ほぼ是好日。

日々是好日、とまではいかないけれど、
今日もぼちぼちいきまひょか。
何かいいことあるかなあ。

『DIVE!!』再び

2024-08-11 | 読むこと。



高飛び込みで玉井くんが見事銀メダルをとりましたね!
本当におめでとうございます!!
解説をされていた寺内氏が、感激の涙で声を震わせておられたのには
こちらまでうるうるしてしまいました。

思い起こせば20年以上も前に『DIVE!!』を読み、当時中学生くらいだった
娘たちとすっかりハマってしまいました。
それ以降、高飛び込みのニュースや新聞記事をチェックしていたものの
あまり目にすることもなく、唯一寺内選手の活躍を耳にするくらい。
その彼も板飛び込みに出場されるようになり、高飛び込みは大変なんだな~、
本のようにはいかんよな~、と淋しく思っていたのですが・・・

14歳で東京オリンピックに出場した玉井くん。
先日予選で見たとき、堂々として落ち着いて見えるのに驚きました。
残念ながら準決勝を見逃し、決勝はライブで見ることかなわず・・・
今朝、見逃し配信でなんとかハイライトをみることができました。
ノースプラッシュですごかったですね~
長女は、『DIVE!!』の続きを見ているようだ、と言っていました(笑)

我が家でも20数年ぶりにDIVE熱が再発しそう。
もう一度読み返して、お盆は長女とこの話題で盛り上がりそうです


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『この世をば』と「光る君へ」

2024-01-27 | 読むこと。





今年の大河ドラマ「光る君へ」、おもしろいですよね~
大河ファンでもありますが、『源氏物語』が好きなので
「あの世界観が映像になる!」と、わくわくしながら待ち続けていたのです。
期待半分、不安半分で・・・

実は、1~2年ほど前から藤原道長の生涯を描いた永井路子の『この世をば』を読みたいと思いながら
絶版になっていたのかネットでは買えず、図書館にもなくて(書庫にあったらしい)
諦めていたのですが、今年に入って再販されたのを見つけ早速購入。
これが面白くて、おかげで「光る君へ」にもすんなり入ることができました。

というのも、最初キャストを知ったとき、道長を柄本佑さんが演じるのに少し違和感を
持ったからです。
権力者、道長のイメージかなあ?と。
でも、『この世をば』での道長は、三男坊で権力欲はなくおっとりしたタイプ。
それが、だんだん藤原家を背負って立つ意識に目覚めたころ、タイムリーにも
兄たちの死によって自分に番が回ってきて、次第に頂点に上り詰めていくという役柄。
このキャスティングになるほど~と納得しました。


和歌なんぞ詠んで優雅に見える平安時代ですが、公卿たちの間では熾烈なポスト争いがあり、
過酷な格差社会だったようです。
そのあたりドラマでも描かれていましたが、戦国時代とはまた違った権謀の渦の中で
生き残っていかなければならなかった公卿たちも必死だったことでしょう。
そんな陰謀や策略が、今回のドラマの見どころのひとつでもあるようで楽しみです。


ドラマと違って本では、紫式部のことは清少納言と共にさらっと出てくるだけですが、
替わりにというか、道長の妻となる倫子や姉の詮子、娘たちなど、道長を支える女性たちの
物語にもなっている点で興味深く感じました。
天皇を中心としたこの時代、権力を手に入れるためには、娘が生まれること、その娘が天皇に嫁ぎ
男子を生むことが非常に重要になってきます。
『源氏物語』に出てくる女性たちは、自分で自分の人生を決めることができない
受け身の女性として描かれることが多かったけれど、この作品の女性たちは自らの考えで行動し、
主体的に夫や子どもを支えようとしている姿が描かれていて共感できました。

ドラマでは、道長の姉で東宮の母となる詮子を吉田羊さんが演じていますね。
美しく凛としていて、この先天皇となる息子のためにと道長をサポートし、
自らも力を持ち始めていく・・・
道長も詮子も、今後どんなふうにかわっていくのでしょう。

