ほぼ是好日。

日々是好日、とまではいかないけれど、
今日もぼちぼちいきまひょか。
何かいいことあるかなあ。

ミヤマ物語

2009-03-31 | 読むこと。

       『ミヤマ物語 第一部』
         あさの あつこ


以前、新聞の広告欄で見たときから、ずっと気になっていた本です。

毎日小学生新聞に連載されていたというから、
小学生向きなのでしょうが、これがなかなか。
主人公は小学生(あるいは、それくらいの年齢の子ども)です。
でも、彼らの抱える孤独、閉塞感は、大人も子どもも共通のもの。
あさのさんの文章は、けっして「子ども向き」にはなっていません。
年齢に関係なく引き込まれます。

ミヤマというのは<深山>、深い山ですね。
どこもかしこも眩い現代社会において、
いまだに底知れぬ闇が存在するところ。
主人公のひとり、透流(とおる)の父の田舎、
山奥にある雲濡<ウンヌ>という土地が舞台のようです。

そして、もうひとりの主人公、ハギ。
彼が住むのもウンヌ。
しかし、そこは身分制度が厳しく、ハギは履物を履くことも許されない、
最下層の身分です。

そう、この物語、ふたつの世界に住むふたりの主人公が、
それぞれ自分の住む世界から逃れようとするところから
始まるようなのです・・・。
というのは、主人公たちのそれぞれの世界でのできごと
(いじめや身分制度)が描かれ、ふたりがやっと出会ったところで
残念ながら第一部は終わってしまいます。

雲濡とウンヌという異世界の謎、消えた透流の祖母の遺体、
ウンヌの身分制度で一番偉いとされるミドさまとは何者か、など
あちこちに謎がちりばめられていて、それも気になるところ。

「深い山の闇の暗さと魅力について書きたい」と
あさのさんが書かれていたようですが、
私がこの本に興味を持ったのもその<闇>なんですね。
これから、どんな展開になるのか、ものすごーく楽しみ。

そうそう、このふたりの主人公。
透流は少年ですが、ハギのほうは途中まで
てっきり少女だと思ってたんです。
少年とわかって、やっぱりあさのさんだなあ、と(笑)
『バッテリー』や『NO.6』同様、少年たちの物語のようです。

それにしても、図書館の(児童書でない)棚に、
あさのあつこさんの本がずらーっと並んでいるのを見てびっくりします。
ここ数年の間に、たくさん書かれていますよね。
それも児童書から時代小説まで。
『NO.6』は子どもたちが好きなので、私もずっと読んでいますが、
7巻までいってもまだ終わりません。
この『ミヤマ物語』の第二部も、毎日小学生新聞に連載されるそうだから、
そんなに連載かかえてごっちゃにならないのか、
一読者としていらぬ心配をしてしまいます(笑)


あさのさんの作品は、児童書なのにどこか突き放した結末で、
森絵都さんの作品のように「最後は暖かい気持ちになれる結末」が
好きな私としては「子どもの本としてはどうかなあ」と思っていました。
でも、子どもだからといってごまかさない、容赦ないリアル感が、
子どもたちの胸を打つのでしょうね。
そして、だからこそ大人が読んでも読み応え充分なのだと思います。

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全力疾漕

2009-03-23 | 日々のこと。
一年ぶりに、主人と次女の応援に行ってきました。

去年は観光もかねて、ということでホテルで一泊し、
結局二日とも応援に行ったわけですが、
今年は近くに住む年老いた義母をひとり置いておくわけにもいかず、
夜行バスで出発し、翌日の準決勝だけ見て夜には帰ってくる、
という強行スケジュール。

それでも義母はひとりでいることを不安がり、
主人は義姉に声をかけ、義母はあちこちに電話をかけて
泊まりに来てくれそうな人を探し、
私は私でデイサービスをお願いしていました。

まあ直前まですったもんだの末、どんでん返しもありましたが、
前日から義母の妹(つまり主人の叔母さん)と
義姉がどちらも泊まりで来てくださることになり、
どうにか出発することができたのでした。ふぅ~、やれやれ。

年寄りを置いて夫婦ふたりで出かけることが、
こんなにも大変なことだとは思いませんでした。
・・・この先が思いやられるなあ。

それでも、おかげで長女と会って一緒に居酒屋へ行ったり、
バスの発車時刻まで時間つぶしにカラオケにつきあってもらったりと、
思わぬ時間を楽しむこともできました。




23時55分発のバスに乗り、早朝浜松着。
座席がわるかったのか、振動が激しくてほとんど眠れませんでした。
おまけに私はずっと風邪気味のうえ、ここ数日花粉症がひどく、
声はがらがら、目は充血して、最悪の状態
主人も持病の腰痛が出てしまいました。

でもお天気はよく、電車、バス、シャトルバスと乗り継いで
会場に到着したときは、レース前の高揚感で体調の悪さも
すっかり吹き飛んでいました。





     レース前なので、まだ人影まばら





       直線で2000メートルのコース



次女は前日の予選は通過したので、午前中は男子の敗者復活戦の応援。
がんばって、準決勝進出を決めました!

