華麗なるオーストラリアンライフ

渡豪17年。職業・看護師。
白熊のようなオージーの旦那1人とワンコ2匹で
ニューサウスウェルス州の田舎町で生息中。

価値観と責任

2025年01月28日 17時37分17秒 | Weblog
夜勤明け。
昨日はインチャージだった。シフトが始まってすぐに急速対応があったけどすぐに落ち着いた。
その急速対応はある血便が続く患者さんで、ヘモグロビンの値も落ちてるので急ぎの輸血が必要な人だった。集中治療室をはじめとしたチームがやってきて患者さんに静脈張りを入れてすぐに輸血をすると説明する。だけど患者さんは「もう何もしたくない」と言った。高齢の患者さんにはこうやって治療を拒む人が一定数いる。そこでドクターが患者さんのご家族に治療方針について話す許可を取ろうとしたら「私の決断が尊重されるべき」と患者さん。するとドクターは「それは死ぬということですがわかっていますか?」。一瞬息を呑んだ患者さんだったけど「わかっています」と応えて、その時は何の処方もされずに終わった。
ドクターとしては患者さんの認知能力と意志の堅さを確認するための質問だったろうけど、直接的なこの表現に私は驚いてしまった。もうちょっと言い方あるんじゃないの?なんて思ったけど、でも後で言った言わないにならないよう、明確で簡潔な質問が必要とされたんやろう。
ドクターだってできればしっかり膝を突き合わせた状態で話をしたかったやろう。こんなカタチで生死を分ける治療方針を決めたくなかったはず。そう思うとドクターって因果な仕事。お医者さんの抱える重圧を世間はもっと知るべきと思った。

上記以外は押し並べて平和なシフトやった。スタッフはみんな協力的でお互いをカバーし合う状態。言ってしまえばベストな状態やった。まだインチャージとしてはどっちらけやけど、無事にシフトを終えられて良かったわ。
今夜も夜勤やけど今日はインチャージじゃない。他にできる人がいたらインチャージのポジションは私じゃないんやと少し拗ねていたんだけど、あるベテランスタッフからそんな風に考えるもんじゃないよと言われた。このベテランさんでもインチャージになったら重圧を感じるし、周囲に頼れないときはしんどいんだそう。インチャージなんてそう楽しいものじゃないって言われた。私は自信過剰やったんやな。
私はプロとして責任を感じながら仕事をすることが好き。だから役職を与えられるともっと頑張れる。だけど分相応っていうものがあるよなと学んだ瞬間やった。まだまだ勉強の途中。欲張らずにひとつひとつこなしていこう。

さて。
夜勤は好きじゃないけど、少しずつ夜勤の間の過ごし方を学び始めている。寝てばかりだと不健康なので今日は料理をした。ま、カレーやけどね。
夜勤アレルギーは以前ほどひどくない。これはドクターキタムラの影響が実は大きい。なぜなら彼は夜勤が好きなので。そんなケッタイな人おるんやと思っていたけど、では好きとは言わないまでも嫌いだと思わないでこなしてみようと思ったらこれが意外と効いて、夜勤に対する苦手意識が減った。いろんな価値観の人と話をするもんだと思ったわ。
余談やけど、今日の午前シフトでは3名が病欠をした。1名は確実に体調不良とわかっているけど、あとのふたりはおそらく現在病棟にいるコロナ患者さんのせい。大部屋ひとつがコロナ部屋になっている。コロナに感染するリスクもあがるし、何よりPPEの着脱が面倒。
どんな理由であれ病欠は与えられた権利なので使えばいい。私は個人的にコロナ患者さんがいるというのが病欠の理由にはならないけど、コロナにでも感染して自分の健康と時間を失うことになるのが馬鹿らしいと考える人もいるやろう。自分自身への、自分の家族や友人への責任の取り方かもしれない。価値観も多種多様ですな。

ただいま出社15分前。
行ってきましょうかね。

窓からの風を楽しむペピコお嬢さま。

よきかなー、よきかなー。

今日は暑かったなー。
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