三月の初めの陽ざしには薄紅色の着物が合うと勝手に思っている
いくら何でもこの歳でー-という躊躇があるのだけど、手を通してみると「まいいか」
前に「大人pink」という言葉を作ったことが在る
それはグレイかかったpinkで日本語だと「灰桜」という
この色で江戸小紋を染めておくと帯を替えながら50年は着られる。すごい色だ
他にも紫がかった「真朱」(まそお)という色も「おとなぴんく」「鴇羽色」もいい
こういう色は奈良時代からあって、茜や蘇芳という植物染料で染められている
紅花のpinkは若い人向きのような気がする。下着にはいいけど着物になるとちょっと怖気つく
植物の出す色はその季節や風土によっても、また染める人の心根も影響するので、全く同じ色は染められないだろう。でも色に奥行きがあるので年齢を問わない包容力があるのも確か
そこへいくと化学染料は一定していて色が安定する。最近は本来の日本の色よりビビットな色を好む人が増えたいるので、化学染料で染めた色が着物の世界でも多くなった
化学染料での大人pinkも染色家の感性で作られれていく
先日東京手描き友禅作家たちの「染芸展」に行ったが、いつも思うのだが東と西の染色は全く違う。どちらがいいというのではなく、その違いが風土なのだろうか?
今日も東京は春の陽気、どこかにpinkを身に付けたい
灰桜の江戸小紋は一度姪の娘に「もう着ないから」と渡したにもかかわらず、取り返してきている(笑)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます