ほぼ是好日。

日々是好日、とまではいかないけれど、
今日もぼちぼちいきまひょか。
何かいいことあるかなあ。

月夜の晩に見たものは・・・

2006-10-31 | 日々のこと。
今日はハロウィーンです。
ハロウィーンというと、かぼちゃと魔女はつきものですね。

どういうわけか子どものころから魔女が大好きでした。当時テレビで見てた『奥さまは魔女』で、サマンサが鼻をピクピク動かすだけでチョコレートケーキが出てくる、そんなシーンに憧れたのが最初かもしれません。

高校生のとき、夏休みの宿題の作文(感想文)がどうしても書けず、31日の夜切羽詰まった私はお話を書きました。箒に乗ったもう一人の自分に出会う、みたいな他愛もないお話。
ところが、どういうわけかその作文がクラスの代表に選ばれて文集に載ったのです。私の作文以外はどれもまっとうな感想文ばかり(それも『雪国』とか・・・)。自分の心の中をさらけ出したような文章を書いたことに自己嫌悪を感じ、その文集は捨てたかなんかして、残念ながら手もとには残っていません。あったとしても、とても恥かしくて読めそうもありませんが、箒に乗ってどこにでも飛んで行ける魔女は、くすぶってた女子高生にとって憧れだったのでしょう。

学生のころ好きで描いてたイラストにも、よく魔女が出てきました。とんがり帽子に黒い服を着た少女と、オレンジ色の猫と、三日月の絵。

結婚して子どもが生まれると、今度は子どもといっしょに魔女が出てくる絵本をよく読みました。そして子どもの耳元で囁くんです。
「ほんとはね、お母さんは魔女だったんだよ。人間のお父さんと結婚して、もう箒に乗って空を飛ぶことはできなくなったけれど」
ひよっとして、子どもたちはそれを信じていたかもしれませんね。つい最近まで、うちのお父さんはスパイ(!?)、お母さんは魔女、ってよく冗談で言ってましたから(なんて家族でしょう、うちは、:笑)。

私にとって魔女というのは、得体の知れないおそろしい者ではなく、自由で自立した女性、のイメージがあったのかもしれませんね。


    『魔法のホウキ』より
    (C.V.オールズバーグ作)

昨夜、仕事で疲れ気味ではあったのですが、かぼちゃのパイを焼きました(魔女のお母さんとしては、作らないわけにはいきません)。去年は使い慣れていないオーブンで失敗したけれど、今年はなんとか・・・できたかな?




高校生のとき書いたお話のタイトルは『月夜の晩に見たものは・・・』でした。
今夜、箒に乗って空を飛んでるお母さんを見れるかも・・・ね
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

不思議の空間 ペンネンネネム

2006-10-28 | 日々のこと。
若冲と江戸絵画展を見たあと、ペンネンネネムへ行くことにしました。
このお店のことはrucaさんのブログで知って興味を持ち、一度行ってみたいなあと思っていたのです。

美術館からは少し離れているのですが、調べるとバス1本で行けそうです。おまけにすぐ近くに晴明神社が!このあたりは京都に住んでいたときも、バスで通るくらいであまり歩いたことはありません。
堀川今出川でバスを降り、一条戻り橋を目指します。途中で一本細い道にはいったところ、突然目の前に晴明神社が現われてびっくり。ちょっと寄り道をしてお参りすることにしました。境内には桔梗の花がきれいに咲いています。なんでも、五芒星と形が似ているということで、お守りにもなっていました。



        晴明神社


このあたりは狭い路地(京都のひとは「ろおじ」と言います)がたくさんあって、たどり着くのか不安を感じながらも、地図を片手にきょろきょろ歩いて行きました。すると、小さな看板らしきものが目に入りました。・・・あった!



   ペンネンネネムの入り口


この細い路地の奥がお店の入り口です。
古い町屋を改装したもので、入り口も普通のお家のようにガラガラっと戸を開けます。中に入ると、これまた普通のお家の玄関。あっ、靴脱いであがるんだ~と、ちょっと驚きました。
ちょうど若い女性がひとり出て行かれるところで、お店の中はがら~んとしています。えっ、私たちだけ!?貸切状態ですよ~

お店の中に足を踏み入れたとたん、ここはもう異空間。不思議な雰囲気が漂っています。
店内はレトロな感じで、畳の上にいくつかの座卓と座布団。ちょっと古そうな応接セット。そしてまわりの棚には絵本がいっぱい!おまけに絵本のキャラクターのお人形が飾ってあります。『かいじゅうたちのいるところ』のかいじゅうや、もぐらのクルテクのぬいぐるみ、『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』のジャックのフィギュア、などなど・・・。なんと、鴨居には絵本のカードがたくさん吊るしてあるではありませんか!

