喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

思い出に残る小藪温泉

2016-06-19 | 地域づくり
 女将さんからの
「いらっしゃいませ。おつかれさまでした。」
のお出迎えをうけ、宿に足を踏み入れる。

「この宿には、20数年前惣川に勤めていたときに、泊まったことがあるんですよ。」
すると女将さんから驚く返事が。
「はい、確かに惣川の方々が泊まりにみえられたことがあります。覚えています。」
女将さんのその言葉に感動。

 そして仲間が待つ下の部屋に案内され向かう。



 摘んで来られた季節の花が廊下に飾られ、おもてなしを感じる。




 湯上がりに涼んでいる仲間がいた。
「久しぶりー。今日は楽しみにしちょったで。」
と言うと
「まー、温泉に入っておいでや。」

 部屋に通され、
「遅くなりました。」
と言うと
「ゆっくり温泉に入って。先やりよるけん。」

 あっさりとしたこんなつきあいがいい。

 では、有名な美肌の湯に入ることにする。
明らかに潤いあるぬるっとした湯が分かる。
「あー、いいお湯だ。」
窓を開け、川のせせらぎとカエルの声を聞きながら、昼間の疲れを癒やす。

 温泉を堪能し、仲間が待つ囲炉裏の間へ。
浴衣姿の同じ齢の男3人がすでに盛り上がっていた。
 腰を下ろすと、山の幸の小料理、そして囲炉裏にはヤマメが串刺しで焼かれていた。
自在鉤には、具がたっぷりの汁がかけられている。






「それでは、かんぱーい。」 
 駆けつけ一杯の冷えたビールをくいっと。うまい。
そうこうするうちに、串刺しの魚が焼けたようだ。


 こんがり焼けた魚にかぶりつく。
うまい。塩加減がちょうどいい。
4人が口をそろえて言う。

 おいしい魚、料理、お酒を味わいながら、
様々な話に花が咲く。
なつかしい話、今の悩み、これからの夢のある話等々。
気兼ねしないメンバーだ。

 飲むほどに、酔うほどに、話は盛り上がり、
山里の夜は更けていく。
「俺、もう休むけん。」
「わかった、お休みー。」
一人抜け、二人抜け、時計は2時をさしていた。
「もう、寝るかな。」
 山里の熱い夜は、こうして終わりとなった。

 すごいいびきが隣の壁を越えて聞こえてくる。
酔いで気にならず、あっという間に深い眠りに落ちていった。

 思ったことがある。
 生活がどんなに忙しくなろうとも、こんな時間は大切にしたいということ。
世の中がどんなに便利なデジタルな生活になろうとも、
こんなアナログなつきあいは大切にしたいということ。


 そしてこんな大切な場と時間を残してくれているのが、
このような小藪温泉の宿。 
 変わらない、変えてはいけない良さ。
 地域づくりの幹となるものだ。

 女将さんが言っていた。
「最近は、韓国や台湾のお客も多いんです。」
日本の田舎の良さが、世界にも広がっていく。
 変わることの良さだ。

               岬人(はなんちゅう)


なつかしい山里の小藪温泉

2016-06-19 | 地域づくり
 6月17日、金曜日。
梅雨とともに、あわただしい毎日もひと休み。

 同じ歳の男が集まり、一杯やろうと言うことになった。
その場所として決まったのが、松山でも八幡浜・大洲でもなく、
肱川町の山里にある「小藪温泉」。



 小藪温泉と言えば、20数年前に野村町惣川に勤めていたときに、
時々入りに来て、泊まったときもあるなつかしい場所。

 勤務時間が終わり、いつもより早く
「おつかれさまでしたー」
と言って職場を出る。

 伊方から車を走らせること、1時間少々。
肱川の鹿野川ダム手前の赤い大鳥居をくぐり、山道を上って行く。
5分ぐらい走ると集落が見えてきた。
川の畔にひときわ大きくたたずんでいるのが小藪温泉の宿。
 
 午後7時を回っていたので、辺りは薄暗くなっていた。
それがまた山里の雰囲気をかもしだしていた。





 20数年ぶり。あの頃と変わらないたたずまい。
そこに自分のあの頃を重ね合わせる。
 変わらない良さっていいものだ。


 玄関先に、女将さんがお出迎えしてくれた。
「いらっしゃいませ。おつかれさまでした。」

 そして足を踏み入れる。

                岬人(はなんちゅう)

 

未来に残ってほしい山里の小藪温泉

2016-06-19 | 地域づくり
 未来に残ってほしい山里の小藪温泉



 小薮温泉(おやぶおんせん)は、愛媛県大洲市肱川町(旧国伊予国)にある温泉。
肱川中流にある鹿野川ダムわずかに下流で左岸に流れ込む小藪川をさかのぼったところにある。

 6月17日、誘いを受けて同じ歳の男4人で泊まる。

 未来に残ってほしい山里の温泉宿だ。


          岬人(はなんちゅう)