第295話. 気になった音楽(71)&(72) Elvis Costello『Good year for roses』&『I Wanna Be Loved』

2019-08-14 17:26:16 | 気になった音楽
湖畔人です。

さて、コステロ特集の最後です。今回も二曲ご紹介いたします。両方ともカバーです。
一つ目は、『Almost blue』と言う全編カントリーのカバー曲で構成されたアルバムからの一曲でして、ジョージ・ジョーンズと言う方のカントリーの名曲らしいのですが『Good year for roses』と言う曲のご紹介です。離婚して去って行った妻を、でもそこには確かに愛があった、良い日々であったのだ、と悲劇を受け入れ、ゆったりと流れる川を眺めるように、過去を美しく回想する感じの落ち着いた名曲ですね。しかしコステロには別れの曲が多い事。いや、歌謡曲もPOPSも皆基本そんな曲ばかりかもしませんね。人のする事ですから、基本、皆中々うまくは行かないのです。まぁでもそれがきっと普通の事、デフォルトな状態なんでしょうね。うまく行かないのが普通。昨日まで生まれ故郷に帰り親戚達の顔も見て来ましたが、心病んで家に籠る者もいれば、かつて素直で明るく良い子だった子が配偶者の悪影響か借金を多く作り親を泣かせる羽目になっているケースや、ホント極普通にやっているケースが如何に少ない事か、皆色々抱えながら何とかやっているんだなと改めて思わせて頂いた次第です。自分も去年一度に両親二人を亡くしたばかりですが、色々あるのは自分だけじゃないんだなと、まぁ改めて思いましたね。
 
次は、先の記事でも指摘したコステロにとって最悪の出来と言うアルバム『Goodbye Cruel World』からまたのご紹介です。『I Wanna Be Loved』と言う曲なのですが、元々ティーチャーズ・エディションというシカゴのR&Bコーラスバンドが70年代に出した曲のカバーでして、日本のレコード会社がたまたま出していたアトランティックソウルのコンピレーション・アルバムに入っていたこの曲を来日していたコステロがたまたま聴いて気に入ってカバーする事にしたそうなのですが、まぁ当然、コステロのカバーバージョンの方がオリジナルより数千倍格好イイのです。アレンジも何もかも全てが超カッコイイし、あのスクリッティ・ポリッティのグリーン・ガートサイドがコーラスで参加しているなんてかなり贅沢ですし、スクリティ風なシンセポップ風に仕上がっており、自分の中ではブルーアイドソウルの最高傑作ですね。まぁ、聴いていて大変心地が良いし、自分が疲れた時に自動的に頭の中で鳴り響く曲の一つです。自分の中ではオールタイムTOP30に入る曲です。
まぁ前話でも指摘した通り、当時のコステロは離婚問題、自身が経営する会社の倒産危機とホント最悪の状況下にあり、そんな中、この歌詞の通り、“自分は孤独だ、愛が欲しい、もっと愛されたいんだ”と、情けない自分をさらけ出しまくっている無様な歌詞なのですが、それがこんなにも格好の良い曲に仕上がってくるなんて、奴は天才ではないのか?と深く感心した次第なのです。まぁ、宗教的に見れば奪う愛の極致みたいな歌詞で余り褒められたものでは無いのですが、でもまぁこういう時もあります。僕にとってはコステロのNo.1はこの曲です。お勧めします。
 
では、この後は、時事も織り交ぜつつ、歌詞が残念な曲をちょっとやって、スカッと夏らしい曲の紹介を幾つかしたいなと思っています。
では!
 
湖畔人

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