いい年をしたオバサン・・・いえいえ、かつての女学生ふたりが、人がいないのをいいことに、「きゃっ」とか「わ~」とか叫びながら、感動しまくっていたのでした(そうです。そのとき、ふたりとも女学生に戻っていました)。


携帯で撮ったのでわかりにくいのですが、店内の様子です。




『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』の絵本とフィギュア。わかるかな~。



置いてある本は、よく見ると絵本だけはでなく、村上春樹氏の本が何気なく重ねてあったり、星野道夫さんの写真集がたてかけてあったり、『みづゑ』や『MOE』のバックナンバー、『太陽』の絵本特集あれこれ、手にとったら最後このまま居座ってしまいそう。まあ、今回はかなりの興奮状態で、落ち着いて本を読むというより、ひたすらその雰囲気に浸って満足していました。

普段よく聴いているFM放送の番組でもこのお店のことを紹介していたので、土日はお客さんも多いようですが、この日は1時間ほど私たちだけ。まるでもう友達の部屋に遊びにきて、勝手に本を読んでいるような、そんなゆったりした気分になれました。
帰るのがもったいないくらいだったけど、女学生ふたりはそろそろ主婦に戻って我が家に帰らなければなりません。でも、いつでもこのお店にやってきたら、また女学生に戻れそうな、そんなうれしい期待の持てる不思議な空間でした。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

若冲と江戸絵画展

2006-10-27 | 日々のこと。
以前、京都の古美術関係の会社に1年ほどいたことがあるので、それまであまり馴染みのなかった日本画の展覧会も見に行くようになりました。筆で描いた線の美しさ、空白による空間の広がり、墨の濃淡だけで描く奥の深さ、湿度を感じる色彩など、油絵とはまた違った描き方が新鮮に感じられたものです。

伊藤若冲の名も、そのころ知ったのでしょうか。ああ、鶏の絵を描いた画家だ、くらいは知っていました(それだけ)。
そんな私がこの絵画展に興味を持ったのは、日本家屋の自然光のもとで屏風や掛け軸を見ると、光の加減によって見え方が変化する云々という記事を読んだからです。
それは私にはちょっとした衝撃でした。今まで何の違和感もなく、あたりまえのこととして美術館で絵画を見てきましたが、これは本来の姿ではないんだ、と気づいたわけです。宗教画であれば教会に、掛け軸であれば床の間に飾ってあるもの。一定の光の当たる美術館で見るのと、薄暗い日本家屋で障子を通した光で見るのとでは、絵の見え方も自ずと違ってくるのは当たり前。この「若冲と江戸絵画展」ではそのことに着目してあるようだったので、どうしても見てみたいなあと思っていました。

それに若冲ファンのアーティチョークさんから、プライスコレクションって凄いのよ~、なんて聞いていたもので、期待はますばかり・・・


当日は朝一番に入ろうね、とアーティチョークさんと計画していたので、前の晩に夕飯もつくり、洗濯もすませておいて、7時前には家を出て電車に乗りました その甲斐があって開館前には美術館に到着し、まだ人の少ないうちにゆっくり鑑賞することができました。

日本画を見るのは久しぶりのことです。墨で描いた繊細な線、太い筆で一気に描いた大胆なタッチ、やはり日本画の素晴らしさは線の美しさにあるんだなあ、と改めて思いました。そういえば、父が若いころ南画を習っていて、初めのうちは線ばかり描かされた、と言っていました。たかが線、されど線、ですね~。

若冲の絵は鳥獣花木図屏風のように、桝目描で色鮮やかに描かれ度肝を抜かされるような作品もありましたが、私には墨で描かれた作品が軽妙でリズム感があり新鮮に映りました。また鶏を描いた絵はやはり独特で、なんとも不思議な雰囲気が漂い、これを見た江戸の人たちはさぞ驚いたことだろうなあ、と思いました。

たくさんある作品の中で、思わず立ち止まって見入った作品があります。それは葛蛇玉が描いた「雪中松に兎・梅に鴉図屏風」。屏風全体に墨をひいて漆黒の闇を作り出し、塗り残した白い部分に雪の積もった松を描き、胡粉を全体に散らして降りしきる雪を表しているのです。その屏風の前に立つと、自分がまるで降りしきる雪の中にいるようで、暗闇に降り積もる雪が感じられるようでした。(一番下にある絵葉書がその屏風の一部ですが、よくわからないですね)。



一番見たかったのは、自然光で鑑賞できるという酒井抱一の十二か月花鳥図です。どこにあるのかなあ、と気にしていたら、見終わって一階に下りたとき窓際の広いスペースに、一幅ずつ床の間を再現して飾ってありました。それも、光が斜めからあたるように掛けてあります。
この日はお天気がよくて明るい光の下で見ていたのですが、さーっと日が翳ってくると色鮮やかだった菖蒲の青が落ち着いた青に変わり、その雰囲気の変わりように驚いたのでした。

