あしたはきっといい日

楽しかったこと、気になったことをつれづれに書いていきます。

カムカムエヴリバディ

2022-04-10 20:20:43 | ドラマにハマる

ときどき「楽しんでいるドラマの途中で命を落としたら…」と考えることがある。「あと少し待ってくれ」と神様か閻魔様(後者は聞き入れてもらえないかな…)に相談の余地があるのか、実はあちらの世界にも配信されているのかなどと思いながら。

連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』が最終回を迎えた。

『ちりとてちん』の藤本有紀さんが再び朝ドラの脚本を担当されるという報せに喜び、呟いたことを思い出す。

『ちりとてちん』や『平清盛』、『ちかえもん』などで藤本さんが描かれた世界を堪能し虜になった人たち、そこには僕も含まれるけど、1年以上先の放送開始が待ち遠しく、そして楽しみになった。

いつか二度目の連続テレビ小説を書かせていただく機会に恵まれたなら…」と書き出された藤本さんの言葉を読んだだけで涙が溢れてきた。確か、仕事帰りの電車の中だっただろうか。どんな思いで作品を書かれているかを知る機会はそんなにある訳ではなく、こうした記事をアップしてくれるのも嬉しい。

ところで、藤本さんの作品に対しよく使われる「伏線回収」について、その言葉を使ったり展開を先読みしたりするのはどうなんだろうと、途中から思っていた。そういう僕も「回転焼大月」の店内に貼られた棗黍之丞シリーズ『妖術七変化 隠れ里の決闘』のポスターがいつ剝がされて…と思っていたんだけど。

きっと藤本有紀さんは、あらかじめ物語全体の構成を作り上げ、そこに登場人物やエピソードをはめ込んでいくような作り方をされるのかなと。『ちりとてちん』の「お母ちゃんみたいになりたくない」からの「お母ちゃんみたいになりたい」、そして『平清盛』の「平清盛なくして、武士の世は来なかった」を思い出すとそう思う。だから、安子に対するるいの「I hate you」が、いつか「I love you」に変わっていくのだろうと。それは多くの人がそう思っていたようだけど。ただ、そうした読みが当たるか当たらないかに関心が行くのには違和感を感じていた。藤本さんの作品の魅力は、そこに向けてどのようなエピソードを重ねていくかにあるのだと思っていたから。たくさんの涙と笑いとともに、それを存分に感じた。

この作品の魅力を語りだしたらきっと5カ月…はかからないだろうけど、それなりの時間は必要だ。ただ、できればこの約5カ月を共に(空間ではなく、時間を)した人と語り合えたらきっと楽しいだろう。

様々なエピソードが詰まった最終週から、僕が気になったものを書き留めたい。

るいと安子の再会で盛り上がった111話。ステージ上で『On the Sunny Side of the Street』を歌うるいが、ひなたに背負われてアニー…安子が会場に到着したときに声が出なくなるものの、再び歌い出し、そして安子のもとに駆け寄った。すぐに駆け寄らなかったのはなぜだろうと思い、その歌詞について調べてみた。それは、安子と別れて以降のるい自身の気持ち、そして、別れる前の貧しいながらも楽しい暮らしに重なる。るいはそれを安子に伝えたかったから、敢えて再び歌い出したのだろう。

そして、最終回の最後の最後、ラジオの英会話番組で共演するウィリアムが鍵を落としたその時、彼がいつかの初恋の相手だったことを思い出したひなた。そのキーホルダーに対するコメントをTwitterなどで目にしたけど、僕はその時、子ども時代のひなたがビリーに伝えられなかった「Why don't you come over to my place?」を淀みなく伝えられたことが心に刺さった。

70話でその言葉を伝えられなかったひなたが回転焼に八つ当たりして家を飛び出したあと、河原に座り込むひなたのもとにやってきたるいが「お母ちゃん、見参!」と現れ、ひなたの心を癒す。この感想を書きながらその回を視返して、また涙を溢れさせた。

