チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐもの 475

2022年02月24日 07時13分53秒 | 日記
本日はこれから八王子の「新制作座」に行く
新制作座は真山美保(故人)が率いる演劇集団で
戦後昭和22年に設立されている
たまたまチャ子ちゃん先生の高校時代の友人が、昭和30年にこの劇団に入り、鍛えられていたが、当時は左翼的な傾向があり、プチブルのチャ子ちゃん先生としては、彼の芝居を見に行くということはなかった

そして平成の終わり
「新制作座にたくさんの着物や帯があって、それをどうしたらいいかといろんな方に見てもらっているのですが、見た方がただの古着という見方でけんもほろろ、値段を示した人もいるのだけど、あまりの値段の低さに傷ついている、一度チャ子ちゃん先生見ていただけませんか?」

全く着物に縁のない方からのご相談を受けた。久しぶりに聞く新制作座にも興味を持ち、早速くだんの友人に電話をした(彼はその後大分放送で活躍)
「僕がいたころは劇団は貧乏でね、オルグのような感じの芝居ばかりやらされていて、それがいやでやめたんだけどーーその後は泥かぶらという演目で飛躍したみたいだよ、美保先生は美しくて才能のある方だった」

大した前知識ではないが劇団のにおいを知って出かけた
ところがところが
広大な土地の中に、劇場も食堂も練習場も、運動場も、更には楽団員のためのマンションまでもが立ち並んだ広大な施設を持っている劇団だった

その上さらに驚いたのは30棹に及ぶ桐のタンスがある衣裳部屋(舞台用ではない)
見回すと帯締めタンス、下着タンス、帯揚げタンス、履き物タンスとある
此れだけでももう尋常ではない

まずは若い劇団員がパーテイ―で着ていた振り袖から見ていただきますと
袷、単衣、夏物それに袋帯
出てくる着物の職人魂が私を襲う。のりおき、手描きのうまさ、刺繍の腕の良さ、素材の布のどっしり感、仕立ての丁寧さ、昭和40年50年前半の着物の手仕事はこうまで丁寧で愛あふれる作り方だったのかと感動しながら手に取っていく

その日は振り袖と袋帯の見学で終わってしまった
なんといっても300枚は見た
次の話は明日
行ってきます
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