞することなく適度な透湿性を保つこともできます。

こういった第二の皮膚の登場で化粧前後が大きく変わることになりそうですが、女性の美への追及は留まることがないようです。