ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

久しぶりの二人だけの同窓会

2019-10-31 10:20:36 | 日記
先日久しぶりに、といっても7月に合っていますので3カ月ぶりにM君と合っていろいろ話をしてきました。

このところ昼からやっているビール会社直営店で軽く飲み、近くのコーヒーショップに移動するという流れでしたが、今回はコーヒーショップで合うことにしました。

当日は朝から雨が降っており、あいにくの天気でしたが約束の10分前ぐらいに行ったところもうM君は来ておりコーヒーを飲んでいました。

雨の関連で最近の水害の話になりましたが、彼の家も私の自宅も自然災害には比較的強いところに住んでいました。M君とは思いつくまま色々の話をするのですが、学生実験の思い出話しになりました。

私たちは農芸化学科でしたので、農産物利用学や畜産物利用学といった講座は実習工場があり、そこでいろいろな面白い実習がありました。その後しばらくして工場などは無くなってしまったようです。

M君はこの実習の中でバターを作った時の記憶が強いようでしたが、私はウインナソーセージを覚えています。このひき肉を作る際に少量のウサギの肉を加えると、粘着性が増すとのことでした。

後は充填機でヒツジの腸を送りだす係りと、肉を押し出す係りがうまく呼吸が合わないと非常に太くなったり、細いウインナになったことを覚えています。また水あめも作りましたが、かなり大きな装置だったようで、できた水あめを石油缶何杯にも入れ、大きめの瓶に入れて家に持ち帰った記憶もあります。

その中にアルコールの蒸留実習もありました。これで何をやったのかはM君の方が良く覚えていましたが、蒸留塔が3階建てのビルぐらいの高さがあり、なかなか立派なものでした。この実習は何日か続き、徹夜で時間ごとにサンプリングする必要がありました。

これはくじ引きか何かで決めたのですが。当たった3人が私の麻雀仲間でした。M君は入っていなかったのですが、麻雀をしながらサンプリングしようという事になり私も参加しました。

蒸留塔の一番上の層に雀卓を運びそこで始めたのですが、床が金属の網?でできており、その大きさが麻雀牌より大きいのです。ですから牌を落とすとかなり下の層まで探しに行くのが大変だったという話をM君にしました。

彼はなぜ下の層でやらなかったのかとか言っていましたが、多分ばれないように上に行ったのかもしれません。まあ50年前の和やかな思い出かもしれません。

5時過ぎたので場所を居酒屋に移し、最近の高額の薬の話しや、世界情勢などいつものように話していましたが、いつまでたっても尽きないので今回は9時過ぎにお開きとしました。

やはりこういう気の合う相手と楽しく話をしていると、時間が経つのを忘れてしまいます。


オーガニック化粧品の安全性

2019-10-30 10:36:38 | その他
私と最も関連のないものの一つが化粧品の類です。私が肌に塗るものといったら、ひげをそった後ヒリヒリするのでクリーム類を少し塗るだけかもしれません。

ただ全く化粧品とは縁がなかったかというと、私の会社も化粧品事業に手を出し、後輩が化粧品関係の研究をやっており色々話しを聞いたことがあります。

余談ですが、化粧品というのはブランドで売れるようで、どんなに優れた成分を配合しても名もなきブランドではほとんど売れないようです。そこで私の会社も化粧品としてはそこそこ有名なブランドを購入し、その名前でいろいろ出したようですが、所詮は素人の商売で数年で失敗し撤退してしまいました。

さて最近では化粧品の分野でも「天然成分」や「オーガニック」が安全で肌にも優しいという事で取り上げられているようです。

オーガニックというと「肌にも地球にも優しい」というイメージがあり、化粧品はイメージを売っているようなところがありますので、これは納得できるところでもあります。しかし科学的な視点で見ると、オーガニック化粧品にもリスクがあるといえます。

ひとつには、日本には化粧品に関するオーガニック認定基準がありません。オーガニックとは、化学肥料や化学農薬を使わない有機栽培のことで、そうした有機栽培で育てられた植物性の原料を使って作られた化粧品という事になります。

海外ではオーガニックコスメとして販売するには、政府機関や認証機関による厳しい基準を満たさなければいけません。

ところが日本で販売されているオーガニック化粧品には認定基準がなく、オーガニック植物成分を1種類だけ少量配合しただけでも、オーガニックとうたうことができます。つまりメーカーの自己判断で何とでもいえてしまうのが実情のようです。

