チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

蹴出し 1

2016年01月28日 15時50分55秒 | 日記
元もと芸者さんや舞妓さんから始まった下着なのだけど
裾よけともいう
明治時代の裾よけを見ると
上に着る着物が地味だものだから裾よけはうんと派手にしている

裾よけというより蹴出しといったほうが華やかだ

赤、藍、藤色、萠黄、流石に黄色は少ない
赤は色街の女性のものと決まっていたが
普通の女性も密かに赤を楽しんだ風景が
日本画や浮世絵に見ることができる

腰に巻くところは絹の布だが
お腹周りは晒し木綿これはし素人も色街も同じ
そしてひと幅なので湯文字の上に巻くことで腰の位置が決まり骨盤がさらに安定する

赤色を素人が使用するようになったのは「錢湯」が大いに役立っている
戦前までは各町内に銭湯は三軒くらいはあって
そこは女達の衣装比べにもなっている

衣装というより下着だ
どういう下着を身に着けているか興味津々
特に色街に近い銭湯は女達が玄人女からいろいろ教わっている

垢抜けた浴衣の着こなし
おしゃれな下着
作法や歩き方みんなちらりと見ながら目で学ぶ

蹴出しのチラリズムが着物を着ている人のお色気の表現でもあった
コメント (1)
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