喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

アラスカに渡った教え子

2014-03-18 | ブログ
 今日の夕方、部活動の指導をしていたときのこと。
 中学生といっしょに運動場を走り、
終わったところで、息を整えながらストレッチをしていた。

 30メートルほど向こうから運動場に入ってくる1人の女性が見えた。
スラッとしたスタイルで、茶色の長い髪、上品な洋服姿が都会的。

 と、次の瞬間、そのシルエットに見覚えがあった。
まさかと思ったが、「有沙紗かい?」と声をかけてみた。

 すると手を振ってこたえてくれた。
そのとおり。
18年前の伊方中学校での教え子。
彼女とは、卒業し成人してからも年賀状・メールのやりとりがあった。
それでも実際に会うのは10年ぶり。

 なつかしさとうれしさで話もはずむ。
こんなときは、お互い一気にあの頃に戻るような感じがする。
 テニスコートの外で部活動を見ながら、当時一生懸命汗したテニス部の話、
高校時代、大学時代、看護師として働き始めてからの話、
そして結婚をしてアラスカでの生活のことなどつきることがなかった。

 これまでの経験やその時々の考えなどを聞いていると、そのすばらしさに胸が熱くなった。
もう教え子という関係ではなく、人としての魅力をずいぶんとそなえていた。

 夜の会合があったので、別れたが先ほど次のようなていねいなメールがあった。

「先生、ありがとうございました‼
突然、連絡もせず うかがってすみませんでした。
どうしても式の前に会いたくて三崎まで行ってしまいました。
お会いできて本当に嬉しかったです。
 
 三崎丼ごちそうさまでした。
先生とお話していると中学生の頃の自分を思い出し、懐かしい気持ちにもなりました。

 いつかアラスカで会えたら最高に幸せです。

 結婚式と27日にお会いできることを楽しみにしています。
本当にありがとうございました。」



 そう、彼女は間もなく3月23日に結婚式をあげることになっていて、私も招待されている。

 愛する母の三回忌と結婚式のために一時帰国した。
ふるさと佐田岬の山々には、やがて山桜が咲き始める。
まるでこの時期を待っていたかのように。

 彼女が、言った言葉が印象に残った。

「私は働いていた京都の桜もきれいだと思うんですけど、ふるさとの桜がやはり一番好きです。」

 人はみな、ふるさとを抱いて生きている。


 今、彼女から贈られたスモーク・サーモンとアラスカの写真集を見ながら、
アラスカへの思いを広げている。

おりしも北極圏に位置するアラスカのブルックス山脈で3月18日、オーロラ爆発が観測されたというニュースと映像。
午後11時半ごろ発生したオーロラが真夜中の0時過ぎに全天に広がり、地上は強い光に照らされた。
ブルックス山脈を2時間ほど照らすと、空の彼方へ消えていったようだ。