ほぼ是好日。

日々是好日、とまではいかないけれど、
今日もぼちぼちいきまひょか。
何かいいことあるかなあ。

ゲド戦記外伝

2008-02-27 | 読むこと。


         『ゲド戦記外伝』
         U.K.ル=グウィン


以前『ゲド戦記Ⅴ アースシーの風』を読んだあと、
この外伝が出版されることを知ってはいましたが、
内容的になんとなく難しそうと思い込み、
まだ読んでいませんでした。

先日たまたま図書館でこの本を見つけ、
久しぶりにゲドの世界に浸って見たいなあ、と
(いや、ホントはちょっと現実から逃避したいと・・・
と手にとりました。



この本には五つの物語が収めてあります。
アーキペラゴの歴史、ロークの学院の成り立ち、
魔法使いのこと、人と竜のことなど、
本編を読んだあとにこれを読むと、
この、ちょっとわかりにくい世界のことがとてもよく理解でき、
非常に興味深く読むことができました。

『ゲド戦記』を読むにあたって、
あるいはどのファンタジーでもそうですが、
そこには独特の世界観があります。

この世界の成り立ち、まじない師と魔法使い、
生と死の石垣、ロークの学院のそれぞれの長、
何より理解しがたかった竜と人との関係などなど。

本編を読み進むにつれ、
少しずついろんなことがわかってはいくのですが、
この外伝を読んでより理解が深まったような気がします。

そしてなにより、作者がこの世界に対して、
深い洞察力と愛情を持っていることを強く感じました。

ル=グウィン女史の作品をいつも安心して読むことができるのは、
彼女の創り出す世界が上っ面だけのファンタジーの世界なのではなく、
根底に何か確かなものがある、と読者が感じるからなのでしょう。

実在の世界ではないのにも関わらず、
このア-スシーでも時は流れています。

この架空の世界でも、歴史は変わり、
人々の考えも生き方も変化していきます。

ロークの学院ができたころは、
男でも女でも一緒になって魔法を教えあってきたのに、
いつのまにか女性は穢れたものとして排除され、
魔法使いは自ら禁欲の呪文で女性を避けるようになったとのことです。

なるほど、ゲドとテナーが結ばれるのに、
あれだけ時間がかかったのも納得できますよね

そんなロークにひとりの女が訪れ、
その女を迎え入れるかどうか、
長の間たちでひと悶着あった、というのも頷けます。

そして、その女こそ『アースシーの風』で
登場するアイリアンなのです。
本編だけでは少し唐突な感じがしないでもありませんが、
これを読むと彼女の存在がより重く感じられます。


ゲド戦記の4巻、5巻ではフェミニズムの問題など
現代と通じるものがあり、
単なるファンタジーで終わっていません。

そこには1巻から外伝に至るまでの作者の時間の流れと、
アースシーの時間の流れと、
そして読者である私たちの時間の流れがあり、
読むごとに、つまり、読者の年齢や経験に応じて、
何か新しい見方や発見があるように思います。

あ~、おもしろかった~、だけでは終わらない、
ハイファンタジーならではの魅力でしょうね。

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ゆれる

2008-02-20 | 観ること。

           「ゆれる」


ずっと、観たいなあと思っていたオダギリジョーの話題作「ゆれる」。
冬ごもりの連休に、ようやくDVDで観ることができました。

ふと目にする雑誌の広告やポスターで、
法廷シーンのオダギリジョーのあの暗い表情を見るたび、
どきどき、そわそわしてました。
観たいけど、なんだか重~いものを抱え込んでしまいそうで。

実際、最近ハリウッドの娯楽大作しか観ていない私には、
非常に重く、そして、とても見応えのある作品でした。

観終わってまず最初に感じたのは、
なんて上手い役者さんたちなんだろう、でしたからね~(笑)

複雑な内面を表現するわずかな表情の変化、
人生すら感じさせる無言の背中、
とても意味を持つ何気ない会話、
ドキッとさせられる映像。

対照的な兄弟を演じる香川照之さんとオダギリの演技は、
寡黙でありながら演技に内面が滲み出てくる香川さんと、
一見派手そうで、淡々と複雑な心境を演じるオダギリの、
緊張感漂うものでした。
何度、息を詰めて見ていたことか・・・。

兄弟という、かつては一緒に暮らし、
血は繋がっていながら全く違った個性を持ち、
別々の人生を送る複雑なつながり。
その心の深淵にあるものは何なのか。

吊り橋から転落死した女性をめぐり、
事故なのか事件なのか、何が真実なのか。
観ているこちらも、心はゆれまくっています。

そしてラストシーンを観ても、
果たしてこの兄弟は、この後どうなってしまうのだろう、
と気がかりな思いを残したまま終わってしまうのです。

あの、揺れる吊り橋を渡ったときから、
もうもとへは戻れなくなった兄弟の思い。

その兄弟の間で(というか、弟のせいで)
揺れ動き、切ないほどの思いを抱いて、
転落死してしまった女性が哀れでした・・・。

先日、日本アカデミー賞で「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」が
意外にも(!)たくさん賞をとりましたが、
私はこの「ゆれる」のほうがずっとよかったと思いました。
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雪の日のこと

