ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

WHOが調べた「認知症予防法」

2019-05-31 10:33:18 | 健康・医療
歳を取ってくると「認知症」が他人事ではない身近な問題となってきます。

私の周りでも母がそれほど重くはなかったのですが、認知症を発症してから亡くなり、義父も若いうちに発症して亡くなっています。また残念ながら同年代の友人の中にも、認知症の初期症状が出ている可能性があり、注意すべき病気のような気がします。

世界保健機構(WHO)が最近になり認知症予防のガイドラインを発表しました。このWHOのガイドラインでは、認知症は加齢の結果として避けられないものではないという点を強調しています。

ライフスタイルや健康状態など、リスクをもたらす他の要因を変化させれば、予防できる病気としています。先に私の感想を書きますと、認知症発症の原因から考えると、予防法があるという事自体あまり科学的根拠がないような気がしています。

このガイドラインでは、具体的に運動や禁煙など12項目について、それぞれ認知症のリスクを低くする効果があるのかどうか、これまでの研究から得られたエビデンスを検証し、認知症のリスクを少なくする方法、つまり予防法としての推奨度を出しています。

定期的な運動と禁煙は、特に推奨度が高くなっています。バランスのとれた食事をすることや、過度の飲酒を避けること、血圧やコレステロール値、血糖値を健康なレベルで維持することも認知症のリスクを低くします。

ただこの辺りは、認知症の予防というよりは、健康に生きていくためのアドバイスとして言われてきたことばかりです。WHOは心臓に良いことは脳にも良いという事を強調しています。

この中でネガティブな評価になったこともあり、それがサプリメントの摂取です。このガイドラインでは、認知症のリスクを低くする方法として、ビタミンBやE、多価不飽和脂肪酸、マルチサプリメントは推奨されるべきではないとしています。

こういったものはこれまでの臨床研究で、効果が見つかっていないようです。もう一つの項目が認知トレーニング、いわゆる「脳トレ」です。高齢者への認知トレーニングは行っても構わないとされてはいますが、認知症リスクの低下と関連付ける確実なエビデンスはないとしています。

もちろん脳トレで頭を使うことは良いことだし、有害な副作用もなさそうですが、認知症の予防として有効かというと疑問符が付くようです。

このガイドラインでは、バランスのとれた食事の例として、穀類や果物、魚、豆類、野菜などを多く摂る、地中海式食生活を推奨しています。こうして見ていくと、いわゆる健康的な生活を送れば、認知症が予防できるという理論のようで、あまり賛成できません。

認知症になったとしても自分ではわからないものですので、気にせず暮らしていけはよいような気もします。

全仏オープンテニスいよいよ開幕

2019-05-30 10:19:30 | テニス
今年2回目のグランドスラムである全仏オープン(パリ、クレーコート)が今週から開幕しました。

この大会は男女それぞれ128人が参戦する大きな大会ですので、1回戦は3日にわたって行われました。グランドスラムは女子は通常の3セットマッチなのですが、男子は5セットマッチという長い試合ですので、選手は体調管理が大変なようです。

また決勝までは7試合も戦う必要があり、上位を狙う選手は最初の方の試合をいかに省エネで体力を温存させるかも重要となってきます。ただ通常の大会は1週間ですが、グランドスラムは2週間の日程で、一日おきの出場となるという少しは楽な日程になっています。

全仏オープンは夜は試合をしないという方針で、しかもコートに屋根がありませんので、天候が一番心配なのかもしれません。日本人選手も多数参戦しており、WOWOWが日本人中心に放映していますし、日本時間では夕方6時から夜中までという時間帯ですので、ゆっくり応援ができます。

男子はダニエル太郎は1回戦敗退しましたが、西岡良仁はアメリカの選手との対戦でどちらも譲らない接戦となりました。

1セットはタイブレークの末6-7で取られ、2セットは西岡が盛り返し6-0で取ったものの、3セットは4-6で取られ、4セットは6-2で西岡というシーソーゲームとなりました。ファイナルセットを西岡が粘って6-3で取り、見事初戦突破を果たしました。

錦織はフランスの若手でしたが、さすがに第7シードの貫録を見せ、6-2、6-3、6-4とストレートで勝ち上がりました。

女子は土居美咲は敗れたものの、奈良くるみが頑張りました。奈良のスタイルは、確実に相手コートに返してミスを引き出すというものですが、なかなかチャンスが来ず1セットは7-5で取ったものの2セットは5-7で取られてしまいました。

