ブログに記事を書くのも久しぶりだが、今月は久しぶりに映画館に出掛けた。それも、2回も。
先に観た『桐島、部活やめるってよ』には強いインパクトを受けた。Twitterでの反応がじわじわと観客を呼び寄せているようで、なんとなく嬉しい。こちらはもう一度観たいと思っていて、感想はそれからにさせてもらおう…なんて言っているうちに上映が終了してしまうんだよな。。
この前の日曜夜に観たのは、高倉健さん主演の『あなたへ』という作品だった。その前に映画館で、この作品のチラシ…というか、高倉健さんのエッセイが載った紙をもらったのだが、そこに書かれた健さんの言葉が心に響き、観たいという気持ちが高まった。
その内容は、東日本大震災の被災地で黙々と水を運ぶ少年の写真に感銘を受け、その写真を台本に貼って撮影に臨んだというものだった。満タンの大きなペットボトルを両手に持ち、歯を食いしばり歩く姿を改めて見て、じわりじわりと健さんの気持ちがわかってきたように思う。
さて、映画の方は亡き妻が生まれ故郷の郵便局留めで送った手紙を受け取りに、そして、その海に散骨してほしいという妻の願いを叶えるために、妻の遺骨と共に富山から長崎・平戸まで車で向かう高倉健さん演じる英二が、道中でさまざまな人と出会い、亡き妻の思いに近付いていくという話だった。
健さんは撮影時に80歳だったそうで、足取りや声の張り具合に老いを感じ少し寂しい気もしたが、それでも高倉健らしさを失わない姿に終始見とれていた。老いはあっても「老人」ではない…という感じといったらいいかな。
脇を固める役者さんも豪華だったが、特に印象的だったのが、亡き妻・洋子を演じられた田中裕子さんだ。
最近ではドラマ『Mother』の「うっかりさん」の優しさが記憶に新しいが、少し憂いを湛えた、けど可愛いらしい姿は、周囲から一生独身だろうと思われていた英二が惚れてしまうほど魅力的だという設定に納得がいく。そして、劇中で彼女が歌う『星めぐりの歌』がまた優しく、心に柔らかな毛布を掛けられるような暖かさを感じた。
この映画を「健さんを観るための作品」と評する人もいて、確かにそうだなと思いつつ、ほんのひと時でも人と人とが心を触れ合うことが、人をまた歩き出させるのだということを考えている。この作品に込められた全ての思いをまだ受け止めきれていないが、今はこんな気持ちでいる。大切な人と共に観たらまた違うんだろうな。
さて、改めて高倉健さんの出演作リストを見て、任侠物をはじめそのほとんどを未だ観ていないことを確認した。今までに観た作品もテレビでなので申し訳ない気もするけど、今までに観たのは以下の作品だ。
『新幹線大爆破』
はじめて観たのは子どもの頃だったからか、新幹線の方に興味があったけど、数年前に改めて観て、犯人の描き方とかに強く関心を持った。
『幸福の黄色いハンカチ』
言わずと知れた名作…と言っても、若い人は知らないかも。まあ、それは他の作品も一緒だね。何度観ても涙を堪えられない。そう、今回の映画と同じロードムービーで、刑務所を出所して妻のところに向かうというお話だが、『あなたへ』はこの作品と対になるのかな。。
『野生の証明』
薬師丸ひろ子さんの「おとうさーん」というセリフが印象的だけど、健さん演じる味沢が薬師丸さん演じる頼子を最後まで守ろうとする姿に男の理想を見ていた。それは今も変わらず、僕はこの作品の健さんが一番好きだ。そう、健さんと薬師丸さんが親子役で、木皿泉さんが脚本っていう作品が出来たらいいな。
考えてみたら、亡くなった父と健さんは三つ違いだ。似ているという訳ではないけど、その姿に無意識に父を見ていたのかな…なんて、ついつい長くなってしまった。そして、僕もその頃の健さんの歳に近付いているが、健さんとは程遠い…
そういえば、NHKの『プロフェッショナル仕事の流儀』で健さんを特集するそうなので、忘れずに見よう。
