喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

ふるさと佐田岬の豊かで、幸せな暮らし ~老いていく母に頭を下げる~

2018-02-15 | 感動
 先日2月12日(月)。
仕事に行こうとしていると、母が作業していた。


「何しよるが?」
母は、
「ジャガイモを植えるための準備をしよるんよ。」
との返事。

 先日手術したばかりの眼のことが気になり、
「眼の調子はどうよ?」
母は、
「よー、見えるんよ。お世話になったなー。」
と目を大きく開き、うれしそうに返事をした。

 胸が熱くなった。



 夜帰宅し、いつものように母家の戸を開ける。
明かりはついているが、誰もいないので、
「母ーちゃん、おるかな?」
と寝室に向かって大きな声で呼びかける。

すると
「ジャガイモを植えて、疲れて寝よるんよ。」
としんどそうな声が返って来た。

 申しわけなさで、寝室の母に向かって静かに頭を下げた。

 いくつになっても親を超えることはできない、と思った。



 私は、こうやってふるさとに住み、親の様子を間近で感じることができる。
それは本当に幸せなことだ。

 本当の豊かさ、幸せがここにはある。



       岬人(はなんちゅう)





 

 

 

春の道後、石手寺を散策して感じたこと

2018-02-15 | 感動
 4年前の平成26年(2014年)2月14日(金)のブログを読み返してみた。
寒くなったり、温かくなったり、三寒四温の季節。
 一気に暖かくなるのもいいが、こんな時期も趣があっていい。

 道後、石手寺という歴史ある地域を歩いて感じたことを綴っていた。


「世の中は、バレンタインデーということでうきうきしている日。
松山で愛媛県内から集まった150人の前で、プレゼンをすることになっていた。

 道中、長浜・双海あたりでは北西の風がきびしく、護岸に打ちつけられた波しぶきがあがっていた。
そして見上げれば、山の上のあたりはうっすら雪化粧。





 プレゼン内容を巻き返しくり返し、シュミレーションし準備した。
何とも重いバレンタインデー。
 でもその甲斐あってか、本番ではあまり緊張することなく、
かえって熱くなるような場面さえあった。
 こうして何とか務めを終えることができ、肩の荷もおりた。

 その夜は、関係者といっしょに松山の夜を満喫した。
昼間の延長のような熱い時間だった。
 そのせいか、いつものように酔うことなくベッドに。
そして疲れのせいか、ぐっすり。

 翌朝15日は、さわやかな目ざめだった。
天気も落ち着き、プチ旅行気分を味わいに道後を散策することにした。

 まず向かったのは、一度行ってみたかった「石手寺」。
四国八十八カ所51番札所で、境内ほとんどの堂塔が国宝、国の重要文化財に指定されている壮観さ。
それに寺宝を常時展示している宝物館を備えており、四国霊場では随一ともいえる文化財の寺院。

 それらに見とれていると、ひとりのおばあちゃんに声をかけられた。
「お接待、いただきませんか。」
地元のお大師さん信者のみなさんが、白装束に身をつつみ、お接待をしていた。
何とこの日は、お釈迦様の命日ということだった。
 
 せっかくなので、お接待のあられをいただき、お参りをした。
信者のみなさんは、それからもお参りに来られた多くの人に声をかけ、お接待。




 お堂の中から鉦の音色といっしょにご詠歌が聞こえてくる。
それに心ひかれたのか、一人の女性が見入っていた。
 
 その女性におばあちゃんが何やら話しをされている。
背中には「南無大師遍照金剛」の尊い文字。
おばあちゃんの話しにうなづきながら耳を傾ける女性。
ふたりの女性の美しい光景だった。


 そんな温かい思いで、寺の隅々、回廊にいたるまで歩いた。
次に向かったのは、伊佐爾波神社(いさにわじんじゃ)。



 下から見上げる美しい階段。
国の重要文化財に指定されている社殿は、全国に3例しかない八幡造。
 その後、昨年の夏の火災でなくなってはいたが、一遍上人が生まれた宝厳寺にも足をのばした。

 かなり歩きお腹も減ったところで、これまた一度行ってみたかった「道後やや」のお昼をいただくことにした。



 全てを愛媛県内の地産地消にこだわりつくしたもの。
ビュッフェ形式を取り入れているのだが、デザートの柑橘だけでも
みかん、伊予柑、デコポン、はるみ、清見…など8種類ほどあった。
 器は、砥部焼。

 少しずつ取って食べてもお腹いっぱい。

 心もお腹も満たされた道後散策。
前日のプレゼンのごほうびのようだった。

 私のふるさとも、このような温かい、こだわりのあるふるさとにしていきたい。」 


                       岬人(はなんちゅう)