成瀬優さんの生涯をかけた個展が終わった
新装なった都立産業貿易センタは人のぬくっもりが感じられないけど、今の世はこういう感じだと思う
きものを楽しむ新しい展示という工夫がされていて、来場した人たちがゆったりとっ作品を見、そして寛げる
成瀬さんの人柄もあるが、「自我」が表に出ていないので、作品が一人で自己主張をしていて、作者はするりとその陰にいる。こういう表現分かりにくいかもしれないけど、平ったくいえば来場者が着物を見て楽しんでいて、その作者がたまたま僕です。という感じの位置に成瀬さんがいる
畳の場所では着物を購入したい人が鏡の前で色選びをしているが、ただ反物をの色が顔にどう映るかをみるだけで、鏡もひっそりとしている
チャ子ちゃん先生の講義がトップで、そのあと赤坂の芸者さんたちが成瀬ブルーの引き着を着て踊ってくださる
そして献茶、音楽と盛りだくさんに楽しめるようになっている
この引き着の美しさ感動的。着物の持つ魔力を感じた
着物は自分自身が大喜びしたいんだと思う。考えたら明治以降着物はいろんな決まりに縛り付けられいる。それはあたかも官僚が国の実権を握り、いろんな戒律を作ったときから、すべてのことに変な決まりごとが生まれ、其れに人々が縛り付けられてきたのと同じだ
今回の成瀬さんの個展はそのようなしばりを取っ払って生きることを提言しているようにさえ思う
その証拠に訪れる人のなんと表情の柔らかいこと、正しく「和をもって尊し」
そしてみんなが今ここで生きていることに喜びを持っていた
こんなに人を楽しませてくれる個展はめずらしい。今後はこの形になっていくのだろう、それが着物の生きる道にもつながる。「技」を競うのではなく、技はあってあたりまえ、そのうえで着物自身が喜ぶ場所を見つける
ここまで人を楽しませるだけ楽しませたので気になる
「赤字にならない?」
「いえ全然大丈夫ですよ」
とニコニコ顔の成瀬さん
凄い!
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