連続テレビ小説『ちりとてちん』が、昨日最終回を迎えた。
前作『どんと晴れ』は何となく観続けていたが、今回は毎回早くみたいと楽しみにしていて、それが絶えることがなかった。以前も同じようなことを書いたが、改めて振り返ってみたい。
主演の貫地谷しほりさんはこの作品の前から観ていて、非常に演技力のある人だと思っていて、始まる前から楽しみだった。でも、観続けようという気持ちを決定的にしたのは、最初の一週間である。
何となく後ろ向きな喜代美に対し、いつも明るく接するおかあちゃんと、最初は寡黙だったけど、少しずつ、彼女と共に久しぶりに帰ってきた息子たちに心を開きかけていたおじいちゃんとの関係がいい方向に向きかけていた時に、おじいちゃんの持ち時間は終わってしまった。喜代美とおじいちゃんとの会話の中にちりばめられた台詞に込められた思いが、観ている僕の心の深いところに届いたからだ。
おじいちゃんが一週目で亡くなられた時は、何とも寂しく、そしてなぜそんなに早く別れなければならないのかとも思ったが、その後すぐに、この別れが結果として喜代美が「なりたい自分」になる道を照らしていくことになるという流れに気付いた。おじいちゃんは回想シーンで何度も登場するが、それ以外の場面でも、話の中のどこかに必ず存在しているという気がしてならなかった。米倉斉加年さんの朴訥としたしゃべり口が、その数少なくもキラキラと輝き続けた。
と、ここまで書いていたらそろそろ日付が変わるので、少しずつ、印象的なシーンをちりばめながら、改めて思い出を塗り重ねていこうと思う。