ごっとさんのブログ

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   薬と猫と時々時事

新型コロナウイルス感染症の3年間を検証

2023-01-31 09:36:37 | 時事
新型コロナのはなしはこのブログでもたびたび取り上げていますが、2020年1月に最初の感染者が確認されてから早くも3年が経過しました。

現在でもワクチンが頼みの綱なのは当然ですが、行動制限の根拠とされる「2類相当」から「5類」へと感染法上の分類を見直す検討がされるなど、新型コロナ対策は転換期を迎えています。

新型コロナが日本に上陸した3年前は、未知のウイルスで感染力や重症化率など科学的データが世界的にもそろっていませんでした。当時の安倍政権は緊急事態宣言を出し、学校休校に踏み切るコロナ対策を打ち出しました。

この頃は有効なワクチンも承認されておらず、新型コロナを感染法上で2類相当に分類し、それを根拠に2022年の第6波まで「飲食」や「移動」の行動制限、検疫強化などの水際対策を繰り返しました。

この間海外ではフランスや中国のように外出禁止をはじめとするロックダウン(都市封鎖)などの強制的な措置をとる国と、穏やかな措置に留める国に分かれました。日本は中間的な位置付けで、極端な措置は取らず一部の行動制限に留めていました。

現在からみるとこの日本の「飲食」の制限が本当に必要だったのか疑問に思いますが、感染対策として何かをやるという実績を作るためには必要だったのかもしれません。それでもロックダウンなどの強い措置を取らなかった点は評価できるような気がします。

現在も厚生労働省は、新型コロナ対策の切り札はワクチン接種と言い切っており、日本は可能な人はほぼ全員ワクチン接種が終わっています。確かにワクチン接種により重症化率は低下するはずですが、多重接種をしても感染者数を抑える効果はないと思っています。

感染力も重症化率も高いデルタ株から、重症化率は低いものの感染力は非常に高いオミクロン株へと変異株の主流は変わってきています。従って感染者数が増加しても行動制限をしないという現在の施策は当然かもしれません。

新型コロナは日本の医薬品開発体制の弱点を浮き彫りにしました。ワクチンをめぐって米国など海外勢はいち早く開発し、すさまじい勢いで生産、販売に至っています。

「ワクチン敗戦」に危機感を持った政府は、緊急薬事承認制度を含めた改正医薬品医療機器法を2022年5月に施行し、塩野義製薬の飲み薬「ゾコーバ」が同年11月に承認され、同制度に基づく承認第1号になりました。

しかしここでも「2類の壁」が存在し、広く国民に処方するという態勢はできていないような気がします。現在国産ワクチンの申請が行われているようですが、いまさらの感がぬぐえません。

最近は何ら行動制限をしなくても第8波は減少傾向となってきました。これをもって昨年までの厳しい制限が妥当だったのかを判断することはできませんが、早く5類相当として、一般の医療機関でも治療が受けられる体制を作ることが重要ではないでしょうか。

健康長寿のカギは腎臓にあり「腎臓エコー検査」

2023-01-30 10:53:48 | 健康・医療
昨年末に15歳のキジタローというネコの腹部エコー検査を行いました。触診で異常があったのですが、エコーで脾臓が大きく腫れていることが分かり、現在ステロイドを服用しています。

最近はこのエコー検査の精度も非常に高くなり、各臓器がかなりはっきり見ることができるようになっています。ここではヒトの健康診断で腎機能低下や、尿タンパクが出ているときに行う「腎臓エコー検査」について紹介します。

検診では「腹部エコー」も行いますが、こちらは腹部の臓器にガンがないかをチェックすることが主目的です。腎機能が低下している場合は、原因を調べるために腎臓の形や必要に応じて腎臓に向かう動脈の状態、血流量をチェックします。

具体的に調べる内容としては腎臓の大きさの異常と左右差の有無など、多くの項目があります。腎臓は一般的に、機能が低下すると小さくなっていきます。動脈硬化による腎障害などの場合は、特に小さくなりやすく腎臓の表面がぼこぼこしてきます。

「糖尿病性腎症」「肥満関連腎症」などが原因で機能低下している場合は、逆に大きくなってきます。次が腎臓の腫れですが、画像を見て「腎臓が腫れている」と表現することがあります。

これは腎盂と呼ばれる腎臓から尿管への移行部が拡張した状態です。腎臓より下の箇所に異常があり、尿の流れに滞りがでて腎臓を圧迫して腎機能が低下することを「腎後性腎不全」と呼んでいます。

