星野さんが北京オリンピックでの日本野球チームの監督に就任した。
阪神ファンはもちろん、球界を超えたところから見ても、今この人の右にでる名監督は
おらんやろうから、日本野球界にとってはついに伝家の宝刀を抜いた、というところか。
そして、コーチ陣がまたいい。田淵さんに山本浩二さん、それに大野さん。どの人も現
役時代は星野さんのライバルとして活躍した一流選手で、指導者としても優れている。
加えて皆星野さんに負けず劣らず人間性が素晴らしい人ばかり。特に星野さんは、田
淵さんと山本浩二さんとは親友でもあるということやけど、こういう素晴らしい人たちがす
ぐに集まるところも星野さんの魅力やろう。
ところで、その星野さんはどうしてそこまで魅力的な監督であり人間なのか?
それはなんといっても「男前」やから。これに尽きると思う。もちろん顔もやけど、この場
合は当然人間性、という意味で。
男前を語るエピソードは数多い。
広島からFAで阪神にきてくれ、今や阪神の顔となった金本選手が言うてたけど、当時
阪神の監督やった星野さんの誘い方といえば、それはもうストーカーと同じやったらしく、
金本が「甲子園独特の浜風は左打者の自分にとっては不利なので行けない」、と断っ
た時には、「今は気象条件が変わってここのところ毎日ホームからセンターに向かって風
が吹いてる」なんて大嘘を平気で言うてたらしい。それを金本に指摘された星野さん、
「俺を日本一にしてくれた男には何を言われてもええ」と笑ってたけど。
選手の頃から熱い人やったけど、監督になってからも、あの世界の王さんにも殴りかか
らんばかりに文句を言うわ、選手をどなりつけるわ、ベンチは蹴飛ばすわ、暴れたい放
題。
でも、この無茶苦茶とも思える強引さの裏に選手への思いやりと野球への情熱が詰ま
っているのがこの人の魅力。阪神のフロントを動かして球団の体制を変え、選手にとっ
てできるだけ働きやすい場を作ることにも監督業以上に尽力したのもまたこの人。
今回の日本代表の監督として、「球界に恩返しがしたい、少年に夢を与えたいという
選手に参加してほしい。出たくないという人は出てもらわなくて結構!」という啖呵を
切ったとニュースにあったけど、まさしくこの一言が星野さんの人間性と野球に賭ける情
熱全てを物語っているように思う。
最近、あまりにバカバカしいことが多くて、俺は怒ることに疲れ、もう少々のことでは文
句を言わんようになった。降りかかる火の粉は振り払うけど、火元のことまではもうどう
でもええ、と。それじゃあかんと分かってても、やっぱりまぁええか、で終われせることが
ほとんど。
星野さんは60歳、それでもこれだけの啖呵が切れる。俺をはじめ、一人でも星野さん
を見習おうとする人が増えれば、野球どころか、日本が変わるやろう。
彼は野球日本チームの監督だけではなく、日本という国の監督にもふさわしい人なの
かも知れない。
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