ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

高血圧治療薬が心不全に効果

2018-11-30 10:19:39 | 
九州大学などの研究グループは、高血圧治療薬として承認されている薬に、心不全状態のマウスの心機能を改善する効果があることを確認しました。

既に安全性が確認されている薬で効果を明らかにしたことで、「ゼロからの創薬よりも費用や時間をかけずに治療薬開発につなげられ、メリットは大きい」としています。

心疾患による死者は年間約20万人で、日本人の死因の2位となっており、そのうち心不全は約4割を占めています。研究グループは心臓の収縮力を低下させる心筋の老化に、細胞内のミトコンドリアの異常分裂が関与していることを突き止めました。

さらに高血圧症治療薬「シルニジピン」に従来の作用とは別に、ミトコンドリアの分裂を阻害する薬理作用があることを発見しました。心筋梗塞状態にしたマウスにシルニジピンを投与したところ、4週間で心筋力の上昇がみられました。

このシルニジピンはカルシウムチャンネルブロッカーという分類の薬で、その構造からジヒドロピリジン系薬剤と呼ばれています。

私の勤務していた会社もこのジヒドロピリジン系薬剤を開発し、降圧剤として市販しています。この開発の過程で私も少し関与したことがあります。

一般にジヒドロピリジン系薬剤は副作用として肝障害が出ることがあると言われていましたが、この副作用は動物実験ではなかなか確認できないもののようです。人間では倦怠感やだるさ、食欲不振といった症状が出るようですが、重篤になると黄疸が出たりして動物でも調べることができるわけです。

しかしこういった強い副作用が出ることはないため、その有無の判定が難しくなっていたようです。そこで開発薬と類似の構造で、より副作用が出る化合物の合成を依頼されました。詳細は私もよく分かりませんが、こういった実験を積み重ねた結果、開発薬には肝機能障害はないという結論に至ったようです。

このジヒドロピリジン系薬剤の肝障害という副作用は、今回見出されたミトコンドリアの分裂阻害といった作用によるのかもしれません。

さて今回の研究では、心筋梗塞になる前に投与すると、機能低下を抑制する薬剤は報告されていますが、一度低下した機能を改善する効果がある薬は珍しいようです。

このシルニジピンでの治療法は今後数年かけて、薬の適用拡大か、似た構造の治療薬開発を目指したいとしています。このように別な薬効で市販されている薬剤を、他の用途に使う試みはいろいろされていますが、安全性が確認されているもののなかなか現実的には難しいようです。

こういった類が臨床試験に入ったという例はあまりありませんが、早く人間での効果を確かめ開発を急いで欲しいものです。


「脳の疲れに甘いもの」説は正しいか?

2018-11-29 10:11:27 | グルメ
仕事のし過ぎで疲れた頭には「甘いもの」が効くという、昔からよく知られた食生活の知恵といえますが、本当に甘いものを摂取することは脳の疲労回復に効果的なのでしょうか。

脳のエネルギー源はグルコース(糖質)のみだから、毎食しっかり炭水化物を取ろうという話があります。どうもこの常識が変わってきているという説が出てきました。

もちろん脳のエネルギー源は糖質が主で、糖以外の栄養素は、脳の血液脳関門(BBB、脳にとって有害な物質が脳内に侵入するのを防ぐ機構)を通過しないので、脳のエネルギー源としては利用できません。そのため脳をきちんと働かせるためには、糖質がいちばん大事だと考えられてきました。

人類の長い進化の歴史の中では、飢餓という危機と隣り合わせの時代がとても長く続いていました。そこでヒトの細胞は、この危機を乗り越えるため、糖質が少ない状態でも脂質やタンパク質のもとであるアミノ酸を燃焼させてエネルギーを生産する仕組みを獲得しました。

体内で糖質が枯渇した状態になると、肝臓を構成する肝細胞の中で脂肪酸が燃焼され「ケトン体」という物質ができます。このケトン体は、細胞膜や血液脳関門を通過し、ミトコンドリアで代謝されることで、脳や多くの臓器のエネルギー源になるのです。

しかし即座にエネルギーの供給を受けることができれば、脳は疲労を忘れ元気づくことができます。疲れた脳は早く疲労から逃れたいがゆえに、炭水化物や砂糖など糖質が豊富なものを欲しがるのです。

ただここに大きな落とし穴があるそうです。糖質を過剰に摂取すれば、肥満や糖尿病のリスクが高まります。肥満になれば体内の活性酸素量が爆発的に増えてしまいます。ですから脳がいくら炭水化物や砂糖を欲しがっても、食べ過ぎてはいけないのです。

