チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐもの 239

2019年10月03日 20時30分45秒 | 日記
岡屋蚕糸博物館から只今帰宅
充実した時間を過ごした「草木染・山崎斌・青樹・和樹三代の軌道」 1月19日まで
会場一面に美しい草木染めの糸と反物・染材、そして三人の作品、いえ更に4代目の作品もあった

三人の写真が壁に飾られ感無量、何回も書いたりお話したりしているが、チャコちゃん先生はこの山崎斌さんに出会わなかったら着物の道には入っていなかったと思う
今になってみるとそれは偶然ではなく必然の出会いだったのだ。

あの時結婚を控え最後の仕事をして家庭生活を全うしようと思い、記者生活最後の仕事にふさわしいテーマを求めてふらついていたのだ。
そういう考えでいたところに出会った山崎斌さん。思い出を類っていたら青樹さんがなくなった時追悼講演を頼まれた講演録が出てきたということで懐かしく読んだ。

うまいのってないの、そのときは斌・青樹の話が中心でいやー内容がいい、我ながらほれぼれと読んでしまった。今より遥かにいい。
たまたまその時の講演を聞いていた義妹も今日は一緒だったので
「読んでみて今と何処が違うのかな」
「このときは愛に満ちていた、尊敬と信頼の感じが言葉の一つ一つにしっかり現れていて、聞いている人たちはみんな感動していたし涙流して、笑ったりしていたわ」

「今の私はどうかな」
「だいたいこういう大きい講演ないでしょう?」
「そうかーー」
「比佐子さんは大勢の前でお話するほうが本領が発揮できるね、リズム感があってわかりやすくて楽しい、何より華やかで明るい」
身びいきもあるだろうが元気をもらえる

その講演録を読んでいて一つの仕事に携わるご家族三代といえ四代とお付き合いできる幸せを噛み締めていた
「草木染」はこの家族から始まっている。斌さんは化学染料万能になっていた昭和の初期に万葉の時代から大事に続けられていた木や草、花からもらえる染料を「草木染」と命名して古代の染め方の実験をした、ご長男の青樹さんはそれをさらに近代の植物染料を研究しその研究過程を本にして、多くの染織家の道標となった。和樹さんは更に科学的に染料を分析し、実験を重ねわかりやすい教科書をいくつも出版している

とにかく足を運んでご覧いただきたい
色を愛した家族の軌道。日本の色のすべてがこの展示会で理解できる。ワークショップもある、詳しくは0266233489岡谷蚕糸博物館
コメント
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