午後から準決勝が始まります。
去年は先輩たちと一緒でしたが、今年はシングル。
自分の力だけでどこまでいけるのか、親としてもはらはら、どきどき。

目の前に次女がいても、そこは部外者は立ち入り禁止。
親といえども、離れたところから見てるだけ。
あまり緊張しているようには見えません。
小学生のとき、ピアノの発表会で順番が近づくと
「お腹が痛い」と言ってた頃に比べたら、
ずいぶんたくましくなったなあ、と感慨深いものがあります。






リギングもすみ、いよいよ漕ぎ出します。
このとき、応援に駆けつけてくれた他校の選手たちがいっせいに
「○ーちゃん、ファイト~!!」と声をかけてくれ、
私なんかそれを聞いただけで、うるうる

選抜チームの合宿などで、他校の友達もたくさんできた次女。
レース前は週末になると合宿で、本人も親も大変でしたが、
かけがえのない時間を過ごしてきたんですねえ・・・。

もうひとつ、笑えるエピソードを主人から聞きました。
ゴール近くで応援していた主人のそばで、
他校の男子生徒ふたりが「○○~、行けー!!」と
大声で何度も次女の名を呼んで応援してくれていたそうです。
それが嬉しくて、ゴールした後主人は思わずその男子生徒の肩をたたき、
「ありがとう」と言って去って行ったとか・・・。
その男の子たち、びっくりしたでしょうねえ。
心の中では、
「娘の苗字を呼び捨てにせんと、「さん」くらいつけんか」
と、思ったらしいですが(笑)






結果は、翌日の順位決定戦に出ることになりました!
でも、残念ながら私たちは帰らなければなりません。
後ろ髪引かれる思いで会場を去ったのでした。


とりあえず夏まで、次女は全力疾「漕」することになりそうです。
私もせっせと早起き、お弁当つくりに励みましょう。

ところで、3学期の修了式を欠席して出発した次女。
・・・通知表はどうなったのかなあ?



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もうすぐ、春?

2009-03-18 | 日々の落書き。



日々の雑事に追われていると、なんだか自分自身が
少しずつすり減っていくような気がします。
そんなときはできるだけ、本を読んだり、文章を書いたりして、
自分の時間をつくるよう心がけています。

先日、色鉛筆画を描きました。
ほんと、久しぶりに。
「日々の落書き」なんていうカテゴリーをつくったわりに、
ほとんどふえてないですもんねえ(笑)



今日は、本当にチューリップでも咲きそうな、
春本番を思わせる陽気です。
最高気温は・・・23度!?
つい先日まで、10度なかったんですけどぉ

実は今日、次女が春の選抜大会に向けて出発しました。
去年は先輩たちにまじっての出場でしたが、今年は女子ひとり。
そのかわり、今年は頼もしい男子たちが出場します。
・・・道中の車の中が、ちょっとむさくるしいかも(笑)

次女は、期末テスト、合宿と、無理がたたったのか体調を崩し、
ひやひやしましたが、薬とマスク持参で出発しました。
これから夏まで、母娘ともども大変な日々が始まるんだろうなあ・・・。
私も今から体力つけなくちゃ






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風の男

2009-03-13 | 読むこと。
ここ2週間ほど、マイブームになっている人物がいます。
それは、今さらですが・・・
白洲次郎と正子。

NHKのドラマを見て、すっかりハマってしまいました
第一回の放送を見て、翌日、早速白洲次郎の本を買いに走ったくらい。
日ごろ腰の重い私にはめずらしいことです(笑)


とりあえず買ってきたのは・・・



       『風の男 白洲次郎』
          青柳 恵介


奥様の正子さんの本は、若いころ読んだことがありましたが、
ご主人のことは全く知りませんでした。
最近、本屋で白洲次郎関連の本をよく見かけるようになり、
ご主人も有名な方なんだ、くらいにしか思っていなかったのです。
それが、ドラマを見て初めて、戦後の日本になくてはならない人だったんだ!
ということを知りました。

とにかく、すごい人です。
私の中では幕末の坂本竜馬か、戦後の白洲次郎か、
というくらい今では上位を占めています(笑)