そして、紫式部はどんな女性として描かれるのか。
結ばれるのことない道長との関係はどう描かれるのか。
『源氏物語』に出てくるような場面が描かれるのか。
見どころがたくさんあって楽しみです






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

猛暑を乗り切る読書

2023-08-22 | 読むこと。
8月も下旬に入ったというのに、まだ猛暑が続いています。
東京の猛暑日が21日となり過去最多というニュースがありましたが、
私の住んでいるところはとっくにそれを超えまだまだ更新中・・・

暑さが大の苦手な私は、夏は家にこもっているので楽しみといえば読書です。
本に夢中になれば現世の暑さも忘れるというもの。
最近は老眼が進んだのか文字が読みづらく、以前のように長時間集中できないのが
残念なのですが・・・

猛暑を忘れさせてくれる本の条件は、とにかくおもしろいこと!
そして、できれば趙大作とかシリーズもので、その物語に長く没頭できること。

ということで、今年の猛暑を忘れさせてくれたのがこの3冊。







『村上海賊の娘 上・下』  和田竜

10年ほど前に話題になった作品で、機会があれば読もうと思いながら・・・
大河ドラマの『どうする家康』を見ていて、戦国時代を違う視点から眺めてみたいと
いうのもあって今回ようやく手に取りました。
が、読み始めて主人公・景のキャラが、なんというか、いかにも男性が描いた女海賊だな~、と
引いてしまって途中で読むのをやめてしまったのです。
でもまあ、せめて上巻だけでも・・・と数日後読み直したら、史実に基づいた設定で描かれた登場人物たちが
個性的でだんだんおもしろくなり、海戦の様子も迫力があって下巻は一気に読んでしまいました。

信長が手を焼いた大阪本願寺攻め、孤立する本願寺に兵糧を送るか信長につくか苦悩する毛利家、
村上海賊や泉州の海賊たちの駆け引きなどなど、戦国時代をこれまでと違う視点で読めたのも
おもしろく興味深かったです。
史実に忠実でありながらも登場人物のキャラ設定では遊び心満載で、これは映画やアニメに向いてるな~と
思っていたら、すでにコミックになっているようでした。納得。



『聖餐城』  皆川博子

90歳を超えてなお旺盛な執筆活動をされている皆川博子氏。
その彼女に興味を持って読んだのが本格ミステリ大賞を受賞した
『開かせていただき光栄です』のシリーズでした。
まず驚いたのは、18世紀のロンドンの様子をまるで知っているかのように詳細に描かれていたこと。
それと、(失礼ながら)彼女のお年と物語の内容のギャップにもびっくりでした(笑)

そして、この作品。
ひとことでいうと、ドイツの30年戦争を舞台に、自ら傭兵になることを選んだアディと
異形の宮廷ユダヤ人イシュアという、全く違う世界に住むふたりの友情と成長の物語、
ということなのでしょうが、もちろんそんなタンジュンなものではありません。
この作品もまた、その時代を生きてきたかのようなリアリティ溢れる描写で、
当時の様子ー財力で台頭するユダヤ人や、そのユダヤ人を利用する権力者、
様々なタイプの傭兵たち、差別される刑吏などが描かれとても興味深いです。
(つい、子どもたちの古い世界史の教科書なんぞを引っ張り出してしまいます)
これを読むと、あまりなじみのない30年戦争ですが、宗教の対立から始まった戦争が
結果的に周辺諸国の干渉によりドイツの分断、荒廃をまねいた様子が
とてもよく理解できます。

戦争が舞台なので、戦争のシーンはたくさん出てきます。
勝てば傭兵たちが略奪や暴行を繰り返すことが当たり前だった時代。
それがまたリアルで迫力があり、正直言って目をそむけたくなるほどでした。
以前なら、これは「物語の中のできごと」として読めたものが、今ではこの世界に
似たようなことが起こっているのだ、と知ってしまったからでしょうか・・・

