湖畔人です。
以前、第431話の中で、好きな人の幸せを願って、自分の気持ちを抑えて身を引くケースが人生にはあり、その悲しみは人生の至る所で見うけられるが、それは何とも表現しようもないもので、そうした姿を描いた歌の特集も後でやりたいと申しました、早速、そのケースにあたる曲を二曲ご紹介したいと思います。
まずはBreadの『Dairy』です。
気になっていた女性の日記を偶然木の下で見つけ、不謹慎ながらもそれに目を通すと、どうも自分の事が書いてあるようであり、自分の事を意中の人と思っているらしいと思い、小躍りし、彼女との結婚まで決意するが、更に読み進めると、どうも意中の人は自分ではなく他の男性だと知り、落胆し、涙するも、直ぐに気持ちを切り替え、その女性と、その女性が好きな男性の幸福な未来を願い、祝福する事を決める、と言うストーリーでして、ほんの一瞬の間に、一気に天国と地獄を味わい、自分は残念ながら大好きな彼女の未来の幸福には絡めないけど、自分は身を引いて、遠くから彼らの幸福を応援する事を選んだ、と言うなんとも健気な心優しい男性の物語です。
次は、槇原敬之さんの『林檎の花』です。この曲はちょうど東日本の震災の頃ローンチされた曲で、震災の衝撃が大き過ぎて、その陰に隠れてしまって埋没してしまった幻の名曲ですね。大好きな人の幸福を願って、自分の気持ちを抑えて、好きな人が幸せになれるよう黒衣に徹する健気な男子を、作者(槇原さん)が、”自分は君が彼女の事を大好きなのを知ってるよ、でも君は、自分の事より、彼女が幸せになる事の方がずっと大切なんだね、偉いね、君は、きっとそれが愛なんだね”、と歌う、何とも言えない名曲なのです。
薬物騒動で今は活動から遠ざかっている槇原さんですが、LGBTと言う事で色々と葛藤も多い事でしょうが、でもいつか復活する際には、世間に広まり愛される機会を逸したこの隠れた名曲を是非再ローンチして頂いて、皆様にもっと知って頂き、愛して頂きたいですね。だって勿体ないですからね、こんな名曲。埋没している場合ではないです。
明日は、終戦記念日、以前ここでご紹介した特攻を想起させる曲をもう一度思い出して、再度ご紹介してみたいと思います。
では。
湖畔人