ここで日没中断となり次の日に続きましたが、これが奈良には良かったようで、元気を取り戻し6-3で取り2回戦進出となりました。

さて問題は第1シードの女王大坂なおみでした。当然下位選手と当ったのですが、ショットはネットやアウトになり、サーブは入らないというひどい状況で、なんと0-6と1ゲームも取れずに1セットを落としました。

2セットはやや良くなり先にリードしたのですが、追いつかれタイブレークまで行ってしまいました。それでも何とか実力差が出て2セットは7-6で取ることができました。

ここまではもしや初戦敗退かとはらはらしながら見ていました。それでも3セットに入ると強い大坂がやっと戻ってきて、6-1でとりヒヤヒヤの初戦突破となりました。

2回戦は錦織、大坂ともに手ごわい相手となりそうですが、ゆっくり観戦を楽しむことにします。

ビタミンDでガン再発予防

2019-05-29 10:10:57 | 健康・医療
ビタミンDサプリメントが、ガンの発生や再発を予防するか否かを検証する臨床試験が世界中で行われています。

ガン患者とガンではない患者の血液中のビタミンD濃度を比較すると、前者で明らかに低いこと、さらにガン患者の中でも、ビタミンD濃度が高い方が低い場合に比べて再発率や死亡率が低いことが報告されています。

今年4月に東京慈恵会医科大学の研究グループが、8年の歳月を費やしてまとめた「ビタミンDによるガン患者の再発死亡の予防試験」の結果が発表されました。

手術治療後の消化管(食道・胃・大腸)ガンの患者を対象に、ビタミンDサプリメントを1日2000IU(50μg)内服する群とプラセボ(偽薬)群にランダムに分け、どちらの群で再発や死亡が多いか二重盲検法で検証しました。

研究に参加した患者は417人で、ビタミンD群251人とプラセボ群166人に振り分け比較しています。結果は術後内服開始から5年経った時点で、D群の患者のうち再発なく存命だったのは77%でした。

一方プラセボ群では69%で、その差の8ポイントは統計学的に差があるとは結論できませんでした。しかしたまたまビタミンD服用群は年齢が高い傾向にあり、それを補正するとビタミンDが有効と判定されました。

研究では、患者のもともとの血中のビタミンD濃度レベル(高、中、低)で分けた観察も行っています。高レベルは少数なので省いていますが、中レベルでは5年経過で見ると無再発生存率はビタミンD群で85%、プラセボ群では71%でした。

この差は統計学的にも有意で、確実にガンの発生を抑えていました。この結果は「普段から高めの人にはサプリメントの上乗せ効果がある」と解釈できるようです。

同様の研究はハーバード大学も行っており、こちらは手術適用外の大腸ガンに対するビタミンDの効果を見る二重盲検ランダム化プラセボ比較試験でした。この実験もほぼ同様な結果が出ており、全体では有意差がないものの年齢補正をするとガンの進行を抑えるという結果でした。

またBMI(肥満指数)25未満に絞って解析をすると、ガンの発症を24ポイントも有意に予防しており、肥満の多いアメリカではなく日本でやっていればビタミンDがガン発症を防ぐという結果になった可能性もあるようです。

ガンに対するビタミンDの効能で考えられるのは、免疫を介してガンを抑える説が有力ですが、はっきりしたメカニズムは解明されていません。

どんなガン患者にビタミンDが効果的に作用するのかも、まだまだ研究の余地があるようです。ビタミンDという身近な物質がガンの再発予防に確実に効果があるかは、今回の研究ではあまりはっきりしていませんが、興味ある結果であることは確かなようです。

高齢者と薬の服用

2019-05-28 10:33:11 | 
このブログでも高齢者が高血圧だからと言って、降圧剤を飲む必要性はないのではということを書きましたが、高齢者検診などで少しでも正常値から外れていると、すぐ薬を処方する医師は多いようです。

実際に血圧や血糖値、コレステロールなどがひっかかり、薬の服用を強く進める医師がおり、多くの高齢者は基準値をオーバーした以外は特に症状が認められない場合でも、医者に言われたからとまじめに薬を飲むようになります。

降圧剤については脳の障害、全身の倦怠感、頭痛、食欲不振の副作用があり、血糖降下薬には便秘など腸の不調を始め、特に高齢者の場合低血糖状態に陥ることが多く、意識障害などにつながることが珍しくないようです。

