第364話. ウェルチ氏に捧ぐ 気になった音楽(110) Karl Jenkins(Adiemus)『Beyond the Century』

2020-03-21 19:29:42 | 気になった音楽
湖畔人です。

先日アメリカの名経営者ジャックウェルチ氏が亡くなられましたね。
発明王エジソンが創業したゼネラルエレクトリックことGEの中興の祖であり、自由競争の世の中、これからは世界で一位か二位の企業しか生き残れないから、将来見込みのある事業のみに人材と資金を集中し、買収で更に強化するが、弱い事業からは潔く撤退し、事業ごと売却すると言う大胆な選択と集中、所謂リストラを断行し、GEの売上をCEO在任中の約20年で5倍、最終利益を8倍にし、GEを世界一の企業(氏が在任期間中)に仕立て上げた”世紀の経営者”とたたえられた人物です。

いつも非難ばかりしているNHKですが、1999年から2000年の2年と言う長い時間を掛けて21世紀を目前にした人類の課題を特集する『世紀を越えて』と言う重いシリーズものの番組をやっていました。その中で、経済の動向をテーマにした番組を99年の春から夏にかけてやっていまして、その中で、ウェルチ氏率いるGEの特集をした回があったのですが、私はその回で描かれていたウェルチ氏の仕事ぶりにエライ衝撃を受けまして鮮烈に記憶をしていたのです。しかも、そのウェルチ氏のリストラによって、当時、通勤経路にあった東邦生命がGEに買収され、GEのロゴマークを付けた看板に変わった様を目撃した時には、"自分の周辺にも時代の変化は来ているんだな、日本の片隅にいる我々の日常も、この大きな時代のうねりに呑み込まれて行くんだな"と強烈な印象を受けた記憶がございます。

そのNHKの『世紀を越えて』と言うスゴイ番組のテーマ曲が、今日ご紹介するAdiemusことKarl Jenkinsの『Beyond the Century』と言う曲でして、ジャックさんのニュースを見ると自動的にこの曲が頭の中で流れる程、自分の中ではジャックウェルチ=GE=『Beyond the Century』とイメージがリンクしていまして、今回の訃報に触れた際も、この曲がまた頭の中で自動的に鳴り始めていたのですが、この曲が自動再生される中、ジャックさんの偉業に思い巡らせていたのです。

実は一つ前にご紹介した百恵さんの曲『さよならの向こう側』の間奏パートで流れるストリングスの盛り上がりの部分がとても好きなのですが、そのパートがこの『Beyond the Century』に何かとても似ていまして、少し前まで百恵さんの曲を一時期良く聴いていたものですから、『さよならの向こう側』を聴く度にこの『Beyond the Century』と言う曲を自動的に思い出していて、そして同時にジャックさんの事にも何度も思いを巡らせていたのです。百恵さんのお別れをテーマにした曲を聴き、『Beyond the Century』と言う時代の変わり目を象徴する曲を思い出し、そして亡くなったジャックさんにも思いも寄せる、何かシンクロしているな、きっと時代の変わり目を今目撃してるんだろうな、一つの時代が終わった、と言う事なんだろうな、と正直、深く感じいるものがありました。

この偉大なる経営者が、ストレートに天国に帰り、彼の師であるドラッカー氏にあの世で再会して、ともに手を取り合って再会を喜んでいるシーンを想像しつつ、この曲を流す事で彼の天国への帰路の旅の無事を願い、レクイエムとしたいな、なんて思った次第です。

皆様も何度か聴いた事がある曲かと思いますが、まぁ時代の変わり目を感じるスケールの大きなとても良い曲だと思います。お薦め致します。

では。

湖畔人


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