先に観た『桐島、部活やめるってよ』には強いインパクトを受けた。Twitterでの反応がじわじわと観客を呼び寄せているようで、なんとなく嬉しい。こちらはもう一度観たいと思っていて、感想はそれからにさせてもらおう…なんて言っているうちに上映が終了してしまうんだよな。。
この前の日曜夜に観たのは、高倉健さん主演の『あなたへ』という作品だった。その前に映画館で、この作品のチラシ…というか、高倉健さんのエッセイが載った紙をもらったのだが、そこに書かれた健さんの言葉が心に響き、観たいという気持ちが高まった。
その内容は、東日本大震災の被災地で黙々と水を運ぶ少年の写真に感銘を受け、その写真を台本に貼って撮影に臨んだというものだった。満タンの大きなペットボトルを両手に持ち、歯を食いしばり歩く姿を改めて見て、じわりじわりと健さんの気持ちがわかってきたように思う。
さて、映画の方は亡き妻が生まれ故郷の郵便局留めで送った手紙を受け取りに、そして、その海に散骨してほしいという妻の願いを叶えるために、妻の遺骨と共に富山から長崎・平戸まで車で向かう高倉健さん演じる英二が、道中でさまざまな人と出会い、亡き妻の思いに近付いていくという話だった。
健さんは撮影時に80歳だったそうで、足取りや声の張り具合に老いを感じ少し寂しい気もしたが、それでも高倉健らしさを失わない姿に終始見とれていた。老いはあっても「老人」ではない…という感じといったらいいかな。
脇を固める役者さんも豪華だったが、特に印象的だったのが、亡き妻・洋子を演じられた田中裕子さんだ。
最近ではドラマ『Mother』の「うっかりさん」の優しさが記憶に新しいが、少し憂いを湛えた、けど可愛いらしい姿は、周囲から一生独身だろうと思われていた英二が惚れてしまうほど魅力的だという設定に納得がいく。そして、劇中で彼女が歌う『星めぐりの歌』がまた優しく、心に柔らかな毛布を掛けられるような暖かさを感じた。
この映画を「健さんを観るための作品」と評する人もいて、確かにそうだなと思いつつ、ほんのひと時でも人と人とが心を触れ合うことが、人をまた歩き出させるのだということを考えている。この作品に込められた全ての思いをまだ受け止めきれていないが、今はこんな気持ちでいる。大切な人と共に観たらまた違うんだろうな。
さて、改めて高倉健さんの出演作リストを見て、任侠物をはじめそのほとんどを未だ観ていないことを確認した。今までに観た作品もテレビでなので申し訳ない気もするけど、今までに観たのは以下の作品だ。
『新幹線大爆破』
はじめて観たのは子どもの頃だったからか、新幹線の方に興味があったけど、数年前に改めて観て、犯人の描き方とかに強く関心を持った。
『幸福の黄色いハンカチ』
言わずと知れた名作…と言っても、若い人は知らないかも。まあ、それは他の作品も一緒だね。何度観ても涙を堪えられない。そう、今回の映画と同じロードムービーで、刑務所を出所して妻のところに向かうというお話だが、『あなたへ』はこの作品と対になるのかな。。
『野生の証明』
薬師丸ひろ子さんの「おとうさーん」というセリフが印象的だけど、健さん演じる味沢が薬師丸さん演じる頼子を最後まで守ろうとする姿に男の理想を見ていた。それは今も変わらず、僕はこの作品の健さんが一番好きだ。そう、健さんと薬師丸さんが親子役で、木皿泉さんが脚本っていう作品が出来たらいいな。
考えてみたら、亡くなった父と健さんは三つ違いだ。似ているという訳ではないけど、その姿に無意識に父を見ていたのかな…なんて、ついつい長くなってしまった。そして、僕もその頃の健さんの歳に近付いているが、健さんとは程遠い…
そういえば、NHKの『プロフェッショナル仕事の流儀』で健さんを特集するそうなので、忘れずに見よう。