昨日、奈良へ行ってきました。
実は、新型インフルエンザの脅威がじわじわと近づく中、
受験生を持つ親としてずっと外出を控えていました。
今月末には面接を控えており、今罹ったらさあ大変!と
人の集まる絵本の講演会もあきらめ、あちこちからの友人からの誘いも断って。
(声をかけてくださったみなさん、本当にごめんなさい
)
でも、この週末、とうとう我慢の糸がぷつん。
あ~、もう限界。
奈良へ行きたい。
阿修羅を見たい!
今、奈良の興福寺では「興福寺国宝特別公開2009 お堂でみる阿修羅」
というのを開催しています。
通常、国宝館に展示してある阿修羅が、堂内に安置してあるというのです。
つまり、ナマ(?)で阿修羅を見ることができる(笑)
それに、ちょうど正倉院展も開催中。
何で私だけが我慢しなくちゃいけないのっ!?
切れてしまった糸は、もうもとには戻りません。
阿修羅を見たい、と言ってた長女を誘い、何の下調べもなく、
近鉄に乗って、ン十年ぶりの奈良へ。
しかし、・・・甘かった
月曜日にも関わらず、まず近鉄駅構内の臨時入場券売り場で、
「正倉院展75分待ち」と書かれた札が。
どうしようと迷っていると、見ず知らずの親切な女性から
招待券を譲り受けました(感謝です
)。
これはもう並ぶの覚悟して行くしかない。
その前に、阿修羅を見に行こうと興福寺へ行くと長蛇の列。
な、な、なんと180分待ち!?
TDLでもUSJでも、3時間も待ったことはありません。
3時間も並んでいたら、どこへも行けなくなってしまいます。
とりあえずお昼を食べて、先に正倉院展を見ることにしました。
昼過ぎの時点で45分待ち。
長女と久しぶりに会い、おしゃべりは尽きないので、
これくらいの待ち時間は苦ではありません。
しかし、苦行は待ち時間ではなく、中に入ってからでした。
これまで、あれこれ美術展は行きましたが、こんなに
人が密集しているのは始めての経験かも。
たいてい、入り口近くは混んでいても、だんだんばらけてきます。
ところが、どこもかしこも展示品のまわりは二重三重の人垣。
館内が人でごった返している状態なのです。
しかも、この日は汗ばむほどの陽気。
30分ほど見ていると気分が悪くなってきて、早々に退散(涙)。
最初に展示品の解説を聞いていたので、
興味があったものだけは最前列に潜り込み、なんとか見ることができました。
正倉院展へは、学生のときに一度行ったことがあります。
そのときも大勢の人で、それほどみんな正倉院の宝物に興味があるの!?
と、驚いたものです。
でも、私自身は「へー」と思ったくらいで、あまり印象に残っていません。
でも、この年になって見ると、細やかな装飾のひとつひとつに、
千年以上の年月を経ても変わらない色鮮やかさとデザインの美しさに、
思わずため息が出、それらを作りだした人々の技術の高さに驚かされます。
しかも、それらの宝物が、奪われることも壊されることもなく、
現代まで受け継がれてきたというのは奇跡に近いこと。
古代のロマンと息遣いを感じる・・・にはほど遠い環境でしたが、
それでも、これらの宝物をこつこつと作り続けた人々や、
それを守り続けた人々の熱い思いを感じ取ることができました。
紫檀木画槽琵琶<裏面>
博物館から出るともう4時過ぎ。
もう一度興福寺へ行ってみましたが、まだ120分待ち。
泣く泣くあきらめて、せめて五重塔だけでも、と写真を撮りましたが、
秋の夕暮れは早く、薄暗くてこんな感じになってしまいました。
ほんとは、秋の奈良をのんびりと散策したかったのに、
昔行った
たかばたけ茶論へ長女を連れて行こうと思ってたのに、
あちこち雑貨屋さんめぐりもしたかったのに、
・・・どれもこれも叶わず残念なことでした。
何より、阿修羅を見たかった・・・(涙)
でも、こもりがちだった日々の鬱憤を晴らすことができたし、
いろんなものを見て久しぶりに刺激も受けたし、
すご~く疲れたけれど、奈良へ行ってよかったです。
(長女とも、いっぱいおしゃべりできたし
)
今度はしっかり下調べをして、まだ行ったことのない
法隆寺や石舞台、室生寺へと足を伸ばしてみたいものです。
あ~、その前に、なんとか次女の受験が無事に終わりますように。
面接まで、インフルエンザに罹りませんように