終戦直後、吉田茂の側近として活躍し、
GHQを相手に一歩も退かなかった彼は、
「従順ならざる唯一の日本人」と言われるなど、
たくさんの逸話が残っています。

それらの逸話からうかがわれるイメージは、
毅然としていて、自分の信念を曲げず、先見の明があり、
クールで熱い男、とでも言ったらいいでしょうか。

今の日本にこんな人物がいたら・・・と、思わずにはいられません。
でも、竜馬にしろ、白洲次郎にしろ、
日本の国のためにあれだけ奔走したにも関わらず、
あとはさっと身を引くんですよねー。
けっして、政治の(権力の)中枢に残ろうとは思わない、
もう次のことを考えてるというか・・・。
そのへんの潔さもカッコイイです。

TVドラマのほうでは、彼の苦悩する姿や、
妻正子との関係、家庭の中での彼の姿が描かれおり、
人間臭さも感じられます。

次郎も正子も若いころ留学経験があり、
それがふたりの生き方に大きな影響を与えているのですが、
家族や夫婦のありかたをみてもよくわかります。
べたべたした夫婦愛や家族愛ではなく、
「個」と「個」のぶつかり合いのような関係なのです。

ドラマで興味深かったのは、正子が政治の中枢で活躍する夫に対して、
自分は誰からも必要とされていない、何をすべきなのかわからない、
と苦悩する姿でした。
日本の美や工芸に精通したあの白洲正子さんにもそういう時期があったのか、
と思うと、大御所のイメージだったのが、うんと身近に感じられました(笑)
といっても、次郎と正子。
並みの夫婦ではありませんよねえ・・・。

ドラマの丁寧なつくり方にも好感がもて、
カメラワークや音楽がまるで映画を見ているようです。
第一話、第二話が終わり、最終の第三話が
都合で8月に放送予定ということですが、
もう一度再放送をしてほしいと思います。

そして、最終話までに白洲正子さんの自伝も読んでみたいなあ、
いつか、ふたりがお住まいになった「武相荘」にも行ってみたいなあ、
と、マイブームはむくむくと広がりつつあります。
・・・というより、現実逃避かな(笑)

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鬼が笑う?

2009-03-06 | 日々のこと。



早いもので、もう3月。
とうに、雛祭りも過ぎました。
一日一日が、あるいは一週間が、一年が、こんなに早いと感じるのは
年をとったせいでしょうか。

普通に過ごしていても月日が経つのは早いのに、
周囲から「ほら、早くしないと遅れをとるよ」とばかりに焦らされると、
「もう、いい加減にしてよ~」と泣きたくなります。

何のことかというと、成人式の振袖の話。
なんと、長女は来年成人式を迎えるのです。
ついこの間まで、私の後をよちよち追いかけていた子どもが・・・。
年もとるはず。


主人も私も成人式には出席しなかったクチなので、
(なんで、成人式なんかに出なあかんの。
 お正月に帰省して、また成人式のために帰省するのは無駄やん。
 と、思ってました
てっきり長女も出席しないだろう、と思ってたんです。

ところが。
今のコって違うのですねえ。
「友達が出るっていうし、私も出る~」って。

ええ~っ!
ということは、・・・振袖!?

どこで調べるのか、昨年末あたりから振袖のDMが届くようになりました。
日本人だし、着物は好きだけれど(着物姿に憧れて買ったこともありました・笑)
振袖はどうも好きじゃない私。
しかも、いまどきの振袖姿のお嬢さんは、これでもかっ!
っていうくらいケバい。

でも、一応娘を持つ母親として、そんなこと言ってられませんよねえ。
成人式に出る女の子のほとんどは振袖なんだし・・・。

それからが、さあ大変。
あちこち聞いたり調べたりすると、
とにかく早く動き出さないと、いい着物からなくなっていくよ、とか、
早く美容院に予約しないと、朝の五時になるんだって、云々。

でも、買うかレンタルにするかまだ決めかねていたし、
何より本人がサークルだ、バイトだ、試験だ、と忙しく
なかなか帰って来れません。

忙しいこの時期に、なんでまだ一年も先のことを、
今からこんなに気を揉まなきゃいけないの~
ほんと、鬼が笑いますよね。

 
で、先月末にようやく長女が慌しく帰ってきて、
振袖の件、どうにか解決しそうです。
結局、姪の振袖一式を借りることで落ち着きました。
娘ふたりいるから買ってもいいかなあ、とも思いましたが、
そうなるとそれぞれの好みがあって、そう簡単に決まりそうになく、
それを考えるだけでうんざりなので・・・。
(次女の浴衣を買うだけでも大変だったのです)


振袖が決まると、あと気になるのは当日のお天気。
成人式といえば、毎年このあたりは雨か雪。
お母さんが、濡れないように娘さんの振袖の袂持って
後ろからついて行くらしいよ、と聞いたときは、
今から気が重くて・・・。

鬼に笑われようとも、来年はどうか晴れますように、と
祈るばかりです

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