『エルデスト 宿命の赤き翼 上』
クリストファー・パオリーニ
最近ファンタジーを読んでいなかったのですが、肩のこらないドキドキワクワクするような本が読みたいなあと思っていたら、長女が図書館で見つけて借りてきてくれました。
ドラゴンライダーシリーズ『エラゴン 意思を継ぐ者』の続編『エルデスト 宿命の赤き翼』。
たくさんのファンタジーが出版されるなか、多少食傷気味ではあったのですが、『エラゴン』は表紙のドラゴンに興味をそそられて読み始めました(ドラゴンというものになぜか惹かれるのです)。
そのときの感想は
「『指輪物語』より読みやすく、『ネシャン・サーガ』ほどややこしくなく、『ハリー・ポッター』みたいに子供向けでなく、『ゲド戦記』のように重くない」というものでした。
ドラゴンにエルフ、ドワーフ、魔法使いと、ファンタジーの主役たちがたくさん出てきます。
いろんなファンタジーが寄せ集めになってるという感じがしないでもないですが、読み始めるとおもしろいのですよ、これが。
登場人物も魅力的に描かれていて、お気に入りもみつけやすいと思います(笑)。
手にとるのをためらってしまいそうなぐらい分厚い本ですが、テンポも早いし読みやすいので気になりません。
内容を簡単に説明すると、
邪悪な帝王によって滅ぼされたはずのドラゴンとドラゴンライダー族。
しかしエルフとドワーフによってドラゴンの卵は守られ、その卵を見つけたエラゴンのもとで卵が孵る。
エラゴンはそのドラゴンをサフィラと名づけかくれて育てるが、ドラゴンの卵を狙う帝国の刺客に伯父を殺され、サフィラとともに復讐と逃亡の旅に出る。
ドラゴンライダーとしての運命を受け入れ、反乱軍とともに帝国に味方するアーガル軍と戦い勝利するが、エラゴンもまた傷を負う、というのが『エラゴン』。
続編の『エラデスト』は上下2冊あり、私はまだ上巻しか読んでいません(ただいま図書館に予約中)。
どうやらエラゴンはエルフの国へ行きドラゴンライダーとしての修行をするようなのですが、エラゴンの従兄ローランもまた帝国に狙われ村ぐるみで戦うという話の2本立てになっています。
おまけにヴァーデン軍、ドワーフ、エルフとそれぞれの種族の思惑がからみあい、ストーリーはだんだん複雑になりそうな気配。
『エラゴン』を読んで私が気に入ってた、エラゴンと一緒に旅をする謎の若者マータグが『エラデスト』ではアーガル軍に連れていかれほとんど登場しないのでがっかりしていたのですが、従兄のローランもなかなか素敵で恋人カトリーナのためにがんばって戦うわけですよ。
しかもその恋人が帝国の手先のラーザックという怪物に連れ去られ・・・というおきまりの筋書き。
他にもエラゴンが恋心を抱くエルフのアーリア、新しくヴァーデンを指揮する気の強そうなナスアダなど女性がたくさん活躍してくれます。
そして何より魅力的なのがドラゴンのサフィラ。
サフィラは雌で、エラゴンとは固い絆で結ばれ意識の中で会話するのですが、ちょっと生意気な女の子みたいでおもしろい。
ドラゴンが自分しかいなくてパートナーがいないことを悲しんだり、エラゴンにやきもち妬いたり(?)親近感のあるドラゴンです。
ストーリーを忘れないうちに早く下巻を読みたいのですが、だんだん登場人物も多くなって複雑になってくるから覚えるのが大変
どうやら『エラゴン』は映画化も決定しているようです。
楽しみですね。