それでも、その「当たり前」を拒み続けたアディと、そんな彼を一生支え続けたイシュア。
そんなふたりが歴史の舞台において淡々と描かれているのですが、う~ん、
もうちょっと深掘りしてほしかったかも・・・
あと、聖餐城の秘密や錬金術に関しても、少し物足りなかったかな。
とはいえ、読み応えのある壮大な物語で猛暑を忘れさせてくれました。



それにしてもまだまだ暑い日は続きそうです。
涼しくなったら読もうと、次の作品がスタンバイしているのですが・・・
いつになったら読めるかなー








コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『かたづの!』 再読

2021-08-10 | 読むこと。




先日、中島京子さんの『夢見る帝国図書館』を読んだ後、久しぶりに他の作品も
読みたくなって本棚を眺めていたらこの本を見つけました。
そうそう、おもしろくてもう一度読もうと思いながらそのままになってたのでした。

この『かたづの!』に出てくる少女祢々、後の清心尼は江戸時代初期の実在の人物。
根城南部第十九代当主直栄と三戸南部二十六代当主の娘千代子と間に生まれ、
ひとつ年下の直政と婚姻しますが第二十代当主となった直政が夭折したため、
自分が第二十一代を継ぎます。

・・・と、書き始めたところ、読んだ当時のレビューがありました →(*)
(今と違ってマメに書いていたのですね~

まあ、それでも、『夢見る・・・』を読んだ後にこの作品を読むと、かわらない作者の思いを
感じたのでもう少し書き足してこうと思います。


どちらも描かれているのは女性ということで理不尽な目にあい、時代に翻弄されながらも
背筋を伸ばし凛と生きた女性たちです。
昔も今も、どこかで争いがあり、それによって犠牲をしいられるのは女性や子どもたち。
そんな状況下で、信念をもって柔軟に生き抜いていく女性たちを描いているわけですが、
その女性たちが強いだけではなくどこか可愛らしいのですね。
「夢見る・・・』のとわ子さんも『かたづの!』の祢々も。
この年になると、なかなかいいなと思う女性のお手本がみつからないのですが、
いくつになってもどこかに少女のころの真っすぐな気持ちを持ってる女性って
素敵だなと思いました。
その魅力に、片角となった羚羊〈カモシカ〉も、河童も、そして読者も惹かれて
応援したくなるのでしょう。

両方の作品で強く感じたのは、戦争や争いごとに対する作者の姿勢。
「戦いでいちばんたいせつなことは、やらないこと」という祢々の言葉に、作者の
思いがこめられているんだろうなあと感じました。
そして実際、困難に遭遇しながらも家臣をなだめ、戦うことを避けて国を治めた
清心尼はとても立派だと思います。
これって、女性だからこそできたのかもしれせんね。


最初に読んだ当時あまり意識しなかったのですが、この清心尼が生きた時代に
三陸大津波があり、この作品の中でも片角となった羚羊がまだ生きていたころ
愛する妻がその大津波に呑み込まれてしまうという箇所があります。
その羚羊が、片角となって意識だけ現代まで生き続け、八戸の美術館へ
展示品として戻っていくのですが、清心尼の物語を語り終えた羚羊(の意識)が
最後に戻っていくのは、白い羚羊であった妻の眠る海・・・
この作品は、東日本大震災後に書かれたとのことです。

清心尼が生まれ育った八戸、領地替えとなった遠野。
この二つの土地から生まれた作品なのだなあとつくづく思いました。


さてさて、中島京子さんの作品、次は何にしようかな~




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自分の居場所 『夢見る帝国図書館』

2021-07-07 | 読むこと。



ずっと気になってたこの本を衝動的に買ってしまったのは、世界がまだ新型コロナウイルスに
振り回される前のこと。
京都で映画「ニューヨーク公共図書館」を見たからです。
図書館熱に浮かされていたのでしょうねえ(笑)

