コートの襟の形がいろいろあって面白い
道行襟、被布襟、道中着襟、立て襟、羽織り襟、へちま襟、水干襟
この羽織り襟が面白いと超ブランドの企業が、自社の夏のコートをこの襟で作った
しかも素材も紗、飛びつきましたね、今でも愛用をしている
カーデイガンも元は日本の襟合わせから来ているのではないかと思う
確かに洋服では襟の形はかなり固定される、そこへ来るとわが着物の襟は上にあげた以上に様々な形がある
これは重ね着をすることから生まれたデザインだ
さて
統計的な考察だが
コートを作るとき道行襟を選ぶのは伝統を重んじる良家のご婦人に多い。決して道中着襟は選ばない。お被布の襟はクラシック好みの人に多い、良家の方々は変形の襟を嫌う。最も車移動なのだからコートはあまり着る機会はない
道行襟は元もと蘭学者や医者、学者という知識人が着ていたし、そういう意味では「知的、品の良さ」という遺伝子を持っているのだろう
お被布は将軍の未亡人や大名の奥方、尼僧また小さなおこちゃまが着たので、なにか抹香臭い遺伝子があるやもしれない
この二つの襟がコートの襟としての王道であったが今はもういろいろ。襟元の寒さを防ぐためには立て襟や、マフラー形式が好まれるのは当たり前の世の中であろう
羽織に肩掛け(ショール)というスタイルに郷愁を感じる。着物にかかわり始めたときこういうスタイルのご婦人が街を闊歩していた。そのうちの一人が明かしてくれた
「羽織と肩掛けはおなかを隠してくれるので、子供が生まれたときみんな驚くの、えっ!妊娠してらしたの?ふふふ」
ついでに言えばチャ子ちゃん先生が学生の時総武線の中で着物を着たお母さんが赤ちゃんに授乳をしていた。はじめは気が付かなかったけど、羽織の中に子供を入れて、着物の身八つ口からおっぱいを出していた!仰天して食い入るように見つめてしまった。
若いお母さんと目が合ったとき、にっこり笑った母親に思わずお辞儀をしていたわたくし。神々しかったなあの姿
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