期待

朝から怪しい雲行きだったから、迷わず長い傘を持って家を出た。すでにひと降りあったようで、地面は濡れていたものの、今のところ傘を差さずに来ている。

昨晩、帰宅してテレビでも見ようかとチャンネルを変えてみたが、こころに引っかかるものが見つからず、録画してあった番組を見た。

昨日から始まった朝ドラ『ウェルかめ』で、ヒロインの母親を演じる羽田美智子さんがインタビューに答えていたが、始めてみた頃と変わらないというか、素敵になったような気がする。それなりに恋も経験しているとは思うが、もったいないと言ったら失礼だろうか…と、自分のことを棚に上げた物言いに我ながら呆れる。

さて、前作『つばさ』が朝ドラ史上最低視聴率を更新したというのは何となく理解できるが、それを受けての新作は果たしてどうだろう。まあ、『ちりとてちん』のように視聴率がまったく当てにならない傑作もあるのだから、とにかくいい作品を期待している。

弱点

落ち葉が目立つようになってきた。空気もひんやりしている。だが、昨日、今日と少し汗ばむ。秋雨前線の影響で、湿った空気に包まれているからだろう。

昨日は遅くまでＴシャツ一枚で過ごしていたせいか、また体調を崩してしまったようだ。早く治さないと、後々響いてしまう。だが、気温よりも湿度に弱い僕には、季節の変わり目は弱点だから、根本的に変わらなければならない。

スペクタクル

映画館では、余程のことがなければ途中で席を外すことなどないが、テレビで映画を観ていると集中力を欠くことが多い。だから、映画館に行くという理由にもなるが…
それでも、一度観始めたら最後まで、それこそトイレにも行かずに観てしまう作品もある。僕にとっては、一連のヒッチコック作品(全てお気に入りという訳ではないが)や、『砂の器』などが当てはまるだろうか。「次はどうなるの？」という期待が高まるのが理由だが、そうした展開の作品だからといって、全てに共通しないのは、僕の興味の問題だろう。

今読んでいる本に繋がるからと、昨夜、録画してあった金大中氏のドキュメンタリーを観ようとテレビをつけたら、上下に余白…と言っても黒い…のある映像が映し出された。どこかで観たことのある…

『ベン・ハー』をしっかり観たのは、忘れもしない21年前、広島へ向かう途中に宿としようと寄った大阪の映画館だった。宿代を浮かせようとオールナイトの映画館を探し、見つけたのがそこだった。
眠ろうと思っていたのに、結局最後まで見続け、眠いまま始発の西明石行きに乗ったのを覚えている。
さて、今日はビデオをと思いつつ、やはり結局最後まで見続けてしまった。

当時と今とで、映画を観ての感想は変わらず、あれからキリシタンになることもなく、ただただ、壮大なスペクタクルドラマとして楽しんだ。

オールナイトではなかったが、おかげで今朝もかなり眠い。

ねじ

木陰のベンチに座り、風に吹かれながら食事をしていると、時間の流れから離れたような気がしたが、何やら蚊に襲われたようで、痒みを感じたら現実に引き戻されてしまった。

体内時計は少し狂ってしまったかもしれないが、それは今に始まったことでもなく、だから、もしかしたら狂いが小さくなったということもあり得る。

まあ、週末はゆっくりネジを回しておこう。

ソフトランディング

あと少しで本を読み終えるところで乗換駅に着いた。
「家に帰ったら読めばいい」と思うが、そんな時は大抵翌日も鞄に入っている。

次の電車に乗ろうとホームに向かっていると、目の前に現れたソフトクリームのサインが、まるで僕を待っているかのように思え、ついつい入ってしまった。

ミックスソフトを味わいながら本を読み終えると、フッと肩の力が抜けた気がした。今日は予想以上に暑かったので、少し疲れが溜まっていたようだ。

帰り際、同様にソフトクリームを持つ人が何人かいたので、みんな同じなんだなあと、心の中で笑ってしまった。

これで穏やかに家に帰れるような気がする。

彼岸まで

最近、暑さ寒さのことしか書いていない気がする。だが、「暑さ寒さも…」というくらいだから、構わないだろう。

さて、今日は少し汗ばむ陽気だ。朝晩は過ごしやすくなっているので、余計にそう感じるのかもしれないが、こんな日は木陰が恋しい。

昨日までの混雑を想像しながら、がらんとした車内の窓際の席に陣取れば、車窓には秋の景色が広がる。少し眠りたいが、しばらく景色を楽しんでいよう。

きっかけ

穏やかな陽気になり、そろそろお弁当を作ろうと思った。この前の日曜日に、夕食の材料と共にお弁当のおかずになりそうなものを見繕い、作りおきをしておいた。

風を受けながら食べると、とても心地よい。そして、食べ終えると眠気に呑み込まれそうになるが、かろうじて踏みとどまる。

昨晩、打合せの後に仲間と一杯飲みながら話をした。１人は社会人一年生で、いろいろ悩みを抱えているようで、僕なりに思ったことを言ってみた。役に立つかはわからないが、きっかけにしてくれたらうれしい。

あるく

どんよりとした雲の合間から微かに日が射し込んできた。その光を頼りに歩き出すには心細いが、こんな日には灯りが必要な気がする。

いったいどこを目指して僕は歩いているのだろう。どこまで歩いてもそんな場所は現れないことを知っていても、立ち止まることへの不安から、ただただ歩き続けるしかない。

だから今日も、そのか弱い灯りを頼りに歩く。

秋は…

昨日の晴れ間はどこに行ったのかと心配になるくらいの曇り空が、重石のように背中にのしかかってくるような気がした。それでも歩みを止めることなく、今日もこうして過ごしている。

空の色や空気だけでなく、花々も秋の彩りを見せている。だが、そんな連休も普段と同じように過ぎていく。

言い訳だが、秋は深まってから楽しもう。ただし、紅葉の見頃は押さえておかないと…

空の日に

昨日よりは良くなったが、今日は頭痛が取れず、昼過ぎまで寝ていた。

やっと起きて、２週間分のワイシャツにアイロンをかけたりしたら、もう夕方になっていた。すっきりと晴れた空を見ながら、「もったいなかった」と思ってはみたが、体調が悪かったので仕方がない。

近所のスーパーから帰ってきて、『笑点』を見ていたら、大喜利のコーナーで、「今日は空の日」と言うのを聞き、改めて空を見に行った。夕暮れが早くなったが、まだ少し明るかった。

夜が長くなるにつれ、街中の赤提灯が映えてくる。その誘いをすり抜けながら、いつか引っかかることを楽しみにしている。