チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐもの 252

2019年10月24日 13時26分16秒 | 日記
恥ずかしさこらえ
今朝は着るものに迷った
三人に合う 皆仕事の違う相手、年齢も様々はて何を着るか

まず鼠紅の角通しの江戸小紋に黒地にもみじ柄の帯を合わせてみた
髪の毛がだいぶ白くなっているので、なにか若作りみたいで却下

お会いする相手の最後は20,30代の方々
あまりおばさんっぽくもしたくないし、若い格好も不似合いな気がする

それで最終決定が黒地の大小霰の江戸小紋に銀鼠色の地に紅葉した蔦の葉を手描きした名古屋帯、赤い帯揚げ、どんぐりの彫金帯留め紐は朱色
ふーーこんなに迷ったのは久しぶり、脱ぎ捨てている着物や帯を疊み出かける

この大小霰の江戸小紋は凝っていて八卦が千筋、袖裏には紅絹をつけている
歩くたびに千筋の裏が翻り一人悦に入っていたら後ろから
「もしもし」
と声がかかる
「はい」
「裾からなにか布がひらひら見えてますけどーーー」
ときまり悪そうに小さな声をかけてくださる初老の婦人

「エッありがとうございます」
と見ると長襦袢の裾の返しがほつれているらしく布がベロンと裾からはみ出している
着替える時間もない
何を着るかに手間取っていたのでお会いする時間ギリギリ、しかも今日は初対面の方たち
「いいわ堂々としていよう」
と決心しそのまま何事もなかったように目的地に急ぐ
(ソーイングセットを持っていない用意の悪さよ)

とにかく人の後ろを歩くようにすると言っても都会。人は後ろからやって来る
堂々としているしかない

第一部の方々にはなんとか知られなくてすんだ。ショウウインドウにうつる姿を見ると裾からヒレが出ている感じ
人目につかないように早足で歩行をする(いい運動)

なんとか会社にたどり着き手早く裾を直す。やれやれ


コメント
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