kikoがスタート

2005年8月にスタートしました。
私が観た(見た)、感じた、覚書き、気になることを書いてます。(^^ゞ

サグラダ・ファミリア聖堂⑨「ガウディ事務所と付属仮設学校 ねじれ面の柱状面」

2023年12月17日 | ガウディとサグラダ・ファミリア展
⑧「コローニア・グエル 逆さ吊り実験と計画案のスケッチ」から少しあきましたが「サグラダ・ファミリア」の続きです。


ガウディ事務所
サグラダ・ファミリア聖堂 現場事務所 

ガウディは設計者であると同時に
施工者として建設現場の指揮も執りました。
(ガウディ事務所  1886-1900年頃)


現場事務所兼ガウディのアトリエ

CGによる復元



ガウディの事務所は右手前2階。
アトリエは、左奥の波打つ屋根から中央の天窓棟まで
      倉庫兼彫像・模型室

この事務所は同時にガウディの建築事務所になり、1906年、地下礼拝堂が地域の代理の教区教会堂に兼用されると、事務所には専属司祭の執務室もありました。

石膏彫像の倉庫になった増築部の屋根に波打つ柱状面が採用され「平曲面」の導線2直線を2曲線にすれば、この平面が得られる。ガウディ最初のねじれ面使用は自らの事務所でした。


サグラダ・ファミリア聖堂付属仮設学校 1908‐09

元来、バルセロナ サグラダ・ファミリア聖堂の建立理念には学校の併設が含まれていました。聖道完成の暁には、半地階の回廊部下層への学校の開設が予定されていました。



左:付属仮設学校 1908-09年 柱状面の壁体
右:付属仮設学校 1908-09年 柱状面の屋根


錘状面の天井・屋根(再建後の内観)

しかし、聖堂周辺に住民が増え、子供への教育の場が必要だという声が高まった時、学校の建設費と運営基金の提供者が現れ、この学校が建設されました。残念ながら、その提供者は急死し約束は不履行に終わりました。

結局、建設費の8千ペセタはガウディが負担し、建設場所は聖堂敷地内の将来大正面が占める一画であったため、仮設が条件になりました。

こうした諸条件から徹底した経済性が求められ、最小数量の安価なレンガで必要強度を達成する方法として、壁も屋根もねじれ面の柱状面が採用されました。

この曲面造形を可能にしたのが、薄いレンガを用いる「カタルーニャ・ヴォルト」と呼ばれる伝統的な技術でした。

サグラダ・ファミリア聖堂の建設には
知られていないことがいっぱいありますね。
長くなりますが、次へと続きます。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする