ほぼ是好日。

日々是好日、とまではいかないけれど、
今日もぼちぼちいきまひょか。
何かいいことあるかなあ。

読み初め 『獣の奏者 外伝 刹那』

2013-01-18 | 読むこと。



めずらしく雨も雪も降らなかった休日、自転車に乗って図書館へ行きました。
ここ数年なかなか読書がすすまなくて、図書館へ行く頻度もめっきり減っています。
特にこの季節、外へ出るのも億劫で。

でも、年末年始よく働いたので(誰もほめてくれませんが・笑)、そのご褒美に
ちょっと本の世界に浸りたい・・・ならば、「あの本」を借りてきちゃおう、
と思って重い腰を上げたわけです。

最近は、図書館へ行くたび「あ~、久しぶりだなあ」と感じてしまう。
それだけ遠ざかってしまっているわけですね。
借りるつもりの本を手に取り、少しばかりうろうろすると・・・
こんなときにかぎって、読みたいと思いながらまだ読んでない本がずらり

『雪と珊瑚と』梨木果歩、『六条御息所源氏がたり 空の章』林真理子、
『一刀斎夢録』浅田次郎、そして『獣の奏者 外伝』上橋菜穂子。
しかも、手には今日借りるつもりの『氷と炎の歌4 乱鴉の饗宴』上下2冊。
(読み出すと止まらないから、ずっと我慢してた本なのです)
まるで、タイプの違う5人の男性から一度にプロポーズされたような・・・
いや、ちょっと違うか・・・


その中で、まずはずせなかったのがこの『獣の奏者 外伝 刹那』です。
この作品の本編はアニメにもなりました。
あまりに子どもっぽい絵柄にがっかりして私は観ていませんが。

作者ご自身が書かれているように、この作品は児童文学ではありません。
上橋作品は、守り人シリーズでもそうでしたが、過酷な人生を
背負わされた主人公が描かれ、ファンタジーといっても
その主人公の心情はリアルで、大人の私が読んでも心を揺さぶられ、
充分読み応えがあります。
この外伝は、久しぶりの読書ということもあり一気読みでした。

以前<闘蛇編・王獣編>を読んだ後、私は主人公エリンとイアルに対して
なんとなくもどかしい感じを抱いたのですね。
いくらストイックなふたりといっても・・・と。
それが<探求編・完結編>ではすでに夫婦になってるやん!
ファンならすっごく気にかかる、このふたりの恋のいきさつ。
それが、この外伝の中の「刹那」で書かれています。

これははっきりいって大人の恋愛小説です(笑)
本編では王国の運命に関わる者として、過酷で孤独な日々を送っていたふたり。
王国における自分の立場と、自分自身を生きようとする感情との葛藤に苦しみながら、
そのふたりが互いに魅かれあい、不器用ながらも少しずつ心を開いていく様子が
なんともせつなくて、読んでいて心に沁みてきます。
それが、エリンの命がけの出産を、ただ待つしかないイアルの語りとして
書かれているので、彼の苦悩やエリンの教導師エサルの苛立ちが手に取るように
わかり、臨場感もたっぷり。

本編では王獣の生殖に関わることが重要なテーマとして出てきますが、
そのつながりからいっても、エリンが人を愛し、さまざまな試練が待ちうけようとも
その人の子どもを生む決断をしたこの短編で、物語は完結したような気がします。

これ以外に、エリンのよき理解者である教導師エサルの若かりし日に
経験した苦い恋の話「秘め事」や、エリンの息子ジェシのエピソードを
書いた「初めての・・・」が収められています。

あとがきに書かれていますが、この作品は自分の人生も半ば過ぎたな、と感じる
世代に向けた物語になったとのこと。
私など、まさにそんな年代なのですが・・・
最近は、レンアイ小説を手に取ることもなく、どちらかというと侘び寂びの日々(笑)
でも、この作品を読みながら、ふと、もうすっかり忘れていた自分の若いころの感情を
思い出したり、そんな思いを懐かしむような気持ちになりました。

”人生というものがどれほど速く、あっけなく過ぎ去ってしまうものか・・・"
それがわかるから、過ぎ去った日々がこんなにもいとおしく、一瞬一瞬が
かけがえのないものに思えるのですよね・・・



本編については、こちらに書きました→<闘蛇編・王獣編><探求編・完結編>

コメント (2)
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ツナガラナイ・・・ ツナガル

2013-01-11 | 日々のこと。
元旦に次女が帰省し、一週間ほど滞在して帰った翌日、
入れ替わるように今度は長女が帰省。
二泊して、きのう京都へ戻って行きました。
12月後半~きのうまであれこれ気忙しい日が続きましたが、
ようやくほっとひと息です。


ところで、年末にウルトラブックが届きました。






私が普段事務所で使っているパソコンは、長女が高校入学のとき購入したもの。
”山南さん”と名づけて(当時大河ドラマ「新選組!」の大ファンだったので)、
二人で共有して使っていました。
その後長女には、大学入学を機に新しいノートパソコンを購入。
(就職して、自分でまた新しいのに買い換えたようです)
私はといえば、そのままずっと山南さんを使い続け、仕事だけでなく、
調べものや買物をしたり、このブログを書いたりしていたわけですが・・・
はい、かなり古く、重く、遅い・・・です。

それに、以前から事務所だけでなく2階の自宅でもパソコン使いたいね~と
言っていたこともあり、タブレットと迷った挙句、このウルトラブックに決定。
年末に届いて、こたつでパソコンという夢がやっと実現したというわけです(笑)

これでブログもさくさくとアップできる・・・と思いきや・・・
そんなに現実は甘くありませんでした。
まずwindows8の使い方がよくわからない
ということで、お正月休みには次女が「レポート書くのに貸してね」と
こたつに入ってさささ~と使っているのを横目に、ほとんどネットから
遠ざかっておりました。
せっかく、これですぐにツナガルと喜んでいたのにね。
ま、新しいパソコンには、ぼちぼちなじんでいくことでしょう。
(と言いながら、これも結局山南さんで書いますが



さてさて、年末にちょっとした事件がありました。
長女が買ったばかりのスマホを失くしたというのです。
そのときは公衆電話から家の電話にかけてきたのですが、その後
こちらから連絡がとれない。
用事があるときはパソコンのほうにメールして、ということだったのに、
メールしても返事がない。
いつもなら、次女と違ってすぐに返信してくれる長女なのに。
スマホを落として落ち込んでいないかとか、友達に連絡できず
不便だろうなあとか、あれこれ気にかかります。

これまで、携帯ですぐに連絡がとれるという状況が、ひとり暮らしの娘を持つ
親の安心にいかに大きな役割を果たしていたか、ということを痛感させられたのでした。
もしスマホが見つかったら、警察から実家のほうに連絡があるかもしれないと
言われていたので、3日間も連絡がないと、悪用されたらどうしようとか
よからぬことを考えるばかりで、心配で心配でしかたありませんでした。
昔は「便りがないのはよい便り」なんて言いましたが、こう簡単につながる
社会だと、つながらないでいることが必要以上に不安になってしまうのですね。

数日後、携帯の着信音が鳴り長女からだとわかったときは、主人と
飛び上がって喜びました。
結局、スマホはタクシーで落としたことが判明し、取りに行って
すぐに連絡してくれたようです。
また私が長女のパソコンに送ったメールは、古いアドレスに送ってしまっていた
ということにも気づきました。
そのメールを後で読んだ長女曰く
 -お母さん、心配してくれていたんや。ごめんね~
  私3日間スマホなくても、あんまり不便やなかったわー
だって。

とりあえず、つながるようになってよかった、よかった。



今年もぼちぼちではありますが、ブログを通じてつながっていきたいと
思っておりますので、よろしくおつき合いくださいませ。


コメント (4)
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