2008-02-18 | 日々のこと。



今年は雪が降っても積もらなくてやれやれ、と思ってたのに、
とうとうこの週末30センチほどの積雪がありました。

おかげで、3日間連続雪かきです~

我が家は角地で、片側は小学校の通学路にもなってる歩道。
仕事の前に主人が雪かきをしてくれます。

もう片方は私がしますが、事務所の玄関と車庫に
なっているので雪を捨てる場所がなく、
雪をかいては運び、かいては運び。
これが、けっこうこたえるんです。

それが終わると、今度は近所の義母の家へ。
こちらも角地なので、とりあえず人ひとり通れる分だけ。

それだけで、もう腰が・・・

30センチほどの積雪でこれなんですから、
豪雪地帯の方々は屋根の雪おろしまであって、
ほんとに毎日ご苦労だなあ、と心が痛みます。

お年寄りばかりだと体力的にもかなりきついのに、
雪かきをしないわけにはいかないし。

休日の朝、近所で雪かきの音が聞こえると、
あ~、ウチもそろそろやらなきゃ!と気になって、
そわそわするんですよね

そこまで気にしなくてもいいのかもしれないけど、
雪かきがしてないと、この家は雪かきしてないなあ、
という目で、つい見てしまうんですよ。

実際、どこもほとんど雪が解けてるのに、
そこの家の前だけ雪が残ってると、
自転車なんか不便この上ないし(何度かこけそうになった私)。

子どもが中学生のとき、朝練で7時前に家を出るのに、
もう雪がかいてあった、と感動してたことがありました。

一方で、高校になって自転車通学になると、
ほとんどの道で雪かきがしてなくてすべってこけそうになるし、
送り迎えの車は多いし、こわくて大変だとも言っています。

たかが雪かき、されど雪かき、なんですよ~

雪が積もったら、元気な中学生や高校生に朝の1時間、
雪かきボランティアでもしてもらえたら
ずいぶん助かるのになあ、と思います。

ウチの子たちは雪かきが好きで、
この週末は手伝ってくれて助かりました。

次女は土曜日のクラブでも、漕艇センターの雪かきをした後、
雪合戦して遊んだよ~って、シューズも靴下もびちょびちょ

若いコはエネルギーがありあまっているんだから、
いいアイデアだと思うけどなあ・・・。

それにしても、もうそろそろ雪がやんでほしいです~
コメント (6)
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甘い誘惑

2008-02-13 | 食べること。
明日はバレンタインデー。

我が家では恒例となった子どもたちのチョコ作りで、
この連休はキッチンを占領されてしまいました。

今年は長女と次女と共同して、
トリュフ、チョコレートガナッシュと、
2日間にわたり2種類のチョコレート菓子に挑戦。

高校生ともなると私が口出しする必要もなく、
ときどき味見までさせてもらえます。

それでも、結婚して子どもたちが小さい間は
ずっと手づくりのバレンタインを心がけていた私としては、
なんだかちょっと淋しいような・・・。

一応、主人と子どもたち用にチョコレートは買ってあるんだけど。



冷蔵庫に子どもたちが使った卵の、
卵白だけ残っているのが気になっていました。

お菓子作りをする余裕はなかったけど、
ええい、作っちゃえ!
ということで、その卵白でラングドシャを焼きました。





夕食をつくる前にタネだけこさえ、
絞りだして焼くのは長女にまかせました。

小さいころ、学校から帰ったとき、
お母さんがクッキーを焼いてくれてると嬉しかった~、
なんて思い出話を聞きながら、
こうやってふたりでキッチンに立つのも
あとわずかだなんだなあ、なんて思い、胸につんときます。

最近、長女はこんなふうに、小さかったころの
いろんな思いを語ってくれるんですよね。
前髪をハサミで切られるのが泣きたいほど嫌だった、とか(笑)

今になって初めて、
ああ、あのとき、そんな思いでいたのか、
と、気づかされることが多くて、
今さらながら冷や汗ものです。

当時はまだ幼くて、自分の思いを表現するなんて、
できなかったんだろうなあ。

親は親で子育てに追われ、結局自分のことで精一杯。
子どもの気持ちを思いやる余裕も、
想像力もなかったのでしょうね(苦笑)

それでも、ストレス解消で作ってたお菓子が、
子どもには楽しみになっていたんだなあ、と思うと
少し救われたような気がします。

おかげで、今では母娘ともども甘いもの大好き

この時期、体重計に乗るのがコワイけど、
甘い誘惑には勝てそうもありません。

薄~いラングドシャ。
ついつい食べ過ぎてしまいそう・・・

コメント (10)
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冬ごもり

2008-02-08 | 日々のこと。
毎日寒い日が続いています。
今日なんて、一日中雪が降り続いて、気温が0~1度台。
外はこんな感じです。





今年は雪がよく降りますが、あまり積もりません。
今日は10㎝もないくらい。
水分が多いのですぐ解けます。
雪かきをしなくていいのでラクですが、
毎日こんな天気で寒いと、さすがにうんざり。

おまけに、今年は何かと雑事が多くて、
いつもなら1月からとりかかる確定申告の準備が
2月に入ってからになってしまいました。

支払調書が送られてこなかったり、間違ってたり、
計算が合わなかったり。
四苦八苦の日々なんです~

ということで、しばらくブログの方は
冬ごもり状態になりそうです

早く、暖かくなってほしいなあ・・・

コメント (2)
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