そんな気持ちにさせてくれたのは、ひなたの成長に影響を与えた伴虚無蔵の存在がある。彼の「日々鍛錬し、いつ来るともわからぬ機会に備えよ」という言葉が彼女に英語の鍛錬を続けさせ、思いもよらない場所に連れて行くことになった。僕の好きな言葉「果報は練って待て」にも通じる(なかなか実践できていないけど…)。

どんな作品であっても完璧なものはないし、そもそも「完璧な作品」などないのだろう。いや、あったとしてもそれは取るに足らない作品なのかもしれない。この作品に対しても批判はあった。そういう視方、そしてそういう楽しみ方もあるのだろうとは思うけど、僕にはしっくりくるものだった。きっとそれは、今の僕の心の在り様にも関係するのかもしれないけど、それはまたおいおい。

さて、最終回を迎え多少「ロス」を憂いたものの、ロスどころかスピンオフを望む気持ちもない。描かれなかったエピソードは、描かれた場面から想像しながら、また近いうちに初回から視返してみよう。

「楽しんでいるドラマの途中で命を落としたら…」この作品では雪衣さんが楽しんでいた朝ドラの途中で天に召された。こればかりは避けられないし、それよりも、結末を知ることができないとしても作品を愉しんだことを携えて行くことは出来るだろう。そして、この作品から受け取った「後悔しない人生を」という言葉とともに生きていこう。

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オモコー! ・・・夏ドラマあれこれ

2015-09-26 21:32:35 | ドラマにハマる
ブログに書きたいことはいろいろあるものの、また、時間はそれなりにあるものの、ついつい書けずにいた。
そんな中、夏ドラマについてちょっと書いてみたくなった。

7月から始まった各局のドラマは、ほぼ先週から今週にかけて最終回を迎えた。

放送開始前、最も気になっていた作品は『ど根性ガエル』だった。ただ単にアニメをドラマ化するのではなく、ドラマから16年後を描くというところに興味をそそられた。そして、『銭ゲバ』、『泣くな、はらちゃん』を送り出した脚本の岡田惠和さんと日テレ・河野英裕プロデューサーとのタッグ、そして、松山ケンイチさん主演ということで、単なるギャグドラマとは異なり深みのある作品になるだろうと期待が高まった。

さて、実際に始まってみると、期待通りに深みを感じた。けれど、正直なところ、どこかしっくりこなかった。視聴率とドラマの質とは関係ないと思っているけど、この作品の視聴率が2話以降低迷したのは、何かを物語っているのではないかと思う。それが何なのかはわからないけど。

木皿泉さん脚本、河野プロデューサー、松山ケンイチさん主演のドラマ『セクシーボイスアンドロボ』の最終回で、飼っていたインコのルミちゃん(の幽霊)が、松山さん演じるロボには見えているのに、大後寿々花さん演じるニコには見えないというエピソードを思い出した。自分が変化し、もう彼らの生み出すドラマの魅力に気付けなくなったのかなと思い、寂しくなった。だから、この作品について感想を呟くことは少なかった。

そんな中、あるドラマの初回再放送を見かけた。始まってからもノーマークだったその作品の面白さに惹かれた。

「『表参道高校合唱部!』なんてドラマやってるんだ…」とか、「芳根京子ちゃんって、誰?」などと思いながら、次の回を視損ねてしまい、3話から録画して視ていた。そして、いつの間にか彼女の不揃いな前髪に惹かれていた。

僕のような入り方をした人もいたのかもしれないと思いつつ、Twitterで「#オモコー」などと盛り上がっている様子を見ながら嬉しさを感じた。

廃部寸前の合唱部を舞台に、歌が人を救い、人と人とを結び付けていく、そして、最後に離れ離れになってしまった両親の心を再び、強く繋ぎ止める…と、ベタな展開だなと思いつつも、視始めるとそんなことは頭の中ならすっかり蒸発し消えていて、真剣に歌に取り組む合唱部の歌声にウルっとしてしまっていた。そして、若者たちがもがきながらも少しずつ前に向かって進んでいく姿を、ちょっぴり羨ましく思いながら視ていた。

