『ハリー・ポッターと死の秘宝』
J.K.ローリング
この週末、『ハリー・ポッターと死の秘宝』を読み終えました。
昨年、初めてなんとか原作を読み、最後で号泣。
不安だったのは、原作で読んだイメージとかけ離れているかもしれない、
ということでした。
(もちろん、読み間違いをしているかもしれない、という心配もありましたが)
読み終えてまず感じたのは、ああ、やっぱり原作と翻訳は違うなあ、ということ。
1~6巻はずっと日本語で読んでいたので、ハリポタというと、
ああいう文体、ああいう文字の使い方、に慣れてしまっています。
あの長い物語を、小学生の子どもでも読めるようにするために、
訳者の方もあれこれ苦労されたことでしょう。
だから、子どもにもわかりやすい作品に仕上がっています。
でも、大人が読むと、『指輪物語』や『ゲド戦記』に比べて
やはり物足りないというか、どうしても子供向けだなあ、
と思わざるをえないところがありました。
それが原作を読んだときは、そういうふうに感じなかったのです。
7巻ではハリーも大人になってきたし、
内容的にも暗く、深くなってきたせいかもしれませんが。
原作だと、作者の思いや登場人物の気持ちが、
よりストレートに伝わってきたように感じました。
私の、拙い英語の読解力でも、です。
ハリーの苦悩、ロンやハーマイオニーの気持ち、
ネビルのがんばり、騎士団の奮闘、そしてスネイプの・・・。
だから、読みながら何度も泣いてしまいました。
(ハリポタを読んで泣くなんて、思いもしませんでした)
日本語版は結末もわかっているので、
わかりにくかったところを確認するつもりで読みました。
それでもいくつかの場面では、じわ~と目が潤んでしまいましたけれど。
※以下、軽~くネタバレしているところもあるので、 未読の方はご注意ください。
最終巻とあって、これまでの謎が、そしてあらたに出てきた謎が、
ひとつひとつ解けていきます。
分霊箱のこと、杖の謎、ダンブルドアの過去、スネイプの行動・・・。
あ、そういうことだったのか、
あれはこれの伏線だったのか、
と、疑問が解けていく快感を味わえます。
まあ、これはつめが甘いなあ、と思うところや、
腑に落ちないところもありますが。
でも、ここまで考えてストーリーを展開させていったローリングさんの
技量はすごいと思いました。
(先日、ローリングさんのインタビューを見ました。
お母さまが難病で亡くなられたことを初めて知りましたが、
大切な人の死を経験されたことがあるから、
こういう物語を書くことができたのでしょうか)
この巻は今まで以上に暗く、重苦しい展開になっていきます。
いろんな人たちが傷ついたり、亡くなったりしてしまうのです。
でも、ハリポタならではの楽しめるシーンもあって、
そんなところではほっとしました。
とにかく、いろんな出来事がてんこもり。
次から次からいろんなことが起きるんです。
思いもよらない展開になったり、
これまでにない厳しい状況に追い込まれてハラハラ・ドキドキしたり。
とにかく読み始めたらとまりませんでした。
で、印象に残ったシーンをいくつか取り上げてみました。
じわ~ときたところ
ダドリーの言葉、 パーシーの改心、 クリーチャーの献身
・・・これまで憎たらしいキャラクターだっただけに
ショッキングだったこと
・・・フレッドのこと
思わず拍手したくなったところ
ウィーズリー夫人の啖呵(笑)
ネビルの活躍!
号泣したところ
ドビーが・・・不意打ちでした(涙)
ハリーがつけた名前・・・この文章で号泣
好きなシーン
グリンゴッツ脱出!
印象的なシーン
ゴドリックの谷のクリスマスと、そのあとのおぞましい場面の対比
銀の牝鹿が現れる場面
・・・どちらも原作で読んだとき、美しいと思いました
残念だったところ
あんなに多くの犠牲が必要だったのか・・・
疑問を感じたところ
魔法省もグリンゴッツも、意外に簡単に入れる!?
行ってみたいところ
貝殻の家・・・ビルとフラーの新居です
映画でぜひ見たいところ
シリウスの部屋・・・どんなポスターがはってあるのか気になる(笑)
ルーナの家・・・なんか、すごそう
私が第一巻の『ハリー・ポッターと賢者の石』を読み終えたのは
2000年3月26日でした。
あれから約8年。
登場人物たちがそれぞれに成長していく姿を見続け、
まるで親戚のおばさんのような心境でした。
特に、あのネビルがこんなにがんばってくれるとは・・・。
彼の成長ぶりには、おばさん、ほんと感激です(笑)
だからこそ、多くの犠牲が出たのはつらいしことだったし、
残念でなりません。
物語の中とはいえ、子どもが戦いの中に出て行くなんて、
と、納得できないところもありました。
まあ、物語のはじめから、ひとりの少年ハリーが、悪の権化のような
ヴォルデモートに立ち向かっていくストーリーでしたからねえ。
他の子どもたちは逃げなさい、とは言えないけど・・・。
あれほど怖れられていたヴォルデモートにしても、
結局トム・リドルというひとりの人間(ではないけれど)に過ぎなかったのか、
みたいな印象も受けました。
そうそう、一番気になるスネイプの行動ですが、
隠れスネイプファンとして、彼の人生を知ることはつらい・・・
物語の最後の最後になって、彼に関する
ある会話で号泣してしまいました。
ここで、こうきたか。
ローリングさんにやられた~と思いましたよ(笑)
8年前、私の「おもしろいよ」のひとことで読み始めた子どもたち。
その子どもたちも、今では大きくなりました。
私よりもハリポタに夢中になり、特に長女にとっては、その後の彼女の人生に
大きな影響を与えることになりました。
子どもたちに、そして私にも、たくさんの「わくわく」や「ドキドキ」を
経験させてくれたハリー・ポッターとホグワーツに感謝