紅葉美しく漢方薬にも
前日の暖気とその夜の放射冷却が組み合わさると、翌日の早朝、冬の木々たちに氷の花が咲きます。地上に落ちずに前年の秋から枝先にぶらさがったままのニシキギの赤い実にも氷の花が咲いて、朝の日の光に照らされて輝いていました。カメラのファインダ-をのぞきながら、輝きを放つこの赤い実が私たちに「地球の元気」をつたえようとしているのむかもしれないと思いました「太古の昔から、地球の元気=地球のエネルギ-そのものなんだよ」と。秋の紅葉の美しさと縁起の良い漢字名から庭木としてもよく植えられているニシキギ(錦木)は、漢方にも用いられる薬木の一つです。薬用部分は翼状物のついた枝て衛矛といい、血のめぐりを良くする活血、月経を通じさせる通経の効果があり、無月経や産後の腹痛に用いられるほか、その前液には血糖降下作用が報告されています。さらに民間薬では、昔から、黒焼きにした翼状部を飯粒で練って紙にのびして患部に張り、トゲ抜きの妙薬として使われていました。(堀田清・北海道医療大准教授=写真も)