ここ20~30年の私たちの食生活を見ていると、脳がいち早く満足するような糖質たっぷりの食べ物ばかり口にしているように思えます。しかしそれは脳内の活性酸素量をいたずらに増やし、脳細胞の老化を引き起こす原因になります。

長期的な目で見れば、脳の疲労回復に甘いものを食べることは、むしろ脳を疲れやすくしていると言えるようです。その他この記事では糖の摂取が認知症を引き起こす可能性などに触れていますが、結局脳が疲れたときに糖を取らずに何をすればよいかは触れられていません。

つまり糖の過剰摂取の危険性を脳にからめて述べているだけのようです。私の結論としては、脳が疲れたときに糖分を要求するのであれば、適切な量の糖分を取ることが効果的であるとなるような気がしています。

意外な用途の光触媒

2018-11-27 10:22:57 | 化学
光で化学反応を促し、表面の汚れなどを分解できる日本発の技術である「光触媒」は、建物の外壁や自動車のドアミラー、マスクの抗菌など様々な応用が進んでいます。

最近は強力な酸化作用を利用して、意外な用途にも活用が広がっているようです。光触媒は、人工光合成ともよばれます。酸化チタンに太陽光などに含まれる紫外線をあてると、周囲の化学反応を促す作用が生じます。

光が当たった表面の多数の原子から電子が飛び出す一方、電子が抜けた穴「正孔」ができます。電子や正孔は、酸素や水と反応して活性酸素を生み出し、その強力な酸化作用で、付着している有機物が分解されるという仕組みです。

光触媒の強力な酸化作用は、汚れの分解だけでなく様々な用途に応用できるようで、東京理科大学の研究グループは、2014年に高純度な希少糖を作れることを見つけました。希少糖は自然界にはわずかしかなく、ガムに添加されているキシリトールや化学実験などに使うエリトロースなど約50種類が知られています。

光触媒で希少糖を大量生産できないかという産業化を目指す試みが長野県で始まっています。原料に用いるのは、キノコ栽培で大量に出る培地(菌床)で、東京理科大学発のベンチャー企業やキノコ生産会社などが事業を手掛けています。

長野県は、エノキタケ、ブナシメジなど多くのキノコで全国1位の生産地です。収穫した後に残る菌床は、県全体のブナシメジで年間7万5千トン、エノキタケで12万トンに達します。

菌床は、スギのおがくずやトウモロコシの芯を粒状にしたもので、主成分はブドウ糖がつながってできたセルロースです。酵素や酸でブドウ糖にしたのち、光触媒でさらに分解し希少糖のエリトロースなどに変換します。

東京理科大の研究グループは、1トンの菌床から約50キロの希少糖が作れると見込んでいます。現在食品業界に活用先の助言を求めていますが、スポーツドリンクや健康食品など希少糖の機能を生かした付加価値の高い食品となることを期待しています。

この光触媒の発見は半世紀前東京大学と東京理科大学などの共同研究で見つかりました。酸化チタンと白金を水につけて光を当てるだけで水が水素と酸素に分化されることを見出したのが発端です。

その後表面についた汚れや悪臭の原因となる有機物を二酸化炭素と水に分解する働きが見つかり、汚れの防止や殺菌、消臭する製品につながっています。さらに光を浴びた酸化チタンの表面では水が水滴とならずに薄く広がる超親水性という現象も見つかり、車のミラーの水滴防止に生かされています。

私もこういった良い性質を持つ酸化チタンには興味を持っていましたが、ブドウ糖の部分分解という化学反応では難しい分野への応用は面白いものと感じています。

便秘の薬最近の進歩

2018-11-26 10:10:42 | 
日本人の6人に1人ほどが悩むともいわれる便秘ですが、治療薬は江戸時代からあまり変化がなく、患者の満足度は決して高くなかったようです。

ここ数年新しい薬が登場し選択肢が広がり、腎機能の落ちがちな高齢者や子供など一人ひとりの事情に合わせた使い分けが可能になりつつあります。

慢性便秘症は、排便が週に3回未満か4回に1回を超す頻度で排便が困難な症状があり、それが何か月も続いた状態を言います。食事や睡眠といった生活習慣の変化が影響しやすく、加齢とともに増える傾向があります。

便秘の治療には古くからセンナなどの大腸刺激性下剤や、酸化マグネシウムに代表される浸透圧性下剤が使われてきました。センナなどは大腸を刺激して蠕動運動を促しますが、お腹が痛くなったりすることも多いようです。