この軽い意識障害での異常言動が認知症によるものと診断されるケースも見受けられます。コレステロール値についていえば、その低下が意欲低下を招くという説もあります。

ある調査によれば、悪玉コレステロールとされるLDLコレステロールの値が高いほど総死亡率が低下するという結果も出ています。また別な調査ではコレステロール値を下げても、心筋梗塞発症のリスクは下がらなかったという結果も出ています。

本来血圧や血糖値、コレステロール値を下げる目的は、10年後、20年後に脳卒中や心筋梗塞になるリスクを回避することにあります。75歳以上の後期高齢者が10年、20年後の予防のために薬を服用する意味については、私もほとんど意味がないように感じます。

検査数値に多少の問題があったとしても、高齢者の場合は食生活、生活習慣の見直しを中心に改善を図るべきと思われます。

薬については、他の病気の治療薬にも種類によっては認知症によく似た副作用が現れるものもあるようです。高齢者の治療は「自覚症状を楽にする」ことが本人の幸せにつながるし、家族はそのための医者選びを見直すべきでしょう。

どこかが痛いわけでもない、生活に不自由をきたしているわけではない、自覚症状もない、といった状況であれば、ただ長生きのためだけに毎日薬を飲むのは考えた方が良い気がします。

血圧の高さが原因で毎日頭痛やめまいに悩まされていて、降圧剤の服用でその症状が改善されるようなケースは例外と言えます。高齢者が様々な薬を服用することは、認知症発症のリスクを高める可能性も否定できません。

厚生労働省が正常とするさまざまな数値も、高齢者を基準に設定されているわけではありません。それが寿命を延ばしたり、病気を予防したりすることを証明する大規模調査はほとんど行われていません。

私も高齢者ですが、何か自覚症状が出たらそれに対処する以外は、あまり薬を服用する気はないといって良さそうです。


高血圧は色々な病気の原因

2019-05-27 10:22:29 | 健康・医療
最近高血圧については、その基準値を引き下げる動きが出てきたりと、いろいろ話題になりこのブログでも取り上げています。

高血圧になるとなぜ様々な病気の原因となるのかは、あまりはっきりと理解できていないような気がします。

高血圧では血管の内圧が上がっており、高い圧力にさらされ続けると、血管の内壁に傷が生じます。そこに余分な脂質などが沈着して動脈の劣化、いわゆる「動脈硬化」を起こします。

動脈硬化が進むと血管の断面積が狭くなり、さらに血圧が上昇しその結果動脈硬化がさらに進むという負のスパイラルに陥ります。その状態が進行していけば、最終的に血管は詰まるか(脳梗塞など)、破れる(脳出血など)ことになるわけです。

血管は全身の臓器に栄養や酸素を運ぶための、いわば道路のようなものです。この道路は常に同じ条件にさらされていて、同じように劣化していきます。動脈硬化が特定の血管だけに起きて、その他の血管は全く健康であるという事はあり得ません。

動脈硬化が起きるという事は、その影響が全身に及んでいるという事で、脳に限らず心臓の血管が詰まれば心筋梗塞、足の血管が詰まれば閉塞性動脈硬化症、腎臓では腎障害といった処々の疾患が同時に進行しています。

またメタボリックシンドロームのような、他の因子が合併すると、動脈硬化のリスクは上昇してしまいます、特に高血圧と糖尿病や慢性腎臓病が合併すると、リスクが高くなることが分かっています。

この辺りが高血圧と病気との関連となりますが、この高血圧治療の柱となる降圧剤は、世界中で莫大な量が処方されています。これは非常に巨大な市場なので、診断基準を厳しくするのは、製薬会社の陰謀説まで飛び出しています。

私の周りの友人たちなどの限られた情報ですが、高血圧というのも遺伝的要因が大きいような気がします。つまり血圧が常に高い人は、それに対応した血管を持っており、別に降圧剤を使う必要がないと思われます。

これは私の独断と偏見ですが、高血圧というのは、それが原因で病気になるのではなく、何らかの病気になって引き起こされる症状ではないかと思っています。

例えば風邪という感染症にかかったから熱が上がるのであり、熱が上がったから風邪をひくわけではないのと同じようなものです。風邪の時対処療法として解熱剤を使うこともありますが、これは別に病気を治しているわけではありません。

高血圧も同じようなもので、降圧剤を使って血圧を下げても、その原因となっている病気を治す方が先決のような気がします。本態性高血圧と診断され、一生降圧剤を飲み続けることが本当に有効なのかの検証も必要で、こういった研究もやって欲しいものです。