チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

丁寧さ

2009年09月09日 09時02分00秒 | 日記
昨日は文楽三昧
楽屋お見舞いには
「師匠絹のピロケースですよ」
「ウン?ピロ?」
奥様
「絹の枕カバーのことですよ」
「ほー」
「よく休めますからーー」
と師匠のチョット薄くなった頭を見つつ

わざわざ今年進呈の浴衣を着て待っててくださる
暑くて上半身裸だったがーー
「見ちゃったみーちゃったあ」
と喜ぶチャコちゃん先生
「変態!」

さて舞台伊賀越道中双六の沼津の段
師匠の十兵衛と勘十郎さんの平作黄金コンビだ
お二人の仕種が細やかで丁寧
内容がわからなくても
その動きだけで今舞台で何が行われているのかがわかる

お二人の人形を遣う作法を見るだけで
きものを着る私たちにやさしさを伝えてくれる
顔の傾げ方、手の動かし方、背中の表情
見本ですな

竹本住太夫の語りが切々と胸に迫る
丁寧に語る
つまり宝のトリオ

三部はシェイクスピアの「テンペスト」を文楽化
天変斬止嵐后晴ーテンペスト嵐のち晴れーだって
文楽には珍しく最後はめでたしめでたし
そのせいか皆もうはじけて明るく楽しい

特に鶴澤清二の作曲が晴れやかで美しい
人形の遣い手は全員黒装束
なのになのに丁寧で美しい人形遣いが居て
その名を探すと桐竹勘十郎
そして晴れ晴れとおおらかな遣い手
吉田蓑二郎

丁寧というのは技術に勝るとつくづく思う
コレは全てに云えて

丁寧に話す
丁寧に聴く
丁寧に考える
丁寧に洗う
丁寧にしまう
丁寧にたたむ
丁寧に置く
丁寧に生きる
などなどーーーーーーーーー

お茶のお稽古を始め、お稽古というのは
この丁寧さを身に付けることなのだと知る

丁寧は美しさの根源!
コメント
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