喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

有田の町並み ~ドンバイ塀のある風景~

2013-11-04 | ブログ
 昨日11月3日、雨。
職員旅行で佐賀県有田に立ち寄った。

 歴史的な古い町並みが好き。
何十年も変わらないような。
どこからか当時の人の足音が聞こえてきそうな、
そんな哀愁ただよう町並みに心惹かれる。

 有田といえば、有田焼で有名。
山あいの静かなたたずまい。
霧雨が降っていたが、ひとり散策してみた。



 窯業の町、有田ならではの『トンバイ塀』
有田の町には「トンバイ塀」と称する塀がある。
 
 トンバイとは窯を築くときに使う耐火レンガのことで、
使わなくなった窯をこわしたときにいらなくなった古いトンバイがたくさんでる。
 このトンパイを使って不要となった陶石などと赤土に混ぜて固めて塀を作った、
いわばリサイクルの塀。

 中には有田焼の破片も混じっていて、古美術に触れることもできるようだ。
 江戸時代、商人が町すじに店を構えていたのに対し、
窯焼は本通りからはずれた人通りの少ない場所に住み、
屋敷と仕事場をトンバイ塀で囲み製陶技術の秘密を守ろうとした塀なのだ。



 赤土とその焼粉を混ぜて固めた土塀の為、もろく一時姿を消しつつあったようだ。
 昔からの「トンバイ塀」と赤絵師や陶工達職人の歴史の重みを感じられる町並みは
有田町の上有田地区の泉山のいちょうの木から大樽の陶磁美術館(商工会議所横)までの通りにあり、
「トンバイ塀のある裏通り」と呼ばれている。



 ふるさと平礒の石垣でできた小道が頭に浮かんだ。
これもまた、未来に残したい風景。

                    岬人(はなんちゅう)