ところがせっかく買ったのにも関わらず、当時はなかなか忙しくて本を読むのは
寝る前の布団の中だけ。
途切れ途切れで読んだせいか、もうひとつ入り込めなくて・・・
レビューも書かずじまいでした。

先日ふとこの本のことを思い出し、もう一度読み直してみることに・・・
そしたら、なんというか・・・、改めて図書館というものの懐の深さ、奥深さに
じんわりと感動。
そこに居場所を見つけた人々を暖かく包み込み、惜しみなく知識を与えてくれる
なくてはならない存在なのだなあとしみじみと思ったわけです。

この作品のおもしろいところは、作者を思わせるフリーライターの〈私〉と
上野の公園で偶然知り合った喜和子さんとの不思議な交流を描きつつ、交互に
帝国図書館の歴史を名だたる文豪たちを交えて、ユーモアたっぷりに描いていることです。
というのも、〈私〉が喜和子さんから帝国図書館の話を書いてほしいとたのまれたから。

飄々と自由に生きているように思えた喜和子さんの意外な過去が次第に明るみになり、
喜和子さんの行動を許せなかった娘や、喜和子さんを理解しようとする孫娘も登場します。
他にも喜和子さんのまわりには、元恋人の大学教授やホームレスの男性、同じアパートの住人の
芸大生などがいて、登場人物も多彩で個性的。
この登場人物について作者は、上野という場所から考えていった部分がある、
と言われていますが、戦後はバラックが建ち並んでいたという上野の、雑多な一面を
表しているのでしょうか。
雑多といえば、この作品には、喜和子さんのような抑圧された生活を強いられた女性、
母娘の関係、セクシャルマイノリティなど、今でも話題になっている様々な問題が
取り上げられています。
が、かといってそれが重いわけではなく、いろんな人(特に問題を抱えた女性たち)に
対する作者のあたたかな目線が感じられ、エールを送られているように思えます。

一方、東洋一を目指した帝国図書館は、それとは程遠い苦難の歴史を繰り広げるわけですが、
そこに通い続けた作家たちもまた個性的で、とても生き生きと描かれています。
いえ、作家だけではありません。
図書館のために奮闘した人々や、戦時中に犠牲になった動物園の動物たちのエピソード
なんかもあって、帝国図書館の歴史がとても身近に感じられるのですよねえ・・・
後の文豪たちも、戦争から戻ってきた兵隊さんも、喜和子さんのように居場所を失くした女性も、
そんな帝国図書館に自分の居場所を見つけたのかもしれませんね。

帝国図書館の最後のほうのエピソードで、戦後訪れたアメリカ人女性のことが出てきます。
女性軍人であった彼女は、内密に日本の憲法の草案に関わることになり、帝国図書館へ
世界中の憲法関連の本を借りにきたのでした。
少女時代を日本で過ごした彼女ベアテ・シロタは、何冊もの原書を抱えて思うのです。

私が憲法草案を書くなら、と、ベアテは考えた。
この国の女は男とまったく平等だと書く。


敗戦下の図書館がひとりのアメリカ人女性に貸し出した、ありったけの憲法関連書籍が、
九日間で憲法草案を作り上げた人々の最重要参考文献だったとのことです。

この作品の最後にこんな文章があります。

    とびらはひらく
    おやのない子に
    脚をうしなった兵士に
    ゆきばのない老婆に
    陽気な半陰陽たちに
    怒りをたたえた野生の熊に
    悲しい瞳をもつ南洋生まれの象に
    あれは
    火星へ行くロケットに乗る飛行士たち
    火を囲むことを覚えた古代人たち
    それは
    ゆめみるものたちの楽園
    真理がわれらを自由にするところ



ちょっと、胸が熱くなりますよね・・・
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする