今日はある団体の新年会
お昼をいただきながら一年に一回のご挨拶をする
絹関係だけど毎年人が変わってくる
というのは絹は糸ではなく、工業になりつつあるからだと思う
農学博士から工学博士が多くなった気がする、そして根っからの職人も少なくなった
多分事業の廃業やお年を召したのかもしれない
お会いしたい人が欠席だった、このかたは江戸時代からの蚕に詳しくいつも教えを受けている。ああ残念聞きたいこと山とあったのにーー
なじみのお顔もいらっしゃって、農学博士が多いので質問をあれこれできてこの日はちゃこちゃん先生にとっては有意義
それに何といっても食事がおいしい(新しい年になっても食い物に優先の癖は治っていない)
絹の未来がこの日にわかる、絹はもう滅びの道をまっしぐら
しかし研究者は黙々と糸の研究に取り組んでいる
今日は伊勢神宮の次の遷宮のための糸づくりがもう始まっているという話を聞いて、その糸の写真も見せていただき感動する
うれしいことに皇居の紅葉山の養蚕業もしずしずと進められているという
「小石丸」なのだろう
青熟も曙、長久もその他在来種はまだまだあるのだが、小石丸という品種に偏っている
「どうして?」
「ナカタニサンたちマスコミの方がもてはやしたからではないですか?」
と逆襲される始末。藪蛇だった
そのマスコミ関係も今や着物のページが極端に減っているので二人しかいなかった
しかもその二人とも会社を離れて久しい
記事にするような話が聞けないと思っているのだろうか、そうではないもう絹に興味が薄れているのだ
撚糸業の方とも話をする
糸を強くするには撚糸が必要なのだがそれだけでは最近は食べていけないので、ポリエステルの撚糸も始めたそうだ
背に腹は代えられない
総じて言えるのは「着る立場に立って絹を考える人がすくなくなっている」のが現状だろう
蚕が吐いた糸や繭は着るためではなく化粧品や健康食品としての道に活路を見出していくということか
絹に対するマイナス要因が多いということはもうこれからの世界に絹は必要ない?ととれる
そうではあるまい
絹こそが人類を救う。絹にこれからもきっちりかかわっていこうと決意を新たにした新年会でもあった