チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物を繋ぐもの 100

2019年02月23日 18時31分54秒 | 日記
着物の寸法は一分二分が勝負を決める
着物を着始めたときは「標準寸法」というものに頼っていた
標準寸法はその頃(昭和40年代だが)身長155センチ 体重48キロが中心の標準だった
大雑把だ
そこから割り出していく
その頃の仕立ての方はこの割り出しが上手でチャコちゃん先生の場合身長156センチ体重48キロ
やや標準に近いので喜ばれていた

しかし毎日着物を着るようになってだんだん生意気になり
姑に袖付を標準より五分多くとか袖口を一寸縮めてよとかちょこちょこ細かい寸法直しを頼む
とにかく着物を着て電車に乗り、つり革を持つと袖口が標準寸法だと袖がズルズル降りて肘まで見えてしまう
また袖付を深くするとドアの取手に引っ借りにくくなる
その頃はよく引っ掛けて身八つをほころばせていた

自分の着方や行動を注意するのではなく寸法でいろんな不都合を治そうという根性
それを黙って受け入れ形にしてくれる姑
そんなある日
「裾を狭くし抱幅の寸法を両脇5分都合一寸詰めてください」
「比佐子さん着物は洋服みたいに布を裁ち落とすことはしないので抱幅の寸法を変えるときは襟肩あきにも影響が出るので、どういう感じで着たいのかよく教えて頂戴、それによってご希望に合わせるように努力するから」
「はあーそんなにややこしいんですか?」

ということで柄の見積もり、裁断、寸法の動かし方一つ一つを教わり私がお願いしている半分は無謀なことなのだと理解出来た
仕立ての寸法かかなわないところは着方で変えていき理想通りに着る術を身につけねばならない

誰の着物でも簡単に着られるとよく言われる
それはたしかにそうだが自分の思い通りの着姿にするには寸法がとても大切だということもある

「比佐子さん着物の寸法を変えたら長襦袢の寸法もそれに合わせないときちんとした着方は出来ないのよ」
「そうですねえ、では長襦袢も寸法を変えてください」
ちょこちょこ寸歩を変えるのでついにこの着物にこの長襦袢という組み合わせになり長襦袢とkきものの数が同じになっていたころもある

現在はもう寸法は確定したか?
いえそうではない、年令とともに内蔵が落ち、腕に肉もつき、バストは下がり、胸筋の肉も落ちる
そうするとまた少しずつ寸法を変えていく

イタチごっこみたいなので考えた
一番着やすい寸法をキープするには自分の骨を鍛えれば良いことに気がついたのだ
そして骨を意識した着物の着方立ち居振る舞いをしていると少々寸法があってなくても着心地はいい
やっと気がついたの、という姑の声が聞こえるようだ

最近は帯の寸法に気を使っている
つまり帯位置が年とともに変わるから
着物は奥が深い

#着物 #着物の寸法 #骨 #中谷比佐子 #長襦袢 標準寸法 #骨格着付け
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