チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

湯文字をつける 1

2016年01月22日 19時40分14秒 | 日記
湯文字に出会ったのはいつだったか
腰巻きという言葉もあり母たちはその布を一番下につけていた
後にそれが「湯文字」というものであり日本最古の下着とわかった

一番初めの湯文字は母の手縫い
腰に巻く部分は古着の錦紗という生地で力布が晒し
学校卒業をするときつまり共立女子大は
「黒紋付に袴もしくは黒スーツ」
という知らせがあって母は手を叩いて喜び早速黒五つ紋付きを作り
白い長襦袢など一式作ってくれた

その少し前まで「着物なんて絶対着ない」とひねくれ娘だったので
学校の通達はハハにとってほんとうに嬉しかったのだろう
袴もどこからか調達してきた
謝恩会用に小振袖も誂えてその長襦袢は鹿の子絞りが可愛かった

着付けは自分でした
母や姉たちが着物を着る時なんとなく見ていたのだろう
同級生たちの殆ども自分で着たと思う
湯文字の下には何もつけないようにと言われていたがそれができず
後でトイレにいくたびに苦労した
そのためますます「着物は不便」と思ってしまったのだ

黒スーツを着た学生は同級生の中でたった一人だと記憶している
あの写真を探すが見当たらない
学び舎を後ろにして全員の黒紋付袴姿は思い出しても壮観

共立女子大はかなり近年まで黒紋付袴姿の卒業生が多かった

秋櫻舎は母校の後輩を採用していたので卒業式に彼女たちが黒紋付袴姿で
挨拶に来るととても嬉しかった

コメント
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