それほど多くの作品を視ていた訳ではないけど、思いがけず今クールいちばん心に響く作品に出会えて嬉しく思う。

さて、他の作品は、伊藤歩さんが目当てに視ていた『婚活刑事』、西内まりやさんが気になり途中から視始めた『ホテルコンシェルジュ』、やはり途中から視始め気軽に楽しめた『花咲舞が黙ってない』くらいしか視ていなかった。それでも多いほうだろうけど。『リスクの神様』は話題になっていたので一回だけ録画してみたけど、視始めてあまりにも現実感がないというか、エンターテインメントとしても楽しめなかったので途中で諦めてしまった。

まあ、いい作品かどうかは、誰かの意見に左右されるものでもなく、ただただ、今の自分の心との相性によるものだと思う。そう考えると『オモコー!』が面白いと思えた今の自分について考えてみたい。今すぐに…は浮かばないけど。

ならば、『ど根性ガエル』も再度視たら違う感覚で視られるかもしれない。今クール唯一録画保存したので、少し時間がたったら視てみよう。
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掘り出し物

2015-04-12 23:30:23 | ドラマにハマる
ビデオテープを使わなくなってから、もうかなり経つ。でも、我が家には昔録ったビデオテープが百本単位で残っている。

何を録ったかラベルに書いているものもあるけど、大半は録ったまま一度も視ることがなかったような感じだ。で、先日から少しずつ中身を確認しながら処分を進めている。

これが結構しんどい。頭出しの機能はあるものの、HDDやDVD、BDのように一発で望みのシーンを視始めるなんてことはできず、シュルシュルと巻かれていくテープの物理的な動きに制約される。

でも、昔使っていた財布に小銭を見つけた時のようなちょっとした喜びもある。


その中で、特に嬉しかったものは…

①1998年(平成10)に放送されていた『世紀末の歌』の最終回。
野島伸司さん脚本で、毎回「愛とは」をテーマに繰り広げられる物語にハマった。そう、木村佳乃さん演じる羽柴里美という女性が魅力的で…というか、この作品をきっかけに木村佳乃さんが好きになった。今はご結婚されお子さんもいらっしゃるけど、相変わらず素敵な女性だと思う。
最終回、竹野内豊さん演じる野亜亘が、里見に対して愛を伝え、結ばれる。当時はその結ばれ方を残念に思ったけど、17年過ぎて改めて観てみたら、とても深く感じられた。他の回もいいんだけど、録っておいていない。
今後もDVDが発売されることはないだろうということが残念な作品だ。


②1988年(昭和63)に放送された『艶歌 ―旅の終わりに―』


この作品は、その中で歌われていた『別離(イビョル)』という歌が印象深く、出演者も小林薫さんくらいしか覚えていなかった。
小泉今日子さんの初々しい演技と、芦田伸介さんの味わい深い名演が魅力的な作品だ。
本放送を観て気に入り、その後の再放送を録画したのだろう。
ちなみに、閔海景(ミン・ヘイギョン)さんによる歌はこちらで聴ける。


③1996年(平成8)に放送された『イグアナの娘』の総集編


この作品、途中から観始めてハマった。菅野美穂さん演じる主人公・青島リカも魅力的だった。でも、僕は彼女の親友の三上伸子が好きだった。サバサバした感じが良かった。演じたのは佐藤仁美さん。今ではお酒好きのオバちゃんキャラ(?)の彼女だけど、今もあの時の雰囲気を感じる瞬間があり、お酒をご一緒する機会があれば…なんて思ったりする。そして、伸子の母親を演じた木内みどりさんも良かったな。

本や映画と同様に、テレビ番組も時間を経て再見すると、違った感じ方ができる。そんな楽しい刺激とともに月曜日からもがんばろう。
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希望がないはずがない