もう一つが天然由来成分という事が問題で、天然=何が入っているかわからないともいえます。まだ解析しきれていない成分が混入している可能性もありますし、自然界のものは天候や産地によって左右されるので、品質にばらつきも出てしまいます。

植物の中には、毒性があったりかぶれやアレルギーの原因となる成分があることも確かです。むしろ肌に良くないイメージのある「合成品」のほうが純粋であるといえるのです。

これは防腐剤についてもいえることで、ノンパラベン、パラベンフリーなどをうたう商品もあるようです。パラベンというのは知りませんでしたが、パラオキシ安息香酸エステル類という安全な防腐剤のようです。

このパラベンは動物実験や人体検証でも、もっとも低刺激で優れた防腐効果を持つ安全性の高い成分としての確証が取れています。

こういったすべて天然成分が本当に肌に良いのかは、化学的根拠は少ないような気がしますが、それが「化粧品」なのかもしれません。

糖尿病・高血圧など薬の序列

2019-10-29 10:13:01 | 
日本では医者が患者の病態に応じて薬を使い分けていますが、ひとつの病気に対して非常に多数の治療薬出ている現在、どんな薬が処方されているかはなかなかわからないものでした。

今回「処方金額」ランキングが発表され、新しいクスリの動向が明らかになってきました。医師にとっては学会が作成したガイドラインが教科書のようなもので、例えば糖尿病医あれば、日本糖尿病学会のガイドラインに記された薬物療法が基本となります。

ところがこのガイドラインには優先される第一選択薬などの使い分けは明記されず、患者の病態に応じて医師が薬を使い分けるように推奨されています。

対して欧米の学会は具体的に優先順位を付けており、第一選択薬は古くからあるある薬で、第二選択薬も大体の分類がされています。この日本では医師が病態に応じて処方する制度というのが問題のような気がします。

製薬会社のMRが頻繁に薬の説明をするような、大学病院や大型病院では医師がある程度の薬の知識を身につけますが、とても全体の医師まで浸透させることはできません。また積極的に学会に出席したりして、多くの情報を集めることができる医師も限られています。

従って医師は少ない情報の中で、多くの治療薬の中から適切な処方薬を選ぶことになります。昔から医者は保守的であるといわれていました。

これはある意味当然で、使ってよい効果が出る薬があれば、それを使い続けることになり、十年以上前の薬だけを使うことが普通になっているようです。

このブログでは薬の作用メカニズムなども記載していますが、多くの医師はその程度のことが分かっているのか、という事が仲間では話題になっていました。

私は抗生物質が専門ですので、処方されるときは、自分の症状で最も良さそうな抗生物質を出してもらうよう頼んでいます。抗生物質は使用されているものだけでも百種以上ありますので、私が商品名(一般名ではなく)を言っても医師が知らないなどという事はよくありました。

話がそれてしまいましたが、糖尿病の専門医でも、太っている患者には第一選択薬、痩せている患者にはDPP阻害薬を使うといった程度しか区別がないようです。

太っているとインスリンの働きが低下するので、その抵抗性を改善する薬で、痩せた患者はインスリン分泌が不足するので、DPP阻害薬はその分泌を促すといった具合です。

糖尿病治療薬の目的は、単に血糖値を下げるだけでなく、心臓病や腎臓病などを含めた合併症を予防することも含まれています。こういったことも加えて何を第一選択薬にするかは、昔から使われていて、例えば心臓病を予防する効果があるといわれるような薬となるようです。

タイトルと少しずれてしまいましたが、どういう治療薬でも古い薬がよく使われているようです。

光合成で酸素できる仕組み解明

2019-10-28 10:08:25 | 自然
植物が行う光合成のうち、水分子が分解されて酸素ができる反応の仕組みを明らかにしたと、岡山大学などの研究チームが発表しました。

反応は約20個のタンパク質などでできた複合体が仲介しますが、どのように反応を進めるか不明でした。チームは「人工光合成」の実現に向けての重要な情報になると強調しています。

この人工光合成というと、20年近く前ですがある大学の先生がそのモデルを作ったという話を思い出します。

この先生は植物の葉緑素中のポルフィリンなどの触媒や最小限の必要な酵素とタンパク質を組み込んだマッチ箱ほどのシステムを作りました。これに水を加え太陽光を当てると、ごくわずかのブドウ糖が生産されたようです。

ところが問題はかなりあり、まず空気中の炭酸ガス濃度があまりにも低く、ドライアイスから発生させた炭酸ガスを使うのですが、あまり濃度が高いと基質阻害という現象が起こり反応が止まってしまうようです。

