昨日の深夜、おふくろが急に歯が痛くて寝れないと言い出した。
早速救急の歯科を探したんやけど、高槻から一番近くても大阪市内の
阿倍野にしかそれがなく、どうしようかと悩んでいたら、次女が勤務先の
先生に聞いてみると言う。そこで今更のように娘が歯科医に勤めているの
を思い出したんやけど、娘も自分の勤め先の先生はうちから30分の吹田
やし、救急を教えてくれと言ったところで、、自分が診てあげるというに決ま
ってることが分かっているので、もし近くに救急があればその方がいいと思っ
てしばらく黙っていたらしい。
それでも阿倍野までは行ってられないので、ここは娘に頼り、先生に電話
してもらったところ、案の定、深夜にも関わらず診てくれるという。
ここはとにかくおふくろのことが一番なので先生の言葉に甘えることにさせ
てもらって、吹田まで俺と娘でおふくろを連れていくことにした。
着くと深夜の歯科医は当然閉まっていて、真っ暗。ほどなく先生が来ら
れ、中に入れてもらうが、診察に必要な機器の電源は落とされ、さまざ
まな治療具も片付けられている。
すると、娘が全ての機器の電源を入れ、治療具を出し、治療の準備を
始めだした。先生はおふくろを横にならせて椅子に座り問診を始めてい
る。手袋をはめ、マスクをし、先生が医者の姿へとどんどん姿を変えてい
く中、娘はいつの間にか先生のそばに立ち、先生が手を出すだけで、そ
の手の中に必要な治療具を載せていく。特に先生からの指示もないの
に次々と的確に必要なものを渡す。おふくろがうがいをするわずかな時
間にカルテに何か記入し、先生に指示された薬を用意し、うがいが終わ
る頃にはまた先生のそばで器具を渡す。なんかたまにテレビで見る手術
室の光景をみているみたいにテキパキと仕事をこなし、当たり前のことな
がら、先生の指示には「ハイ」とだけ答えて、見事に先生の助手をやり
遂げていた。
娘の仕事ぶりを見る機会なんて今までなかったし、これからもあるとは思
ってなかったけど、親バカながら、その仕事ぶりを見て、いつの間にこんな
に成長したのか、と目を細めてしまった。
やがて、治療は終わり、おふくろは神経を抜くなどの処置をしてもらい、
痛みが取れたらしい。ただ、明日(今日)もう一度処置が必要なので、
また来院するようにとのことやった。
先生からそのような指示を受けている間に娘は器具他の後片付けを
済ませていた。
そして今日は嫁におふくろを連れて行ってもらい、また治療をしていただ
いた訳やけど、そこで娘の仕事ぶりを初めてみた嫁が俺と全く同じことを
言っていた。「あの子、しっかり仕事してるわ」
親バカならぬバカ親二人やなぁと思いつつ、バカ親でも命がけで育てれ
ば子供は育つんやなぁ、となんや嬉しいようなはがゆいような気持ちに
なった一日でした。