2015-02-25 20:24:00 | ドラマにハマる
楽しみだったドラマ『徒歩7分』が昨夜最終回を迎えた。

黒崎依子という女の子の日常に起きる些細な出来事を不条理な会話で紡いでいく前田司郎さんの脚本は、最終回にとっておきのセリフを依子に言わせた。

未来は想定内だと思っていたけど、それは過去の経験から想像した未来であって実際に来る未来とは違う。未来はまだ来てないんだから、希望がないはずがない…

僕も40代半ばを過ぎた今まで、何かをやろうとしても「どうせ…」という思いが前に出ていた。でも、その思いは過去に経験したことによるバイアスがかかっていたりする。だから、失敗ばかりしていたら「次も失敗してしまうのではないか」としり込みしてしまうこともしばしばだ。だから、石橋を叩き割って端から諦めてしまったほうがいいと考えがちだ。

依子のセリフを聞いて、僕も変われるのではないかと思った。せめて「どうせ…」と思うのを止めよう。

さて、このドラマでは田中麗奈さんの魅力を再確認した。先日も書いたけど、「なっちゃん」でデビューした彼女をいいなあと思ったのが、大河ドラマ『平清盛』で源義朝の妻・由良を演じた時だった。あの「…と、父が」というツンとした感じが彼女のシャープな顔立ちによく合っていた。でも、この『徒歩7分』では「彼氏なし、友達なし、仕事なし。」で、だらだらと一人暮らしを始める主人公を、これまた彼女しかいないと思えるくらいに演じていた。

放送終了後にアップされた演出の中島由貴さんによるスタッフブログで、依子が描いていた漫画の原稿などが実際に田中麗奈さんによるものだと知り、この作品に対する麗奈さんやスタッフのみなさんの意気込みを改めて感じた。麗奈さんもご自身のブログで、最終回を迎えたこのドラマに対する思いを語られている。そう、これを読んでディレクターの中島由貴さんが女性だったと知った。『平清盛』はそれぞれの回が印象的だったが、ホラー作品のような恐ろしいエンディングの「そこからの眺め」などを担当されていたんだね。そして、前田司郎さん脚本の『お買い物』と『迷子』も中島さんが演出されていたんだ…

そう遠くないうちに再び2人がタッグを組んだ作品を観たい。
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徒歩7分

2015-01-28 23:26:10 | ドラマにハマる
1月から始まったドラマを何本か視ているけど、中でも田中麗奈さん主演の『徒歩7分』がお気に入りだ。

仕事もしていないのに親からお金を借りて1人暮らしを始めた32歳の独身女性が、様々な出来事に出会う。「世界から貧困を無くしたい」と言って妹はヨーロッパに旅立ってしまったけど、その他の出来事は本当に些細なことだ。

アパートの下にある弁当屋での店員さん同士の他愛もない会話(石野真子さんと青山美郷さんやりとりが秀逸!)や、ひょんなきっかけから隣の住人(葉菜葉さん、いい雰囲気)と心を通わせたりという、そうした些細な出来事をこのドラマは丁寧に描いていく。

田中麗奈さんは「なっちゃん」のイメージが強かったけど、大河ドラマ『平清盛』で源義朝の妻、由良を演じた彼女を観てから改めてその魅力を感じた。そして、このドラマで彼女が演じる依子もとても魅力的だ。

脚本を担当されているのは前田司郎さん。以前、國村隼さんが出演された舞台『混じりあうこと、消えること』観て初めて彼の事を知った。その時はその後、ドラマ『お買い物』『迷子』を観て改めて彼が書く本の魅力に触れた。

それからずいぶん経ったけど、今回この作品を書かれることを知り、楽しみにしていたけど、期待以上だ。BSだし、夜遅い時間の放送だからあまり観ている人はいないかもしれないけど、それでも、Twitterなどでこの作品の感想を見ると、嬉しくなる。

すでに全8話のうち4話まで行っているけど、機会があればぜひ観てほしい作品だ。
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明日、ママがいない

2014-03-13 20:20:00 | ドラマにハマる
ドラマ『明日、ママがいない』が昨夜で終わった。

初回を観て、心に残るなにかを感じたので観続けようと思った。すると、番組に対する批判や、そこに輪をかけて野次馬的なコメントが寄せられた。確かにそのように見ればそのように感じるのかもしれない。けれども、観る側の心に訴えるには心に引っ掛かるものがあった方がいい。当然そこには限度があるけど、この作品がその限度を超えていたとは思えない。