たとえば、明るい光の下では派手な印象を受ける金箔を貼った屏風も、薄暗い座敷で見たら、それは金が鈍く怪しく輝いて、異空間にでもいるような印象を受けることでしょう。そういうことまで計算して、描かれているのかどうかわかりませんが。お姫様にでもなって(?)、そんな贅沢な空間にこの身をおいてみたいものです(もちろん無理です~)。
屏風や掛け軸って、今まで深く考えたことはなかったのですが、これらは日本家屋だからこそ生まれたひとつの表現の形態なのですね。油絵は、印象派のように絵の中に光と影があるけれど、日本画は絵の外に光と闇が存在するということかなあ。
日本画の奥の深さを知る、とてもいい機会となりました。
誘ってくださった、アーティチョークさんに感謝
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日々のそとの そのまたむこう

2006-10-25 | 日々のこと。
以前から、京都国立近代美術館で開催中の「若冲と江戸絵画展」を見に行きたいと思いながら、なかなか予定を立てられずにいました。10月は何かと忙しかったし、土日にわざわざ人ごみの京都へ行くのもためらわれたし、かと言って平日に行くのも後ろめたいし・・・。

そう思ってあきらめかけていた時、ジャーン、助っ人登場!
土曜日に絵本サークルの例会があり、そのときアーティチョークさんが「一緒に行かない?」って誘ってくださったのです。
行く、行く~
伊藤若冲の大好き!のアーティチョークさん。てっきりご主人と行かれるものとばかり思ってたんですよ~。
アーティチョークさんとは、これまでにも絵本の原画展などご一緒させていただいた仲ですが、ふたりで行くのは初めてなんですよね~。ドキドキ

おとーさんの仕事の予定がまだわからなくて、とりあえずこの日は大丈夫、という火曜日に(急な日程で申し訳なかったのですが)ふたりで京都へ行ってきました。
第一の目的は、もちろん「若冲と江戸絵画展」。
そして第二の目的は、もう一度恵文社一乗寺店へ行ってみてもいいし、rucaさんおすすめのペンネンネネムへも行けたらいいな、とちょっと期待してたのです。でも美術館からは遠いし、どうかなあ、と迷っていたら、アーティチョークさんが「なかなか行かれへんやろし、この機会に行ってみよう」と背中を押してくださったので、バスを調べ、地図を見ながら行くことができました!
これもアーティチョークさんのおかげです。ひとりでは、到底たどり着けなかっただろうし。感謝してます~

どちらもとっても素敵で、大満足のお出かけとなりました。
京都へ行く、というだけで、私には日常の外へ出ることになるのですが、若冲や抱一の絵を前にすると、まるで異空間にいるようで、時間の過ぎるのもわからなかったほど。開館とほぼ同時(つまり午前9時半)に入館したのですが、見終わって時計を見たらお昼前!どおりでお腹がすくわけです(朝も早かったし)。

また町屋を改装した絵本を読める喫茶店のペンネンネネムは、一歩足を踏み入れるなり日常の時間と違う時間が流れているような空間で、私にとってこのふたつは「日々のそとの、そのまたむこう」へお出かけしたような、そんな体験となったのでした。
それにペンネンネネムを探しているとき、目の前に晴明神社が現われ、近くにあると地図を見て知っていたもののちょっと驚いてしまいました。漫画を読んで晴明に興味を持っていた私としては、一度は行ってみたい所だったので、もちろんお参りして、子どもたちに五芒星を描いたお守りをお土産に買ったのでした。

帰ってから気がついたのですが、もうひとつ気になっていたところ「銀花談話室」もわりとこの近くで、今度ペンネンネネムを訪れる楽しみがまたひとつふえました。
って、こんなことばかり書いていいると、なんだか「そのまたむこう」へ行きっぱなしになりそうですね。やはり家族の待つ日常に戻らなければ。

ということで「若冲と江戸絵画展」、ペンネンネネムのお店のことは、また次の機会に書くことにしますね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドコモ関西号

2006-10-21 | 日々のこと。
きのうのことです。
昼過ぎおとーさんと事務所にいると、慌ただしく階段を駆け下りてくる足音。
「なあ、なあ、あれ何ー!?」
中間テストが終わって早く帰ってきた長女が、そう言うなり裸足で外へ飛び出しました(こらー!)。
何事だ、とおとーさんと私も慌てて外へ。
長女の指差す方向を見上げると、そこに見えたものは・・・



わかります?ドコモの飛行船だったのです。

飛行船なんて、生まれて初めて(小さいとき見たかな?)だったので、「魔女の宅急便」を思い出し大興奮!
長女と飛行船を追いかけようと(意外に早い)、携帯電話を持って屋上へ。
近くにある小学校からも子どもたちの歓声が聞こえてきます。
屋上まで上がっていった自分たち(親子)が恥かしかったけど、とりあえず携帯で証拠写真を撮りました(結局うまく撮れず、↑は家の前で最初に撮ったもの)。

調べてみると、「ツェッペリンNT」という世界最大の飛行船だそうで、地上から見ていてもかなり大きかったですよ~(全長75メートル)。
現在、関西エリアを飛行中とのこと。
あなたの街にも、飛んでくるかも





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする