検定、専門誌など好調
輸入食品による中毒事件や産地偽装問題を受けて食の安全に対する関心が高まる中、家庭菜園などで野菜を栽培するための検定試験や講座が人気だ。JPグル-プの出版・文化団体「家の光協会」(東京)は、「目指せ!野菜作りの達人」と銘打ち、野菜作りの知識や栽培技術を問う「家庭菜園検定」を今年から開始。3月に東京と大阪で実施した第1回試験では、延べ約3千人の受験者を集めた。検定を企画・担当した木下春雄図書販売部長は「約150㌻の公式テキストを読み込むなど、受験者は非常に熱心。定年後の余暇を活用する団塊以上の世代が中心だが、若者の受験も多かった」と話す。同協会が発行する家庭菜園のための専門誌「やさしい畑」も、読者ニ-ズの高まりに応え、季刊から隔月刊に切り替えた。「趣味や楽しみだけでなく、安心・安全なものを食べたいという要求が人気の背景にある」と木下部長はみる。10年ほど前から「野菜づくり講座」を開いている日本園芸協会(同)は「昨年1月に中国製冷凍ギョ-ザ事件が発生して以来、月間の新規受講者がそれまでの数倍になった。食の安心に対する消費者の関心の表れだろう」と分析している。