心に残るものが何か。それを感じたのはボンビが両親と別れたエピソードだった。自然災害で突然両親と別れなければならなくなった彼女は、両親が見つかっていないということにすがり、想像の世界で自分を守ろうとしていた。

彼女を気遣った魔王が彼女の母と双子のおばに頼み、母としてのメッセージを送るシーンの後、皆とともに父母が眠ってはいないお墓で手を合わせ、その後、おばが本物でないことをわかっていたと話し、現実に向き合おうとしていた。昨夜はジョリピが迎えに来たところで部屋に閉じ籠ってしまったけど、あれは彼女が現実の厳しさを感じ過ぎてしまったからだろう。それでも、ジョリピの優しさが伝わり、彼女は彼らの元へと向かった。

3年前の震災後、親を亡くした子どもたちや子を亡くした親たちの悲しみを思うと共に、僕らが手を差し伸べるより彼らが互いに寄り添っていく方がいいのではと勝手に思っていた。しばらく忘れていたけど、そのボンビの話を観ていたらそんなことを考えていたなと思い出した。

実の親と暮らすのが幸せだというのは疑いない。けれど、何らかの理由で親と暮らすことができなくなった子どもたちにも幸せに暮らす機会はあっていい。いや、あるべきだと思う。このドラマでは実の親と再び暮らすことになったピア美と、里親に引き取られたボンビやドンキ。そして、魔王を父に選んだポスト。それぞれが自分の居場所を見つけ、コガモの家には誰もいなくなった。それが、このドラマが描いたハッピーエンドだった。

きっとこのドラマを観た人たちはいろいろ考えたと思う。僕と同じように感じた人も少なくないだろう。そう、考えることから始めなければと思う。考えることを忘れ、現状を肯定しているだけでは前に進むことはできない。

今を生きる子どもたちと、悩みを抱える大人たちに、このドラマが与えてくれたものは大きい。そんなことを考えながら、明日も歩いていこう。
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一人より、夫婦

2013-09-14 22:38:17 | ドラマにハマる
3連休唯一の雨なし日だというのに、朝の散歩から帰って来てから一歩も外に出ることなく過ごした。久しぶりにだらだらとした日を過ごした。Facebookを覗くと繋がりのある人たちの楽しそうな姿が見えたけど、それはそれで僕の関心の先にはない。

ドラマ『夫婦善哉』は今夜が最終回だった。脚本が『ちりとてちん』や『平清盛』で楽しませてくれた藤本有紀さんが担当すること。そして『カーネーション』で小原糸子と言う女性を魅力的に演じた尾野真千子さんが主演ということ。『こころ旅』でようやくその魅力に気付いた火野正平さんが出演していること。その他、さまざまな魅力が満載の作品で、放送開始が待ち遠しかった。

原作を読んだことがなかったけど、楽しめた。それは、オノマチと森山末來さんによる「夫婦」の魅力によるところが大きい。はじめは「柳吉のようなどうしようもない奴になんで蝶子は付いていくのだろう?」という感じだったが、最終回になってようやく柳吉の魅力に気付いたように思う。蝶子の弟の言葉にあったけど、男って寂しがりだというせりふを、僕自身を振り返って実感した。

終盤、初回と同じく「夫婦善哉は何で二杯か知ってるか?」と尋ねる柳吉に対し蝶子も同じく「一人より夫婦の方がええということ」と返すが、柳吉は「一杯山盛よりちょっとずつ二杯で出てきた方がぎょうさん入っているように見えるやろ」と本当(らしい)のことを語るが、それでも蝶子は「一人より夫婦の方がええ。わてはそない思うとる」と返す。その表情のかわいらしさに、また「オノマチにやられた…」と心の中で降参した。そして、「そうだな… 一人より夫婦の方がいいな…」と、一人思った。

4回と短かったが、リズミカルで心地よく楽しんだ。それは、魅力的な脚本を魅力的な役者が魅力的に演じてのものだと改めて思う。そう、音楽も良かったな♪ ということで、もう藤本有紀さんの次回作を楽しみにしている。
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遊びをせんとや…

2012-12-23 23:05:43 | ドラマにハマる
大河ドラマ『平清盛』の最終回を観終えた。

大河ドラマを全話見たのは、『功名が辻』、『篤姫』に続き3作目だ。2作とも楽しんで見ていたが、今回の『平清盛』はそれらとは違う感覚で観ていた。夢中に生きた清盛を夢中で追いかけていたと言ったらいいだろうか。ただ、ここで感想を書くのは見始めた頃1回くらいで、その後はもっぱらTwitterでつぶやくのみだった。

Twitterでの『平清盛』への反応は、低視聴率が嘘のように活発なものだった。番組に対する批判ツイートもあったが、観続けてきたものには「上っ面しか見ていない」としか思えないようなものばかりだった。それがわかっているから、僕らファンも、スタッフやキャストもブレずに最終回を迎えられたのだと思う。

清盛の死から壇の浦の戦いまでを描くということで、慌ただしさは否めなかったが、そもそも平清盛を描いているのだから、壇の浦の戦いの詳細までを見たいとは思っておらず、そういう意味では割り切った脚本・演出に納得した。そして、清盛の笑顔が輝くラストに、若いころの輝く清盛が海の中で生き続けているという救いを見た気がする。

放送前、いそPこと磯智明チーフ・プロデューサーにこの1年楽しませてもらったお礼を言おうと、NHKスタジオパークを訪れた。最終回のパブリックビューイングには抽選に漏れて参加できなかったが、Twitterで盛り上がった「盛絵」を展示するコーナーにいそPが出て来てくれるということで、ダメ元で行ってみた。他のスタッフの方たちと共に登場すると、集まったファンの皆さんから拍手が起こり、すぐに人だかりができた。

ナイミツに記念品をもらい、いそPと話をする順番を待っていると、各地から訪れたコアなファンと思われる方々が熱心に質問をしていて、いそPは一人ひとりの質問に真摯に対応されていた。順番を待つ間、何を話そうかと考えていたけど、お礼と共に、以前Twitterでも書いた、『ちりとてちん』であったような「メモリアルブック」的なものを作ってほしいというお願いをした。僕の願いに対しいそPは「最終回は終わりではない」といったことを言ってくれた。ホームページのコンテンツも盛り込んだ、ファンの宝となるようなものを期待しています。もちろん、藤本有紀さんのお言葉は必須で!

ということで、番組は最終回を迎えたが、この作品はこれから人々の間で語り継がれていくだろうし、僕もその一員となりたいと思っている。きっとDVDや再放送で人気に火が付く日が来ると思う。信じなくても来ると思う。その日が待ち遠しく、その時は「頼朝は…」なんて話を自慢げにしてしまうかも。それはカッコ悪いだろうけど…

最後に、この作品を送り出してくれたスタッフ・キャストのみなさん、Twitterなどで番組を盛り上げてくれたファンのみなさんにお礼を申し上げます。楽しい1年間をありがとうございました。
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ゴーイング マイホーム

2012-10-14 21:06:01 | ドラマにハマる
先週火曜日のドラマ『ゴーイング マイホーム』の1話をようやく見た。いや、観た。

大河ドラマ『平清盛』は別として、前クールのドラマは初回だけ見たという作品が少しというくらいだった。まあ、『平清盛』だけでかなり満腹ではあるが。

そうなると、今クールの作品が気になって仕方がなかったのだが、断トツで興味を持ったのがこの『ゴーイング マイホーム』だった。是枝裕和監督が脚本と監督を担当するというのがその理由だが、最近ドラマからは遠ざかっている山口智子さんや宮あおいさんが出演するというのも楽しみだった。

そんな期待作なのに、初回が2時間だったこともありなかなか見る時間が取れず、ようやく今日見ることができた。

で、思っていた以上に楽しめた。コメディと言っていいのかな。笑える作品だった。そして、いくつかツボに嵌るポイントがあったので、備忘録的に書いておきたい。

山口智子さんのきれいなこと。単なる美しさではなく、それなりの経験を重ねてきた美しさに魅せられた。
スキーのジャンプ競技を見ていた、主人公良多の子ども時代。僕も昔、なぜかジャンプを真剣に見ていた。今もたまに見ると面白い。
良多が父親の病院を訪ねるのに降り立った杜耶駅。どこかで見たことが…って、すぐにそこが中央線の信濃境駅だとわかった。あの『青い鳥』の清澄駅だ。ドラマにはりりぃさんも出ているし、過去の映画作品には夏川結衣さんもよく出ていることから、是枝さんも好きだったのかな…って思ったりした。
そして、「大きいのに、小さい」という良多の存在は、今の僕にも通じるよな。。

他にもいろいろとおもしろさが満載だった。ということで、今週も…と思ったら、一回お休みなんだね。

そう、今クールは他のドラマも面白いものがいくつかあるので、またおいおい感想を書いてみたい。

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藤本有紀という紡ぎ手

2012-07-15 21:56:02 | ドラマにハマる
ブログ直に記事を書くのも久しぶりだが、久しぶりに大河ドラマ『平清盛』について書いてみたい。

今年1月の放送開始以降あれこれと批判が寄せられ、それとともに視聴率が低いこともありネガティブな話題が先行している。だが、僕はこの作品が「脚本:藤本有紀」、「主演:松山ケンイチ」と発表された時点で「観たい」と思った…って、以前も何度か書いているが、ここにきてその思いを答え合わせしているような気分でドラマを楽しんでいる。

脚本を担当された藤本有紀さんは、朝ドラ『ちりとてちん』で物語に巧妙な伏線を張り巡らせ僕らを楽しませてくれた。だが、朝ドラにそんな物語性を要求する人は少ないのか、低視聴率に終わった。現在放送されている『梅ちゃん先生』や昨年の『おひさま』が高視聴率だというのが視聴者のニーズを物語っている。

今日放送された28話「友の子、友の妻」では、その後の平家の運命を方向づける頼朝と義経の沙汰が描かれていた。「実の息子、家盛に似ている」という理由で清盛の母、池禅尼が頼朝の助命を求めたというエピソードは「平家物語」に記されているとのことだが、初回の清盛と家盛の木登りのシーンや、家盛が母を思った末に平氏の棟梁となろうとし、やがて不慮の事故死を遂げるという話を丁寧に紡ぎ、清盛がそんな母を気遣って…というのかと思ったが、実は清盛自身の意志だったという描き方に、池禅尼と家定のお茶目なやりとりを挟んだことも含めて唸らされた。また常盤と牛若らを助命したのを、同じく初回に描かれた実の母、舞子の死に重ね合わせるというところにも。。

視聴率の低さは、『ちりとてちん』同様に視聴者のニーズが「わかりやすさ」にあるからだろうか。「韓流ドラマの歴史物の方がよっぽど面白い」という人もいるようだが、「面白い」イコール「わかりやすい」なんだと思うと納得できる。

だが僕は、そんなわかりやすさは求めない。「主役が目立たない」ということも含め、今まであまり光が当たらなかった人物を描いていくためには、そんなストーリー展開も必要だと思うし、それを楽しんでいる。それは、『ちりとてちん』の「箸」のように、卵の殻や松葉を貼り、漆を何層も重ねて研いでいくような物語だと思う。

その『ちりとてちん』を数日前から改めて観ている。気になる回を再度観たことはあったが、再度一話から続けて観るのは初めてだ。そして、初見の際に気付かなかったことを発見し、心の中でクスッと笑っている。

『平清盛』の方は今日、番組のホームページで清盛の入道姿や神木隆之介くんが義経を演じることが発表された。これから物語は終盤を迎えるが、前半の様々なシーンがどのように繋がっていくのかも含め、引き続き楽しんでいきたい。
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