次が腎結石の有無ですが、腎結石だけで腎機能低下が起きるのは比較的少ないようです。結石がある場所や大きさによって治療を行う場合と行わないケースがあります。

最後が腎臓の腫瘍・嚢胞ですが、「腎臓に影がある」という表現を用いますが、この場合は中に細胞が詰まった「充実性の腫瘍」と、液体が詰まった「嚢胞」に分けられます。

腫瘍は悪性の可能性があるため精密検査が必要で、嚢胞は良性である場合が多いものの大きすぎたり、内部に充実成分があるものは悪性の可能性があります。なお腎臓エコーで「石灰化」を指摘される場合もありますが、これは腎臓にカルシウムが沈着した状態です。

ほとんどの場合は放置しても問題がないといわれており、他の診療科を受診する必要はないことが多いようです。このように何故腎臓が悪いのかを突き止めるためにも、腎臓エコーは欠かせない検査といえそうです。

なお検査費用は健康診断で何らかの異常を指摘されている場合は保険診療で行うことが可能で、3割負担で2000〜3000円程度になるようです。

腎臓エコーは上記のように簡単な負担のない検査ですが、腎臓の状態をかなり正確に把握できますので、何か異常を感じたら積極的にやった方が良い検査といえそうです。

「ガン検診」発症のリスクを減らす受診法

2023-01-29 10:35:45 | 健康・医療
このブログでも何度か述べていますが、私はこの歳になるまで「ガン検診」を受けたことがありません。

もうじき76歳となりますが、幸いなことにガンを発症したことがありませんので、もう検診の必要がなくなったと感じています。

ガン検診には「対策型健診」と「任意型健診」の2種類があり、対策型の例は市町村が健康増進法に基づき住民を対象に実施するガン検診です。費用の大部分に公費が当てられ低価格や無料で受けられ、検査方法などは国の指針で示されています。

任意型の代表例は医療機関などが独自に提供している人間ドックです。医療機関によっては精度が高い最新の検査を受けることもできます。費用は自己負担になりますが、企業の健康保険組合などで補助を受けられることもあります。

市町村が実施する対策型健診の対象では、国は胃ガン、肺ガン、大腸ガン、子宮頸ガン、乳ガンの五つのガンを推奨しています。これらは検診を通して早期に発見し治療をすることで死亡率が低下することが証明されています。

胃ガンではエックス線検査か内視鏡検査の二つの方法があり、50歳以上の男女が対象で2年に1回の受診が目安となっています。肺ガンでは胸部エックス線検査や痰に含まれる細胞の形を見る「喀痰細胞診」があります。

大腸ガンでは便の中に血が混じっていないかを見る2回の便潜血検査をします。肺ガンと大腸ガンは、40歳以上の男女が年1回受診すると良いとされています。

子宮頸ガン、乳ガンは女性が対象で、2年に1回の受診が推奨されています。子宮頸ガンでは20歳以上を対象に、子宮頸部から採取した細胞の形を調べます。乳ガンは40歳以上を対象に、マンモグラフィーと呼ばれる乳房のエックス線検査をします。

市町村のガン検診(1次検査)を受けて異常があると判定された場合、精密検査(2次検査)を受け、結果を受けて診断が確定した場合必要に応じて治療へと進みます。

2019年の国民生活基礎調査などによると、五つのガンの受診率は増加傾向にありましたが、いずれも40〜50%程度で欧米に比べて低いのが現状です。さらに近年のコロナ禍による「受診控え」で、日本がん協会によると2021年の受診者数は2019年比で約10%減少しました。

家族や親族にガン患者が多い「ガン家系」の人、喫煙や飲酒、塩分過剰摂取などの生活習慣を持つ人、メタボリックシンドロームや糖尿病で通院中の人などは、ガンのリスクが一般の人より高いので、特に受診を心掛ける必要があるようです。

私はガンは「細胞の変異による疾患」と考えていますので、どんなに健康的な生活を送っていても発症リスクは同じだと思っています。

多分皮肉なことに上記のような発症リスクが高いといわれている人よりも、健康的な生活をしている人の方が受診率が高いのは確かではないでしょうか。

接ぎ木で植物が発揮する修復力の秘密を解明

2023-01-28 10:51:33 | 自然
私の家はトキワマンサクを生垣としていますが、この木は発育が非常によく頻繁に剪定する必要があります。

その折近くに小さな枝が生えていましたが、どうも剪定で切った枝が刺さって挿し木のようになったようです。この様に植物は素晴らしい生命力を持っていますが、その代表が接ぎ木かもしれません。

接ぎ木は異なる種類の植物の茎や枝などを切ってつなぎ合わせ、「イイとこどり」をして農業や園芸に役立てる方法です。この方法は広く知られている割には、仕組みはよく分かっていませんでした。