また酸化マグネシウムは、腸内に水分を引き込んで便を軟らかくする作用ですが、腎機能が悪い人が使うと意識低下などを引き起こす恐れがあります。

最近保険適用になったエロビキシバットは、小腸の粘膜にあるタンパク質に働きかける「上皮機能変容薬」と呼ばれています。大腸の水分を増やして便を軟らかくするほか、大腸の動き自体を促す効果もあります。

便秘治療は長いこと、患者や医療者から軽く見られがちでした。「快便」にならずに受診をやめたり、市販薬を漫然と使い続けたりする例も後を絶たなかったようです。近年便秘を放置すると命にかかわるリスクを高めることも分かってきました。

東北大学のチームは、宮城県内の約4万5千人を対象にしたデータを解析しました。約13年間に循環器系の病気で亡くなった約2000人を調べると、便秘の人が便秘でない人に比べて、リスクが高いことが分かり、脳梗塞のリスクは2倍近くなりました。

こうした事情の背景に、全国どこでも標準的な治療を受けられるよう、2017年に慢性便秘症の診療ガイドラインが完成しています。新薬も2012年以後続々と登場し、選択肢も広がっています。

上皮機能変容薬が3種類、今年にかけて保険適用になりました。浸透圧性の新しい薬も2種類、年内の保険適用に向けて準備を進めています。

私は毎日快便というわけではありませんが、それほど問題なく過ごしています。便通がない日も特にお腹が張ったりすることもありませんので、あまり気にしていません。それでも昔かかっていた医師は、便通が健康の基本であるということで、漢方薬の植物を乾燥したような便秘薬を処方されていました。

医師によると3~4日出なければ薬の使用を考え、1週間出なかったら医療機関を受診した方が良いとしています。


11月度定例麻雀2回目

2018-11-25 10:21:58 | ギャンブル
今月は初旬に麻雀をSTさんを入れてやりましたので、いつものH君との定例ということで先日行いました。

日程調整は適当に選んでいるのですが、SKさんが気付いたことで、このところ5回連続して祝日にやっていました。8月の「山の日」から始まって9月は「敬老の日」と続き今回は「勤労感謝の日」でした。

我々はもう祝日も日曜もあまり気にしないメンバーですので、いつでも可能なのですが面白い偶然でした。私は少し遅れて(集合15分前ですが)行ったところもう3人そろっており、すぐにいつもの雀荘で始めました。

東の1局でどんな流れか、今日はよさそうか判断するのですが、なかなか良い自摸ですぐにイーペーコウができました。ところがその後が続かずチイトイになってしまいました。この局はツキを見るためリーチをかけるのですが、出やすそうな牌が来たらと思っているうちに当たり牌が出てチイトイだけで上がってしまいました。

結局この半荘は2位で終わりましたが、まあ良い流れなのかもしれません。ところが次の半荘も苦労して2位になり、前回の麻雀で一度もトップが取れず2位ばかりという結果でしたので、嫌な予感はしたのですが、3回目に何とかトップが取れて一安心しました。

ところがこれで打ち方がやや雑になり、次の半荘は黙聴の満貫に振り込んだりと、大きく沈んでしまいました。何とかハコテンは避けられましたが、危ないところでした。

今回の最高手はSKさんが早めに辺3竹を鳴き、若干注意していたのですが中盤6竹を自模り清一色一通の跳満となりました。ドラがらみの跳満は出ていましたが、きれいな手という点ではこれが良かったような気がします。

危なかったのはH君が国士無双風の捨て牌をしていた時です。中盤字牌がH君から出てもしや聴牌かと注意していました。その時私は1ピンを持ってきましたが、まだ聴牌していませんので止めていました。

他の二人は端牌や字牌を切っていましたが、まだ国士が切れていないので何となく1ピンを残していました。結局SHさんが上がったのですが、H君は1ピン待ちで国士無双を聴牌しており、本当に危ないところでした。

私はこれといってよい手を上がったわけではないのですが、リーチ一巡自摸などという運もよく、6半荘中3回トップを取ることができて、結果的には一人浮きとなりました。色々と満貫や跳満がでるやや派手な麻雀でしたが、何となくうまく立ち回れてぎりぎりでトップが来たという展開でした。

今回は少し早めに終わりもう半荘の声も出たのですが、次を楽しみに今日は終わろうということで、楽しく帰ってきました。