湖畔人です。
ドナルドトランプ氏がアメリカの第45代大統領に就任しましたね。
反対派が暴徒化する中、そして殆どのメディアと対立姿勢を保つ中、その就任演説は堂々たる見事な主張を展開されていましたね。お見事でした。
こうしたトランプ氏の勝利やブレクジットをもって、昨年から“ポストトゥルース”と揶揄する動きがありますね。
直訳すると、“真実の次”、と言う事で、事実や真実に基づかず、感情に訴えかける政治的な動きを指すようです。確かに、ブレクジットを決める国民投票の際、離脱派の主張には誤りがあったのは事実ですが、離脱派も修正と謝罪はしましたし、それを持ってブレクジットやトランプ氏の勝利を嘘偽りで人々を扇動して得た成果、というようなネガティブなイメージを植え付けんとするその姿勢には、それこそ、それ自体がポストトゥルースなのでは?と思いますし、トランプに敗れたメディアや、トランプ氏達と考えの合わない勢力の恨み節、ちょっとした仕返しのようにも見えます。
私を含め多くの一般人が今感じていることは、どうもこれまで国内外のメディアや国際社会が我々に伝えて来た“正しさ”や“真実”というものは、どうも絶対的な真実ではなく、彼らが人々に信じ込ませたいと思っている方向で伝えられて来た、かなり偏りを持った情報だった、我々はそうした偏った情報を信じ込まされて来た、どうも洗脳されて来たようだ、と思い始めている、と言う事です。
国連なんて良識と正義の最たるものかと思いきや、先日のユネスコの南京大虐殺の記憶遺産登録とかを見ていると、南京の事件のように信憑性の乏しい情報を平気で登録してしまうその姿勢に、この情報は、彼らが事実として人類に記憶させたい情報なのであって、事実かどうかは、彼らにとっては、どうもどうでも良い事のようだ、と思えて仕方ありません。ポストゥルースというか、彼らの信じたい真実、their expected truth, intended truthと言った感じがします。
日本のメディアの流すニュースも、少数が実施する反原発のデモはニュースになっても原発推進のデモがもっと大きな規模であっても全くニュースにはなりませんし、オスプレイ支持のデモだって存在はするのですが、オスプレイ反対派のデモはニュースになっても、支持派のデモはニュースにはなりません。結局メディアの好みで選別されているのです。メディアの持って行きたい方向に世論誘導がされ世論が形成されてゆくのです。一体どの口がポストトゥルースと偉そうな事を言うのかと思えて来ます。
トランプ氏の選挙戦の間は、殆どのメディアがヒラリー支持で、偏向著しい報道が繰り返されていました。トランプはツイートを通して孤軍奮闘はしていましたが、多くの人々がそうしたメディアの姿勢に、この人達の言う事はどうも偏りがあるし、選挙戦の終盤に多数のセクハラ被害者が一挙に出て来るその状況も何か演出されている感が拭えないし、これはどうも話半分で聞く必要がありそうだ、と感じていたのではないでしょうか。メディアが支持する勢力は一部のグローバリゼーションの勝者側であり、同じ勢力がメディアも握っているため、メディアの支持する勢力を支持していては、どうも、この空洞化し疲弊した中下流階級の生活の質が改善する見込みは無いと直感した人たちにより、トランプ氏が支持されたのではないでしょうか。
結局、ブレクジットにしても、トランプ氏にしても、まずは自国が自国としてしっかり自立出来ている事、自分たちで自国の運命の舵を握っている感覚を取り戻したい、自分たちで自国の未来を切り開きたい、主権を取り戻したい、と言うのが、その二つの根底に共通して流れる願いではないでしょうか。これは私達が憲法9条を改正したいと願う気持ちと一緒です。ポストトゥルースなどと言うそのような安っぽいものでは無いと思います。
ブレクジットも、元々英国は、移民は受け入れていました。ただ、きちんと審査を通し、まともで有能な方々の移民は歓迎していたのですが、最近はEUの法律が自国のルールより優先してしまい、自分たちの預かり知らないところで勝手にどんどん移民が移り住んできてしまうその状況に薄気味悪さと制御不能な感覚を覚えた英国民が多かったようです。自国の主権の回復、それがブレクジットの背景にある願いです。
トランプの保護主義も同じです。自由貿易はもちろん尊いですが、それが自国民を豊かにするなら良いとしても、それで自国民が疲弊するなら手を打つのが当然の措置です。貿易相手、競争相手が国に守られ為替を意図的に安くし価格競争力を得ているとしたら、それでは競争に成りませんし、ハンデがあり過ぎて不公平です。そんな中、競争を強いられ、自国企業が壊滅したとしたら、自国企業を守らなかった自国政府は一体何なのだ?と言う話ですね。まずは、一旦ゲームを中断して、ルール変更を主張し、そうしたアンフェアーな競争で弱体化した部分もリハビリして強化し、力を付けさせ、同時に不当なハンデを強要する相手に力相応の負荷を与えんとルールの変更を主張するのは当然な措置です。相手は国をバックに大きなハンデを受けやりたい放題なのですから、一旦、試合を停止して、ルールの改善を求めるのは当然の措置ですね。アンフェアなルールを守って国が滅びては本末転倒です。自分たちで自国の運命の舵を握っている感覚を取り戻す為の戦いなのです。主権回復の戦いです。
しかもこのアンフェアなルールを最大限活用し、アメリカに代わる覇権国家を狙う中国は、唯物論国家、共産主義国家です。人を機械と見、人命も神も尊ばない唯物論国家をこれ以上増長させるのは、世界にとって大いなる不幸となる事は必定です。香港を見てください、もう既に言論の自由が風前の灯です。彼らの増長を止める為にも、まずアメリカが強くなり影響力と発言力の強化が必要になります。トランプ氏ならそれを託せるはずです。
まずは主権を回復し、活気のある国を取り戻し、それから周辺国をサポートしたい、と願うのは、普通な感覚です。個人も一緒で、まず、働いて自立し、稼いで自らと家族を養い、時間と財力に余力を作って自分が属する地域社会に様々な貢献せんとするのが普通の感覚であり自然な欲求であり、自然な取るべき順番です。それを人は保守主義的と呼ぶようですが、別に保守も何も、普通な感覚であって、別に特別な主義主張でもなんでもないと思います。英米が回復しようとしていのはその点です。
これからの世界の潮流は、EUのような、大きな政府や国際社会に全て面倒を期待する甘えた存在を許す世界ではなく、個人のレベルにおいては、自由の中で、神を信じる事で自己を確立して行く個人群が、自己を確立した後、公に奉仕して行く社会が求められていると思いますし、それが国単位であっても、神を信じる国家群が主権を保ち自立した国家、強国となり、そうした強く自立した国家群が集まって互いの違いを尊重しつつ助け合っていく世界が望まれているのだと思います。
この“利自から利他へ”というプロセス、まず自己を確立し、その後周りに貢献せんとするプロセス、これが、ブレクジットとトランプ氏の勝利の根底に共通して流れる願いだと思います。まずは両者とも自国の国力の回復を目指すでしょうが、その後また復権し、また国際社会に強い影響力を及ぼすようになるでしょう。期待しております。
我が国も主権の回復が急務ですね。まずは憲法の改正です。
湖畔人