また太陽光が必須なわけですが、直射日光はいわゆる分解力も強く装置がすぐに壊れてしまうという欠点がありました。この先生はその後色々改良を加えたようですが、やはり自然の酵素やタンパク質では微妙な安定性が保てず、大型化は断念されました。

岡山大学の成果に戻りますが、太陽光を使い二酸化炭素と水から酸素とデンプンを作り出す光合成は、複数の反応に分けられます。最初の反応でこのタンパク質複合体が二つの水分子から電子と水素イオンを取り出し、酸素分子を形成します。

研究チームがこの複合体の構造を明らかにしましたが、酸素ができる仕組みは未解明でした。研究チームは、X線を極めて短時間照射する方法を用い、水分子を分解して酸素分子を作る反応の五つ途中段階のうち3段階の状態をとらえることに成功しました。

反応が起こる部分はマンガンやカルシウムなどの原子が「ゆがんだ椅子」のような形に並び、二つの酸素原子が結合しやすいように形が変化していくことが判明しました。

反応の仕組みが明らかになったため、太陽光を利用して水を分解し、有用な化学物質を作り出す反応を人工的に起こせるようになる可能性があるようです。

この成果ががどのようにして人工光合成につながるのかはよくわかりませんが、私の知りたい二酸化炭素の炭素原子がどのようにして結合し、糖の骨格になるのかという仕組みも近い将来解明されそうな気もします。

こういった無機化合物から有機化合物への変換というのは有機化学者にとって大きな夢ですので、人工光合成という古くからの課題に少しでも近づいてほしいと思っています。

ピロリ菌除菌で胃ガン撲滅

2019-10-27 10:26:40 | 健康・医療
胃ガンがピロリ菌の感染によって発症するという説には、このブログでも疑問を呈してきました。

ところが最近では、ピロリ菌が胃ガンの原因のひとつであるという説から、胃ガンはすべてピロリ菌が原因で、ピロリ菌さえ完全になくせば胃ガンは撲滅できるという論調が医学会の主流になってきたようです。

確かに胃ガンの死亡者数は徐々に減少しており、ピロリ菌信者は除菌が進んだためとしているようですが、この減少はピロリ菌が話題になる前から減少傾向にあります。これは検査法が良くなったことや、治療法が進んだためと考えています。

昔は胃の中は胃液の強い酸性のため細菌は生息できないと考えられていましたが、ピロリ菌はウレアーゼという酵素を持っており、胃の中にある尿素を分解することにより、アンモニアを発生させ生息域の周辺を中和して生きていることが分かりました。

またピロリ菌は胃壁の折りたたまれた奥に存在するため、抗生物質を飲んでも届かないという特徴も持っていました。現在は胃壁を広げるような胃薬と抗生物質を併用することで、完全に除菌ができるようになっています。

なぜピロリ菌がいると胃ガンになるかという事は以下のように説明されています。5歳くらいまでにピロリ菌に感染するとまず胃炎になり、長い間ピロリ菌に感染した状態でいると、それが萎縮性胃炎に進み、さらに腸上皮化生といって、胃が腸に似た組織に置き換わっていきます。

それが員ガンの原因になっていくというように、長い期間を経て胃ガンになります。胃ガンになるのは60歳や70歳ぐらいの年代が多いので、感染してから数十年の単位で時間が経ってからガンになります。

これではあまりスッキリした説明になっていません。ピロリ菌が発見される前から、胃の中には存在していたはずで、ほとんどの人が胃炎になっていたという事になります。最も問題なのは、ガンは「遺伝子の変異による細胞の病気」という基本がどこかに行ってしまっています。

臓器や組織が新陳代謝などで増殖すると、その時に遺伝子のコピーミスが生じたり、突然変異によって遺伝子が変異することによってガン化するというのが常識と思っていました。

ですから組織の新陳代謝がない心臓にはガンができないことも事実で、胃は活発に組織が新しくなりますので、当然ガンが発生することになります。

ピロリ菌によって炎症が起きれば、その部位は新たな細胞が生まれますので、若干はガン化しやすいかもしれませんが、全体から見ればごく一部のような気がします。

やはり医師は予防できる原因らしいものがあると、それに飛びつくのは分かりますが、ピロリ菌の除菌で胃ガンが撲滅できるというのが大勢を占めるのはおかしな展開だと思われます。