この接ぎ木に関して奈良先端科学技術大学などの研究グループが、重要なスイッチ遺伝子やホルモンを突き止めるなど謎の解明を進めています。

農業では例えばキュウリとカボチャの胚軸に切り込みを入れ、接ぎ木することが広く行われています。切り口には「カルス」という未分化状態の塊ができ、切り口をふさいでつなぎ合わせます。

カルスはやがて水分や養分が通る維管束をはじめ、さまざまな組織を作る細胞へと分化していくことができます。研究グループは、実験に広く使われているモデル植物のシロイヌナズナの遺伝子の働きを調べました。

切ってほどなく働きだす遺伝子「WOX13」に注目しました。これは別の遺伝子のスイッチ役である「転写因子」の一種で、陸上植物が広く持っているため大切な役割があると思われます。

まずWOX13が働かない突然変異体を調べると、カルスが著しく小さくなり大きな細胞が消えていました。器官どうしが全くつながらなくなり、WOX13は切り口がくっつくのに必要なのだと分かりました。

さらにWOX13は、体の再生に重要な遺伝子群と働き合い、細胞壁の成分である多糖の分解や細胞の伸長をコントロールする遺伝子に対して働いていることも分かりました。

切られた刺激でWOX13が働き、細胞を未分化の状態にしてさまざまな細胞に分化できるようにしたり、細胞壁を再編成させたりしています。このように転写因子WOX13がカルスの形成や切り口の接着を司っていることを発見しました。

また研究グループは細胞を成長させるホルモンである「オーキシン」にも着目しました。実験の詳細は省略しますが、オーキシンを無傷の植物や切った葉柄に与えてもWOX13が活発になりました。

切断の上側で活発にWOX13が働くのは、オーキシンが蓄積するためであることを突き止めました。WOX13は従来から知られていたコケ植物に加え、シロイヌナズナのような被子植物でも体を修復するカギを握っているといえるようです。

研究グループが見出したこのような転写因子が重要な役割を握っているというメカニズムは新しい発見といえるようです。

「公的年金」は今後も存続していくのか

2023-01-27 10:35:25 | 時事
私は60歳定年の時代でしたので、既に15年以上年金受給が続いています。

今後の公的年金制度が存続するのかについて、経済の専門家の意見が出ていました。私はすでに受給していますので、個人としては問題はないのですが、今後高齢化はまだ進みますので将来的に維持できるのかは若干気になるところです。

私も含む団塊の世代がすべて後期高齢者となる2025年は、日本人の4人に1人が75歳以上という超高齢化社会となります。一方出生数は減少が続き、2021年は81万人程度になっており、今後さらに減少することが予想されています。

日本の公的年金制度は、現役世代が高齢者を支える方式(賦課方式)となっていますので、少なくなる現役で増加する高齢者を支えられるのでしょうか。

特に若い人は高齢者になっても年金が受け取れないと思っている人も少なくないようですが、そんな心配をすることはないようです。今の高齢者よりも年金受取額が多少減ることはありそうですが、それほど極端な減少ではないでしょう。

ひとつには団塊の世代の多くが他界する時期になると、年金を受け取る高齢者の数が急激に減っていくので、現役世代の人数が減ってもそれほど困らないのです。

それまでの間は苦しいのですが、その期間を乗り切るために過去の年金保険料が積み立てられているのでなんとかなりそうです。政府が年金の運用で儲かったとか損をしたとか報道されるのが、その積み立てられた資金の運用なのです。

年金の専門家の間でも、年金額は若干減るけれど受け取れないことはあり得ないというのが大多数の考え方のようです。もうひとつが国民年金(老齢基礎年金)の半分は税金が投入されています。

高齢者の支払った消費税や企業が支払った法人税なども年金支払いの原資として使われていますので、現役世代が減ることの影響は軽減されているわけです。

年金保険料を払わない人が多いから年金財政は破綻するという意見もありますが、年金保険料を払わない人は将来年金が受け取れないので、年金財政の破たんの原因にはなりません。

若干話は変わりますが、シルバー民主主義という言葉があります。高齢者は人数が多いうえに選挙に行きますが、若者は人数が少なく投票率が低いので、政治家は高齢者のための政策を採用したがるという事です。

そのため若者の政策予算を削っても年金の支払いだけは確保しようと考える政治家が多いので、年金に税金が投入される制度は維持される可能性は高くなります。

今後年金額が多少減った場合は、定年後も働いて稼ぎ老後資金を増やせば、「老後」を短くすることができるかもしれません。

いろいろ書いてきましたが、どういった方向を考慮しても、今後公的年金制度が崩壊しそうな気配はないといえるようです。