都会の雨は上から下から両方から降ってくる
きものには酷な雨だとつくづく思う
アスフアルトに落ちた雨足が10センチくらいは上に向かう
だから天狗の高下駄のような高い下駄を履いていないと裾が濡れるのだ
そういう高い下駄を現代人は履きこなせない
「雨の日には着物は着ません!」
此れ正解
だから雨の日は濡れてもいいように石油繊維の着物にする、はじくガード加工をするという考えになっていくのも無理からぬこと
だけど雨の日に着物を美しく着ることが出来るとしたら?
先ず着物の裾をおもいきりからげる。その場合は上前の裾を帯締めに挟む
それでも心配の人は下前の裾もからげて細い腰紐で縛り安定させる
当然足袋は替え足袋を用意
足元は雨下駄または雨草履
雨ゴートはしっかりガードされたものを選ぶ、中にはゴムのコートを着ている人も見かけたことが在る、これは万全であろう
傘は蛇の目に限る
蛇の目に落ちる雨は傘の外側に雨脚が落ちるので足元が濡れない
しかし都会の場合はビル風が吹くとひとたまりもなく傘はお猪口になる
最近は蛇の目型の洋がさも生産されているので、そちらの方が安心かも
話は飛ぶが
神社などで新郎新婦の写真を撮るとき、どういうわけか蛇の目が小道具になっている。そういえば着物美人の写真にも多く使われているなあ
傘の中は美人に見えるという諺もあるからね
さて、ここまで用意して雨の日着物を着る?
これ一つ見ても着物が現代社会にそぐあないようになってきている、と正直認めざるを得ない
雨の日どうしても着物でお出かけの場合は、車移動が最も安全、その時も濡れたドアや敷居を避けるには、裾をからげておく必要がある
難儀なこっちゃあ
其れでもチャ子ちゃん先生は雨でも着物を着て歩く